なんで!? グルグル巻きにしばられたお地蔵様/南蔵院(葛飾区)、林泉寺(文京区)

馴染みのない街でバスに乗った時、停留所のアナウンスに「???」と思うことってたまにありますが、そんな場面に先日遭遇しました。


それは、JR東日本金町駅から「水元公園」(葛飾区)に向かうバスに乗った時のこと。「次は、しばられ地蔵前、しばられ地蔵前~」のアナウンスに耳を疑いました。


「しばられ地蔵・・・???」聞き間違いかと思い車内の案内板を見たところ、想像した文言と一致する表記。ナニコレ。どうしても気になり、思わずベルを押し、バスを降りました。


確かにバス停の名前は「しばられ地蔵」。

周囲を見渡すと閑静な住宅街といったところで、しばられているお地蔵様は見当たらないのですが、すぐに「縛られ地蔵尊入口」の案内を発見。

そのまま真っすぐ進むと、「業平山 南蔵院」という立派な寺院がありました。伊勢物語で知られる平安時代の歌人、在原業平ゆかりの寺院のようです。

こちらに「しばられ地蔵」様がいらっしゃるのでしょうか?


中に入り歩みを進めていくと、最初はよくわからなかったのですが、近づくにつれてそのお姿を確認することができました。

確かに、しばられている・・・。

なぜしばられているのか不思議に思う人が大半かと思いますが、その由来は江戸時代の「大岡裁き」にあるとのことです。


簡単に説明すると、


① 木綿問屋の手代がお地蔵様の前で居眠り中、反物を盗まれた

② 泥棒を黙って見ていたお地蔵様も同罪とされ(なんで?)、縄でしばられて奉行所へ

③ 野次馬が御用になったお地蔵様を一目見ようと奉行所に集まる

④ 大岡越前守が乱入の罰として反物一反の科料を申し付ける

⑤ その中から盗品が出てきて、大盗賊団は一網打尽に

⑥ 越前守はお地蔵様のおかげだと感謝し、立派なお堂を建立。盛大な縄解き供養を行った


ということだそう。そういうわけで、こちらのお地蔵様は「盗難除け」「足止め」「厄除け」、さらには「縁結び」まであらゆる願い事を聞いてくれるとして信仰されているとのことでした。

お地蔵様の脇には「願かけ縄」(1本100円)があり、この縄でお地蔵様をしばるようです。なんだか少し申し訳ない気もしながら、しばってお参りしました。

参拝後、奥に「解き縄入れ」というものも発見。


聞けば、願い事が叶えば縄を解いてこちらに入れる風習があるそうで、大晦日の夜にはしばられ地蔵の縄解き供養があるとのことでした。何はともあれ、お地蔵様は願い事を託されてしばられていたんですね。よかった。


ちなみに、しばられ地蔵に注目が集まりがちですが、こちらには開運の鐘や聖徳太子堂などもあり、そこに佇むだけで心が洗われるような雰囲気が漂っています。庭も丁寧に手入れされており、水琴窟(スイキンクツ)に水滴を落とすと琴の音が聞こえ、しばし時の流れを忘れさせてくれました。

ところで、「東京にはほかにもしばられ地蔵がある」という情報を聞きつけ、後日、調べて行ってみました。


場所は、東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅近くの「林泉寺」(文京区小日向4丁目)。階段を上がってみると・・・、いらっしゃいました!

隣には、「初代縛られ地蔵尊」も。長い間、人々の信仰の対象になっているんですね。


いろいろと不思議がいっぱいの「しばられ地蔵」ですが、江戸時代から大切に信仰されてきたお地蔵様は一見の価値ありです。みなさんもぜひ訪ねてみてください。

しばられ地蔵 業平山 南蔵院

所在地:東京都葛飾区東水元2-28-25

最寄駅:金町


曹洞宗 青龍山 林泉寺

所在地:東京都文京区小日向4-7-2

最寄駅:茗荷谷

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