日々の暮らしをもっと豊かに!長く愛用できるテーブルウエアを探しに/青花堂 銀座店
銀座駅A1出口から徒歩約2分。EXITMELSA(イグジットメルサ)4階にある「青花堂(セイカドウ)」は、首都圏最大級の品ぞろえを誇る京焼・清水焼の専門店。1975年の創業以来、焼き物や伝統工芸の愛好家はもちろん、料理好きや質の高い和食器を求める人々からも愛されてきました。
そんな同店が2022年6月、従来よりも2倍以上の広さになってリニューアル。主に京都の名工による伝統工芸品などを集めた「青花堂 銀座本店」に加え、全国の伝統工芸品や若手の作家もの、カジュアルラインなども取り扱う「青花堂 GINZA HANARE」を新たにオープンし、より幅広いニーズに応える店舗へとパワーアップしました。
その全貌を探りに、料理好き・器好きとしても注目を集めるモデルの椎名美月さんと一緒に、リニューアルオープンに先駆けてお店を訪れてきました。
運命のひと皿に出合える!作家250名以上、商品4,000点以上の品ぞろえ
店内には、人間国宝に認定された名工の作品から、普段使いにもピッタリな器やカップまで、幅広い商品が並びます。
普段から友人を自宅に招いて手料理を振る舞うことも多いという椎名さん。お店に足を踏み入れるなり「すてきな器がたくさんある〜!」と興奮している様子。気になった器を手に取って、さまざまな角度からじっくりと眺めたり、手触りを確認したり、吟味する目は真剣そのもの。
椎名さん(以下、敬称略):学生時代、割烹料理店でアルバイトしていたことがあって。料理と器という組み合わせに興味があり、自分でも料理を始めてからはもっと器が好きになりました。器がいいと料理もおいしそうに見えるんですよね。
青花堂・井潟代表取締役(以下、敬称略):そう言っていただけるとうれしいです。最近は20~30代といった若い層の中にも、ひと味違う食器を探される方が増えているように感じます。
椎名:取り扱われている商品は、どれぐらいあるんですか?
井潟:リニューアル後は取り扱う点数を格段に増やし、作家さん250名以上、商品4,000点以上を店舗にストックしています。京焼・清水焼だけでなく、日本各地の有力な窯や作家さんの品も幅広くそろえておりますので、必ずお気に入りに巡り合っていただけると思います。
椎名:お気に入りの器がひとつあるだけで、料理もおもてなしも格段に楽しくなりますよね♪
青花堂の工芸品が特別な理由。器のストーリーテラーとして一期一会の出合いを提供
ひと通り店内の商品を見て回ったところで、井潟代表取締役よりお店の特徴や商品の魅力について伺うことに。
椎名:そもそも「京焼・清水焼」とはどのような器なんですか?
井潟:清水焼というのは、清水寺に向かう清水坂や五条坂近辺の窯で焼かれた器のことで、京焼は清水焼を含む京都各地で作られた器の総称です。京焼は日本各地の土を使っており、技法もデザインも決まったものがないので、コレといった定義がありません。
もちろん「祥瑞」などよく描かれる模様はありますが、決まっていないからこそ百器百様と言いますか、作家さんの個性が特に表れやすい産地だとも言えます。今ここに並べたものもすべて京焼ですが、色絵の器(写真右)、金彩の施された器(写真中央)、染付といわれるブルーの器(写真左)といった具合に、その種類も三器三様です。
椎名:先ほど手に取らせていただいた京焼は、土の色を生かしたゴツゴツと素朴な器でした。京焼ってすごく自由度が高いんですね。
井潟:そうなんです。京焼の特徴をひとつ挙げるとすれば、すべて職人さんの手仕事で仕上げられているという点でしょうか。そしてそれは、青花堂で扱う商品の大前提の条件でもあります。当然一点一点の表情が異なりますので、一期一会の出合いを楽しんでいただけたらと思います。
井潟: こちらは1867年のパリ万博で賞賛された薩摩焼をもとにした作品です。とても人気がありましたが、あまりにも細かすぎて描ける人がいなくなってしまったんですね。それを100年ぶりに手描きで復活させたのが、空女(くうにょ)という京焼の作家さんです。
椎名:すごい!こんなに細かいのに手描きなんですね。本当にきれい〜。普段買い物するときも、こうして作家さんや器の物語を聞くのが好きなんです。より愛着を持って大切にできるような気がします。
井潟:器を通して作家さんの人生や世界を見せるお手伝いをすることが私たちの仕事だと思っていますので、そう感じていただけるととてもうれしいですね。
椎名:店内には焼物だけでなく、ガラス工芸や木工芸など幅広い商品が並んでいますが、お店で扱う商品はどのように決めていらっしゃるんですか?
