【パン連載 Vol.12】おいしいサンドイッチには、おいしいコーヒー。
食の職人がいる新しいカフェ「15℃」で味わう出来たてのサンドイッチと自家焙煎コーヒー
いま、代々木八幡で最も新しい、注目のカフェが「15℃」だ。通りひとつむこうにある人気ベーカリー「365日」の姉妹店として2016年3月9日にオープンした。
地球の平均気温といわれる「15℃」という店名は、世界はひとつであること、自分の行動が環境に、世界の人々に少なからず影響を与える、ということを常に意識し、食にこだわるこの店のコンセプトを表している。
オーナーシェフの杉窪章匡さんは食の職人であるとともに、すぐれた食べ手でもあるので、「おいしくない」とか「時代にあっていない」と思う食べものに出合うと、その理由や改善法を考えて進化させるのが得意だ。それが彼がつくるもの、提供するサービスの特長となっている。
「365日」では、たとえばおいしくて安全なサンドイッチを買いやすい価格で提供できるように、ハムやベーコンを店内厨房でつくっていたが、こうしたことが多くの人に支持されたため、小さな店ではまかないきれなくなり、専用の厨房を設けようと思ったことが15℃開店の経緯のひとつだった。
だからここは、一流レストラン並みの厨房を備えている。朝7時から朝食が、11時からは注文を受けてからつくるハンバーガーとサンドイッチが、夕方5時からラストオーダーの22時までは、自然派ワインや日本酒とともにちょっとした料理が楽しめる。パテ ド カンパーニュ、フォアグラのテリーヌ、リエットなど、パンと一緒にサーヴされる料理はもちろん、国籍問わずにアジア風のスープや野菜炒めなども。
そしてカウンターの中に鎮座し、光を放つのはコーヒーの焙煎機だ。いい商品を安く提供するために自分たちでつくるのが一番の方法、という考えはコーヒーにおいてもそうなのだ。豆の輸入、焙煎から杉窪さんが関わるコーヒー。現在はおもにエチオピアからオーガニックのコーヒー豆を入れている。
たくさんの味を知っていることは強みだ。どの味や香りを引き出して調合するかというすぐれたブレンドの技術となる。サンドイッチにはタコのフリット、カルボナーラ(目玉焼きとベーコンとチーズ)、トリッパのトマト煮、イワシなどがあって、ワインはもちろん、コーヒーともすこぶるよく合う。そのようにブレンドされているからだ。
サンドイッチのために新しくつくられた国産小麦のパンは柔らかいのにほどよい弾力があって、水分に強くサンドイッチに向く。表面のツヤはコーヒーを用いて彩色している。これはパティシエの技のひとつなのだそう。
入口の近くに書架があり、環境や文化、食に関連した本が並ぶ。その隣には中古レコードもある。器も、焙煎したてのコーヒー豆も販売されている。ここはギフト、手土産コーナーだ。奥のショウケースには添加物を使っていない焼き菓子と、青果コーナー。コンビニエンスストアのように「置いてないものがない」感じの店を目指すという。
ここは、カフェのかたちをした総合店だが、コーヒーやパンや料理は専門店のそれだ。365日と15℃は、ふたつでひとつの店と考えてもらえたら、と杉窪さんはいう。特別に変わったものはないのに、なにもかも新しい感覚。代々木八幡界隈のおでかけがまた一段と、楽しくなった。
text&photo / Mihoko Shimizu
- 15℃
- 住所: 東京都渋谷区富ヶ谷1-2-8
最寄り駅:代々木八幡
おいしいコーヒーとサンドイッチが愉しめるお店
15℃の姉妹店。こちらはハンドドリップのコーヒーのみだが至近距離に15℃という焙煎所ができたのでバージョンアップ。季節の野菜や自家製の素材を使ったサンドイッチは小さな料理の満足感。ワインも楽しめる。
- 365日
- 住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-6-12
最寄り駅:代々木八幡
職人の仕事を感じる上質なサンドイッチとスイーツを五感で愉しめる静謐なカフェ。コーヒーは「KUSA.喫茶」焙煎人、姫野さんの豆を使用。心に沁みるような味わいをペーパー、ネル、あるいはフレンチプレスで。
- サンスエサンス
- 住所:東京都町田市つくし野1-28-6
最寄り駅:つくし野
好みに応じていろいろにカスタマイズできるボリューム満点のサンドイッチ同様、イタリア式のコーヒーもエスプレッソからラテ・マッキャート、カプチーノまでミルクの量や温度など希望に応えて淹れてくれる。
- パーラー江古田
- 住所: 東京都練馬区栄町41-7
最寄り駅:江古田
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※本記事は2016年03月13日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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