ファッション偏差値が高い人が集う「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト」。今年2015年9月12日の土曜の夜遅くまで開催された、青山・表参道・原宿でショッピングが楽しめる年に一度の催しです。
以前、表参道の美容師さんに、このイベントはあまり消費につながらないから終わるかもしれないと数年前裏事情を教えてもらったのですが、まだ続いています。
ただ、初期は各国の「ヴォーグ」編集長が来日したりしてかなり派手だったのが、トーンダウンしているような……。
以前は路上でカリスマブロガー、ルミニーリーを見かけたり、セレブ周りに人だかりができて盛り上がっていました。でも、ここ数年のように混みすぎず適度に空いているほうが快適に買い物できそうです。
おしゃれ波動を高めるためにイベントの夜、表参道を歩きました。買い物イベントはソロ活のほうが、気を使わないで好きな店に寄れていいかもしれません。歩いていたら「知り合いがプラダのウェアの立ち上げに関わったんだけど……」という業界トークも聞こえてきました。
周りを見ると、黒い服の人が多く、そう言う私も黒だったのですが、ファッション関係イベントはとりあえず黒を着ておけば無難だろうという安易な考えからでした。しかし街で見かけたおしゃれ女子は黄色とか赤とか原色で冒険しています。どこかで配布しているのか、ライトが点滅し光るバッヂを付けている人も多いです。
そう、このイベントはノベルティ配布やドリンクサービス、割引など受けられるのが素晴らしい利点。何年か前、プラダ店内のふかふかの絨毯の上でシャンパンやブラッドオレンジジュースを堪能させていただいたのは格別なセレブ感でした。しかし今年はプラダはドリンクサービスはなく……。他にもサービスをやめてしまった店が結構あって世知辛いです。
そのかわり、ギブアンドテイクで、お客に宣伝を求めてその代償としてドリンクなど配ってくれる店が見られました。LINEに登録するとノベルティがもらえるとか、ブランドロゴのフォトフレームを持って写真を撮影し、SNSにアップすると飲み物をもらえるとか。エンポリオ・アルマーニでは、店内に展示してあるVespaに乗って記念写真を撮影、ハッシュタグでSNSにアップすると抽選に参加できる、という難易度の高さ。
今まで、得意客でもないのにタダで物を配ったりドリンクサービスしてくれた方が普通じゃなかったのだと思います。ブランド側も数年間お祭り騒ぎを経て冷静になってきたのでしょう。「お酒飲んで終わりになっちゃうから」と、ファッション関係者っぽい人が話すのが聞こえました。
でも、普段あまり奥まで行かない青山の裏路地を歩き回ることで、新しい店を発見できるのがこのイベントの楽しさ。今回は、わりと最近オープンしたペンデュール ヴィア バス ストップの1階のおしゃれカフェと出会えたり、行ってみたかったけれどどこにあるのかわからなかったスーパーエーマーケットを発見できたという収穫が。
また、一応、ささやかながら参加店でワンピースやニットなど購入。買い物袋を持つことで、消費もしているとアピールしつつ、抜け目なく無料のサービスを探します。ソニア・リキエルではシャンパンを配布していましたが、高級感でちょっと足を踏み入れる勇気がなく……。比較的入りやすいステラ・マッカートニーではスパークリングワインをいただきました。いつか何か購入しようと感謝の思いを胸に刻みます。
そして毎回コムデギャルソンは気前よく、高級そうな輸入もののソーダとかお酒を配布。ありがたくいただきました。最近、紙袋をビニールコーティングしたアイテムが激売れしているので景気良さそうです。クローズ時間間近のオープニングセレモニーではクッキーをもらい、ニコアンドトーキョーは買い物が割り引かれた上、レシートを見せてアイスをget。ありがとうございます。この恩は忘れません。
少なくなっているとはいえ、このように、まだ無料で大盤振る舞いしてくれる博愛精神あふれるお店もいくつかあります。それらのお店は、きっと収益を上げているのだろう、と思わせ、イメージアップにもつながります。そしてたぶん、チャリティ精神あふれる施しが、徳を積むことになり、回り回って企業に利益をもたらすのだと思います。目に見えない循環を感じた夜でした。
※2015年9月時点の情報です。
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※本記事内の情報は2015年10月03日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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