井潟:受賞実績のある名工の器は引き続き扱っていますが、リニューアル後はもう少し気軽に楽しめるカジュアルな価格帯のものを増やしていきます。特に、特色ある作品を作られている若手作家さんの商品は積極的に発掘・採用しています。
井潟:なお、青花堂ではどんなに美麗なものであっても食器として適さないものは原則的に扱っていません。日常の生活の中で器を使っていただきたいので、先ほどの椎名さんのように、使用シーンを具体的に想像して手に取っていただけるのはとてもうれしいですね。
椎名:自分で料理をするようになってから、使いやすい大きさや深さ、好きな手触り、自分の料理に合う色とかが少しずつ分かるようになってきました。これだけバリエ-ション豊かな商品がたくさんあると、楽しくて何時間でも眺めていられます。
井潟:青花堂はこれまでも料理好きなお客さまに支えられてきましたが、窯元の方や作家さんとお話ししていても、美しさより「食器としての出来」に深く気を配られていることを感じます。軽い、持ちやすい、重ねやすい、洗いやすい、盛りつけやすい、料理が映えるなど、使う人の目線で配慮されていて、器としての美しさは最後なんです。
だからこそ、お店で実際に手に取ってこそ伝わるものがあると考えています。今後はトータルコーディネートなど青花堂ならではの器の楽しみ方も提案もしていきたいですね。
いつもの食卓をグレードアップ! 青花堂で出合えるイチオシの器ガイド
椎名:せっかくなので、井潟さんオススメの商品やコーディネートをいくつか教えていただけますか?
井潟:そうですねぇ・・・当店ではここでしか出合えない特注品も数多く扱っています。例えば、作家さん特有のグラデーションが鮮やかな「釉泥彩 フリーカップ」はいかがでしょう。縦の白い模様は釉薬特有の凹凸になっていて、滑り止めになるので使いやすさもバツグンです。
透明感あふれる「花結晶」シリーズは、冷却する過程で花のような結晶が現れた幻想的な器。偶然が生み出すという花結晶の形や大きさは1点1点異なり、同じ模様は2つと作れないので、オンリーワンの器を探している方にオススメです。
椎名:「花結晶」シリーズは、先ほど店内を見て回っていたときも気になっていました。透明感があって、この器に料理を持って食卓に並べたらテーブル全体が華やぎそうですね。
井潟:世界的にも人気の高い南部鉄瓶や曲げわっぱと、京焼・清水焼を組み合わせたコラボアイテムもオススメです。どちらも蓋の部分に京焼・清水焼を合わせたことで、より風格の漂うスタイリッシュな佇まいになっています。
同じ技法で作られたぐい呑を合わせて、お茶や晩酌を楽しんでいただきたいですね。ちなみに、ぐい呑は小鉢やデザート椀としても便利ですし、小物入れに使うなんてお客さまもいらっしゃいますよ。
椎名:先ほども手に取らせていただいたのですが、カップの品揃えが豊富なのも気になっていました。
井潟:そうなんです。今回のリニューアルを機に、ガラス工芸や漆器の技法を用いたカップ類の品揃えを大幅に拡充いたしました。幅広い世代のお客さまからご支持いただいている江戸切子は、ユニークな図柄のものを中心に扱っています。花火を眺める犬と猫が描かれた愛らしいペアグラスは、ウェディングギフトとしてもオススメです。
底に螺鈿を潜ませた高岡漆器のグラスは、水やお酒を注ぐと幾何学模様の神秘的な輝きが広がり、使う人だけを楽しませてくれる奥ゆかしさが魅力。ポップなカラーを展開する山中塗のカップは、保冷性と保湿性が高いので氷を入れても結露しにくく、驚くほど軽いのが特長です。
