【第3回・“ティム・バートン展”編】カップルに負けるな!

▲唯一? の記念撮影スポットはエントランスの《バルーン・ボーイ》。かなりの大きさなのでスマホで撮影するのは大変

▲唯一? の記念撮影スポットはエントランスの《バルーン・ボーイ》。かなりの大きさなのでスマホで撮影するのは大変

『シザーハンズ』『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(製作&構成とキャラクター設定担当)『チャーリーとチョコレート工場』をはじめ、数多くの映画作品で知られるティム・バートン監督。独自のグロかわいくてもの悲しい(でも多くはハッピーエンドな)世界観は、ここ日本でも多くの人──とりわけ女子の──心を掴んでいます。そんな彼のルーツや創作過程をひもとく展覧会が、11月1日から2015年1月4日まで、六本木ヒルズ52階の森アーツギャラリーセンターで開催している『ティム・バートンの世界展』です。


2009年暮れ、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で来場者数80万人以上を数え、歴代3番目の動員数を記録したという『Tim Burton展』をブラッシュアップしたという今回の展覧会。当時は公開されなかった未公開作品150点を加えた、約500点のドローイング、ペインティング、立体作品、人形、動画などが一堂に会するとあらば、20年来のウォッチャーとして見逃すわけにはまいりません。


そんなこんなで、『ソロ活の達人』という肩書きを最大限活用し、10月31日の内覧会にお邪魔してきた自慢の記事がこちらです。


セレモニーには監督のほかVIPの姿も

一般公開に先立ち開催されたのが、監督みずからプロモーションを行うオープニングセレモニー。おりしもハロウィン当日というわけで、コスプレしたお笑いコンビ・ピースや、監督が家族同様に愛してやまないウルトラ怪獣たちが応援に駆けつけ。

▲ミニくまちゃんもハロウィンコスプレで応戦します。マシュマロバズーカがどっか~ん。

▲ミニくまちゃんもハロウィンコスプレで応戦します。マシュマロバズーカがどっか~ん。

▲客席には『チャーリーとチョコレート工場』ウンパルンパ役のディープ・ロイ氏の姿もあり、ここぞとばかりにツーショットをお願いする。ウォンカチョコ1000枚買います!(嘘)

▲客席には『チャーリーとチョコレート工場』ウンパルンパ役のディープ・ロイ氏の姿もあり、ここぞとばかりにツーショットをお願いする。ウォンカチョコ1000枚買います!(嘘)

9つのセクションをじっくり楽しむにはソロが一番

では、ティム・バートン監督の頭の中にズームイン! エントランスには『Tim Burton展』のために制作されたオリジナルキャラクター《バルーン・ボーイ》がお出迎え。6.7メートルもあるので広角レンズ必須ですよ。

ぐるぐる巻きの矢印は本展覧会のアイコン。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を思い出させますね。

作品のテーマやモチーフ、プロジェクトに応じて9つのセクションにわかれる本展。最初の『アラウンド・ザ・ワールド』では監督がお出まし。強引にツーショットを狙います。カッコいいー、ニコラス・ケイジみたい。

ここではメモやナプキンなど紙切れに描かれた、監督のスケッチを公開。中にはウルトラ怪獣の姿も…。創作意欲があればどこでだって作品を生み出せるってことですね。

続いてのセクションは『ホリデー』と『カーニヴァレスク』。エドワード・シザーハンズのパステル画(1990年)がおどろおどしい。また、カリフォルニアの退屈なニュータウンで少年時代を過ごした監督にとって、いかに謝肉祭のインパクトが強かったのかを垣間見ることができます。それにしてもティム・バートン作品って祝祭感と年末感に溢れてますね。

▲ディズニー在籍時代に手がけた『コルドロン』(1985年)の構想案。残念ながらティム・バートン版はボツに…

▲ディズニー在籍時代に手がけた『コルドロン』(1985年)の構想案。残念ながらティム・バートン版はボツに…

マニア的にもっともそそられるのが『実現しなかったプロジェクト』かもしれません。映画、テレビ番組、書籍などお蔵入りしたアイデアが目白押し。特に《トリック・オア・トリート》では、エドワード・シザーハンズやジャック・スケリントンの源流がうかがえます。

『フランケンウィニー』(2012年)の愛らしい《スパーキーザウルス》パペット。飼いたい…

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』からのスケッチ群。ジャック・スケリントンがサンディ・クローズとなって悪夢を撒き散らしてるところですね

