新宿二丁目の路地裏。店内入って左側は壁一面本棚、なかなか主張の強いタイトルが並ぶ。外の看板と同じ、赤いテーブルがアクセントになった店内の、カルチャー色濃いめの雰囲気に押されそうになったそのとき、陰気な人見知りの目には眩しい、黄金(ところどころ茶色)の暖かそうなもふもふが視野に入る。今回はなんといっても、4匹もネコがいるのだ!入店時に私を含め人間が6人。人:ネコ=3:2の割合だ。

▲3匹のネコがみっちり入った箱。もちが絡み合うように、溶け合うネコの境界線。

▲3匹のネコがみっちり入った箱。もちが絡み合うように、溶け合うネコの境界線。

溶け合うネコ、どこからどこまでが、誰なのかわからないからみ(絡み)餅状態。3色の首輪で、なんとか個体を判別。ミシファス♀(赤)、クチマリー♀(黄)、サピラ♀(緑)。「あとで、もう1匹、おやつを出したら出てきますよ」とカウンターにいた女性が教えてくれる。やってきたのが、キロワティオ♂(青)。姿の判別もできないし、名前も難解で、笑えるほどまったく覚えられない!

▲写真を見返して見ると微妙な顔の違いがある。誰がどれって言われてもすぐ答えられないけど…

▲写真を見返して見ると微妙な顔の違いがある。誰がどれって言われてもすぐ答えられないけど…

▲看板ネコらしい姿のクチことクチマリー(♀)。この後すぐ高いところにひょいとのぼり、ダンボールの中へ消えていった

▲看板ネコらしい姿のクチことクチマリー(♀)。この後すぐ高いところにひょいとのぼり、ダンボールの中へ消えていった

この難解な名前、実はスペイン語。4匹を飼い始めた頃、藤本さんは、スペイン出身の作家ラモン・チャオの著書出版に関わっていた。その時に敬愛するラモン自らがゴッドファーザー(名付け親)となってくれたという。

「これは、4匹全員元気に育てないとというプレッシャーがのしかかってきました」と藤本さん。

▲藤本さんが出版に関わった「チェのさすらい」。革命家チェ・ゲバラの人生をドン・キホーテの遍歴と比較してユニークな手法で語る。ラモン・チャオ (著)、ウォズニアック(イラスト)、エビハラ ヒロコ (翻訳)

▲藤本さんが出版に関わった「チェのさすらい」。革命家チェ・ゲバラの人生をドン・キホーテの遍歴と比較してユニークな手法で語る。ラモン・チャオ (著)、ウォズニアック(イラスト)、エビハラ ヒロコ (翻訳)

▲この運命的な出会いに、本の挿絵を描いたイラストレーター、ウォズニアックさんも4匹を描いてくれた。

▲この運命的な出会いに、本の挿絵を描いたイラストレーター、ウォズニアックさんも4匹を描いてくれた。

店の近くの駐車場で生まれ、保健所送りにされそうになっていた4匹の仔ネコと出会い、育てることに。全身茶トラのメスは、遺伝子の関係でかなり珍しいとされているのに4匹中3匹がメスだった。奇跡的な出会いの喜びと共に、経験する苦労。初めて飼うネコを4匹も同時に世話するのは、本当に大変だったという。

▲後ろで順番待ちしてるみたいでかわいい。全員入れないこともないよね?少し詰めてあげて!

▲後ろで順番待ちしてるみたいでかわいい。全員入れないこともないよね?少し詰めてあげて!

「仔ネコはおしっこがちゃんと出ないと命に関わると聞いて、毎日必死に数えていました。4匹、見分けがつかない上に名前も覚えられないから、大変で」と、とにかくおしっこのチェックで必死になり、当時は育児ノイローゼ気味だったとか。

▲見せてくれた当時の手帳。愛が伝わるO&U記録。しっぽの見分け方、わかりやすい!

▲見せてくれた当時の手帳。愛が伝わるO&U記録。しっぽの見分け方、わかりやすい!

最近ウチのネコたちも結石で、おしっこ観察の日々なので共感した。ネコの体調は見た目で判断がしづらく、言葉で通じ合えない相手とのコミュニケーションは不安も大きいからこそより一層愛が深まる。「今はもう、顔でなんとなく区別つきますけど、赤ちゃんのときは、尻尾で見分けていました」。

▲ネコひげコレクション!抜け落ちたひげを拾って保管するのもネコあるある。4匹いるとたくさん集まっていいなぁ

▲ネコひげコレクション!抜け落ちたひげを拾って保管するのもネコあるある。4匹いるとたくさん集まっていいなぁ

体だけでなく顔もそっくりすぎるほど似ている4匹でも、性格はそれぞれ違う。「クチ」と呼ばれる黄色の首輪のクチマリーは活発な上、少食でスリムな体型。

▲クチon the iPad。調べ物をしていて、ちょっと目を離すとこのように。肉球で画面を誤操作しまくりで、陽気な音楽を再生

▲クチon the iPad。調べ物をしていて、ちょっと目を離すとこのように。肉球で画面を誤操作しまくりで、陽気な音楽を再生

▲クチはわりと単独行動をしているけど、構ってちゃんでいたずらっ子?

▲クチはわりと単独行動をしているけど、構ってちゃんでいたずらっ子?

一方緑のサピラは、「いつも食べてるか寝てるかウンコしてるか」と言われ、顔と手足は細いのに胴体が丸くてとても柔らかい。

▲手前左の、涙目のネコが「サピ」ことサピラ♀(緑)。

▲手前左の、涙目のネコが「サピ」ことサピラ♀(緑)。

赤い首輪の「ミシ」ことミシファス(♀)はマスターによく懐いていて、戦隊ヒーローものの赤=主人公みたいな、一番ノーマルな性格のように見えた。唯一のオスで青い首輪のキロは「やっぱり男の子は甘えん坊」だそうだ。

▲ミシファスは太くて普通のしっぽ。王道なイメージ

▲ミシファスは太くて普通のしっぽ。王道なイメージ

▲甘えん坊な男の子、キロワティオ。スペイン語で、電気の単位キロワットのこと。名前の由来も詩的だな

▲甘えん坊な男の子、キロワティオ。スペイン語で、電気の単位キロワットのこと。名前の由来も詩的だな

▲箱入り息子のキロワティオ

▲箱入り息子のキロワティオ

大きな愛情を注いでもらっているのに、知らん顔して寝ているネコたち。それでいいんだ、みんな揃って健康で、長生きしてくれれば。まだまだ寒さ残る3月、自宅の我がネコの体調も心配しつつ、目の前の暖かい茶トラの塊に手を突っ込みながら少し安心感を覚えた。

▲昨年の5月、4匹の誕生日会の様子。テーブルと椅子でごちそうを食べる、たまらない一枚(写真はお借りしました)

▲昨年の5月、4匹の誕生日会の様子。テーブルと椅子でごちそうを食べる、たまらない一枚(写真はお借りしました)

石井芳征(ネコ偏愛者/クリエイティブディレクター/Cat’s Whiskers編集長)

カフェ・ラバンデリア(Cafe Lavanderia)

電話:03-3341-4845

住所:東京都新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル 1F

最寄り駅:新宿三丁目駅

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