Lets ENJOY INTERVIEW vol.39



広尾や上野、日暮里など、海外の雰囲気が漂うエリアで、本場の味を堪能しています

ディーン・フジオカさん



―中華圏をメインに活躍していたディーン・フジオカさん。日本に進出したときの思い出のエリアは、五反田という。

「日本に来て最初の仕事が、五反田にあるスタジオでの撮影だったのですが、それがすごく大変で。当時は毎日、頭を悩ませていました。でもそのときは、ビーフフォーをひたすら食べて、ストレス解消していましたね(笑)」


―食が気分転換だったディーンさんは、かなりの食通。プライベートで出かけるのももっぱら、飲食店という。

「お店は、ジャンルごとにほぼ決まっています。エリアは都内であれば、大久保や広尾、上野、日暮里、小岩、西葛西あたり。街の空気感も好きですが、美味しいご飯って、ああいう“日本なんだけど海外の雰囲気がある場所”で見つかることが多いじゃないですか。それと本場の味がきちんとするのが理想です。だから極端な話、料理が美味しければ、日本語が通じなくても大丈夫です。
最近だと米線(ミーシェン)にハマっています。米線はお米で作る麺で、中国では麻辣スープの中に肉や野菜と一緒に入れて食べることが多く、火鍋麺という感じですね。お米なのでグルテンフリーですし、野菜がたくさん入っていて体に良いので女性におすすめですよ」


―最近では、リサーチ中のジャンルもあるのだとか。

「南インド料理屋さんで“ここ!”というレギュラーがないので、今精査しているところです。南インド料理は、油っぽくなくスパイスを多用していて、体がスッキリするんですよ。今回の映画はインドネシアが舞台なのですが、インドネシアは南インドのようにスパイスを多用していて、手で食べる習慣があります。
撮影では毎日、みんなカトラリーを使わずに右手で食べていました。タカシ役の太賀くんは、作品の中でも食べている姿が板についていて、さすがだなと思いました」


―そんなディーンさんにも、未開拓のエリアがある。

「赤羽や池袋など、東京の北の方にはあまり行ったことがなく、独特な個性を放つお店が多そうなのですごく気になります。本格的なハイディーラオ(火鍋の一種)が食べられるお店もあるので、いつか行ってみたいです」


―また食以外にも挑戦したいことは、

「乗馬です。仕事でやっていたこともあるのですが、単純に好きなんです。やるからには、障害とかも飛べるようなレベルまで到達したいですね」


現地での撮影は肉体的にも精神的にもキツかったですが、それ以上に楽しかったです

ディーン・フジオカさん



―映画『海を駆ける』出演のオファーを受けた際、ディーンさんが最初に感じたのは、驚きと期待。

「インドネシアと縁のある人生を送ってきたので、いつか現地で映画の撮影をしたいと思っていたところに、ちょうどオファーをいただいてビックリしました(笑)。しかもお話の舞台となるのがジャカルタではなく、バンダ・アチェでさらに驚きましたね。あのエリアはすごく特殊な歴史をもっていて、現地の人もほとんど行かないところで、ジャカルタ人にとっては外国みたいな場所です。
そんなところで撮影をすることが正直、信じられませんでした。その後はもう、ワクワクでしかないですよね(笑)。このプロジェクトが日本に大きい影響を与えると思いました。それと自分がこれまでアジアの縦軸で仕事をしてきたので、今まで欠けていたピースが埋まる可能性を感じました」


―ディーンさんが演じるラウは記憶喪失の可能性がある男性で、片言の日本語や英語、インドネシア語が話せるだけという、謎のベールに包まれた不思議な人物。役作りも難しかったと振り返る。

「ラウを演じる上で、まず特定の国籍や民族は感じさせないようにしようとは思ったのと、体型も痩せ過ぎやマッチョ過ぎはラウのイメージではないと思ったので、適度なバランスを心がけていました。そのほかは深田(晃司)監督と一緒に役作りをしていった感じですね。とにかく監督が抱くラウのイメージに近づけられるように、リハーサルをたくさんやりました。
喋り方や目線の配り方、姿勢、歩き方、笑顔の作り方など、普段以上に細かく作っていきました。あとセリフが極端に少なかったので、ひと言ひと言、なぜこういう言葉を発しているのか、演出の中に明確に意図があったと思うので、そのあたりも考えながら演じました」


―現地での撮影は、毎日が充実していたそう。

「撮影が早朝から深夜まで及ぶ日もありましたし、移動をするにも困難な場所での撮影などたくさんあって精神的にも肉体的にもみんな大変だったと思いますが、毎日が本当に楽しかったですね。日本人チームもインドネシア人チームも、キャストやスタッフに関係なく、みんながすごく仲良くなって。
太賀くんが自然とインドネシアのクルーと日本のクルーのマスコット的な感じになっていたり、あとみんなで即興カラオケ大会が繰り広げられたり、常に笑顔の絶えない素晴らしい現場でした」


―そんなディーンさんは今作を通じて、役者として得たものがある。

「もちろん、お芝居的なことも体験として得た新境地の一つだとは思いますが、それよりも喜びですかね。もしくはパッションとか(笑)?俳優としてのキャリアをスタートさせた当時の、あの楽しい気持ちやワクワク感、ピュアな子ども心といいますか、この作品を通じてそれと同じ感覚をまた違うステージでいただけた気がします。あとはインド洋でずっと浸かったり潜ったり、プカプカ浮いたりしたことも、俳優としての新境地ですよね(笑)」

photo:Mariko Tosa stylist:Ison Kawada(impannatore) hair&make up:Hirokazu Niwa(maroon brand) text:Kei Osawa
衣装はすべてISSEY MIYAKE MEN(ISSEY MIYAKE INC.TEL03-5454-1705)




PROFILE&INFOMATION

ディーン・フジオカ

1980年8月19日、福島県生まれ。
2004年より香港でモデルとして活動を始め、2005年公開の映画『八月の物語』の主演に抜擢され、俳優デビューを果たす。日本では2015年、NHK連続テレビ小説『あさが来た』の五代友厚役で注目を集め、その後多くの作品に出演。6月15日(金)には出演映画『空飛ぶタイヤ』が公開。6月20日(水)に2nd Single『Echo』をリリース。



映画『海を駆ける』

映画『海を駆ける』

校舎の屋上で目を覚ました門脇瀬名(市川美織)。陽も落ちた夕方、空はすでに漆黒に染まろうとしていた。そして目覚めた瀬名に待ち受けていたのは、あインドネシアで災害復興の仕事をする貴子(鶴田真由)のもとに、バンダ・アチェの海岸で正体不明の日本人らしき男性(ディーン・フジオカ)が発見されたと連絡が入り、身元確認に出向いたことで貴子が身柄を預かることに。記憶喪失の可能性がある男はラウ(インドネシア語で「海」の意)を名付けられるのだが…。5月26日(土)より全国ロードショー。出演:ディーン・フジオカ ほか 配給:日活 東京テアトル

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自然の中で、初心者でも安全に乗馬を楽しめるクラブ。親子での乗馬や、コミニュケーションがとれる触れ合い体験が人気。


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最寄駅:鶴川/町田
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板橋区立こども動物園

身近な動物と触れ合える、公園の中のこども動物園。ヤギやヒツジにエサをあげたり、ポニーの乗馬も体験できる。


板橋区立こども動物園

最寄駅:板橋区役所前
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※本記事内の情報は2018年05月24日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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