椎名:こうしてお話を伺うと、どの商品も使い勝手や利用シーンに配慮して作られていることが良く分かります。見た目の遊び心もあって、テーブルに並べた様子を想像するだけでワクワクしますね。
SNSでも話題!椎名さんのテーブルコーディネート術をチョイ見せ
「#ミツキご飯」のハッシュタグで自身のお料理をSNSで披露している椎名さん。プロ並みの料理の腕前もさることながら、楽しい器づかいもたちまち評判に。そこで最後は、椎名さん自身がテーブルコーディネートを実践してみることに。
椎名:すごく迷う・・・けど選びました!こちらは「一人で晩酌を楽しむセット」です。料理を美味しそうに見せてくれそうなので、この黄色のお皿をメインに考えました。“濃(だみ)が効いている”と言うそうなんですが、黄色の濃淡があるところにすごく惹かれたんです。
青いお皿も同じ作家さんのものです。普段は同じ種類の器を揃えるよりも雰囲気の違うお皿を組み合わせて使うのが好きなんですが、この二つは並べるとどこかエキゾチックな雰囲気が出ますよね。
器の縁に合わせて、グラスはシンプルな白に。日本酒も好きですが、暑くなるこれからの季節はやっぱりビール気分(笑)。端っこに子供がしがみついている箸置きもお気に入りです。
椎名:こちらは「友人へのおもてなしシーン」をイメージ。メインにしたのは、涼しげな水色の器。器の縁を重ねた“とじめ”が花のようでかわいくて、何を盛り付けても美味しそうに見えると思いました。夏は素麺を入れても良さそう。
角皿は普段からよく使います。丸いお皿が多いので、四角いお皿があるとバランスが取れる気がしています。オードブルやお刺身を並べてもいいし、こんな風に盃を並べて小鉢風に使っても映えそうですよね♡
グラスは、水色の器のフォルムに合わせて丸みを帯びているものを合わせました。佇まいがすてきなので、少しアンティークな雰囲気もプラスできそうです。
井潟:若いお客さまは何の情報がなくても、不思議と若い作家さんの作品を手に取る傾向があるんです。でも椎名さんが「一人晩酌セット」に選ばれた器の作家である村田幸之介さんは、還暦を迎えようという熟練の職人さんです。幸之介さんもお話を伺うと若い感性を磨こうと今も色々と努力されているんですね。このような商品も若いお客さまに手に取っていただけることが分かって、とても参考になりました。
まとめ
椎名:器って、一つ買い足すだけでも食卓がガラリと変わるので本当に楽しい。今回、作家さんの想いや丁寧な取り組みを聞いて、器がもっと好きになり、もっと大切にしたくなりました。
家族や友人と囲むいつもの食卓はもちろん、ほっとひと息つくコーヒータイムのような何気ないシーンでも、お気に入りの器があれば、より幸せなひとときになるはず。青花堂が提案する新たな器で、普段の暮らしに新しい風を吹き込んでみませんか?
青花堂
所在地:東京都中央区銀座5-7-10 イグジットメルサ4階
電話番号:03-5962-8572(銀座本店)/03-6263-8390(GINZA HANARE)
取材・文/君島有紀
写真/土佐麻理子
情報提供/青花堂
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※本記事内の情報は2022年06月03日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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