▲同じく『ナイトメアー~』より《ロック》、《ショック》、《バレル》の悪ガキ3人組のパペット。こいつらタチ悪いんだよなあ

▲同じく『ナイトメアー~』より《ロック》、《ショック》、《バレル》の悪ガキ3人組のパペット。こいつらタチ悪いんだよなあ

▲あらためて観るとなかなか味わい深い『マーズ・アタック!』から、《裸の火星人》パペット

▲あらためて観るとなかなか味わい深い『マーズ・アタック!』から、《裸の火星人》パペット

▲ヴィレッジ・ヴァンガードやプラザなどの店頭でおなじみウォンカチョコレートの包装があしらわれた『チャーリーとチョコレート工場』コーナー

▲ヴィレッジ・ヴァンガードやプラザなどの店頭でおなじみウォンカチョコレートの包装があしらわれた『チャーリーとチョコレート工場』コーナー

にわかファン的にわかりやすいのが『フィルムキャラクター』のセクション。『フランケンウィニー』のフィギュアをはじめ、『シザーハンズ』『バットマン』『マーズ・アタック!』などのスケッチをじっくり堪能することができます。

1983年のハロウィンにディズニーチャンネルで1度だけオンエアされた幻の映像作品『ヘンゼルとグレーテル』も公開。35分間もあるので時間に余裕をもって臨みましょう。

『リーディング・ルーム』には、映画製作スタッフだけに配られるメイキングファイルをiPadでチェックすることができます。こちらも時間がいくらあっても足りませんよ。

やがて展示は監督のルーツへと向かいます。『影響を受けた人』セクションでは、高校時代にディズニーに投稿してボツった絵本の原画《巨人ツリッグ》が見られます。それにしても物持ちがいいですねー。

おそらくキュレーターもどうまとめて良いかわからず作ったと思われるセクション『フィギュア:男?女?生物?』。ここでは商業作品ではない、監督のプライベートな芸術作品が展示されているとか。いわば頭の中の深層部とも言えるかもしれません。

展覧会のメインビジュアルにも用いられている《ブルーガールとワイン》。個人的に嫌いじゃないわよ!

そろそろ展示も佳境です。あやしいライティングで展開される監督の個人的なプロジェクト『ポラロイド』。アニメやCG上のキャラクターをリアル人間で再現されております。

▲絵本『オイスター・ボーイの憂鬱な死』からのスケッチが哀愁を誘います。ソロゆえその姿をおのれに投影してしまいます

▲絵本『オイスター・ボーイの憂鬱な死』からのスケッチが哀愁を誘います。ソロゆえその姿をおのれに投影してしまいます

最後は監督のどの作品にも通底するテーマである『誤解されがちなアウトサイダー』。孤独や誤解に悩んだ者──ひらたく言えば「非モテ」──なら誰もが共感すること請け合いです。てゆーか、この作品こそ一人で楽しむべき。

ティム・バートン作品はキャッチーなキャラクターが多いだけに物販もお楽しみのひとつ。日本オリジナルのお土産「渦巻きかりんと」(600円)や、オリジナルTシャツ(2700円)、ハンドタオル(1000円)、マスキングテープ(500円)など散財必至です。

特にポストカードは人気の絵柄から売り切れますのでお早めにチェック。また、全作品を収録した豪華カタログ(9400円)は1000部限定です~。

ミニくまちゃん的にはレジ横にあるジャック風船を売ってほしかった。他にも六本木ヒルズの周辺レストランでは、展覧会にあわせたコラボメニューが展開されているようです。特に会場と同じフロアにあるレストラン「マドラウンジ」の1日10食限定「ガトー バルーンボーイ」(1800円/ドリンクセット)は必見やも。

カップルには本質が理解できまい(涙)

メディア向けに用意された2時間ですら、まったくと言ってよいほど時間が足りなかった『ティム・バートンの世界』展。少なくとも半日は必要です。しかしすでに週末は激混みとの評判。会期終了間際の年末年始はさらに混雑が予想されます。また、筆者も後日改めて様子を見に行きましたがカップル率の高さも尋常ではありませんでした。


ここは、ひとり平日昼間に休みを取って臨むべきなのかもしれません。それでもカップルはいることでしょう。しかしその場違い感こそが、監督の創作の深淵に触れる最善の姿勢であると筆者は信じています。だよね?


“ティム・バートン展”を楽しむための心得

その1 カップルの存在は無視しよう


その2 映像作品を見るなら時間に余裕を持とう


その3 週末は激混みなので平日に休みを取ろう


その4 お気に入りグッズは早めに確保しよう


その5 監督の真の理解者は孤独な自分だと信じよう

森アーツセンターギャラリー
  • 所在地

    東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F

  • 電話番号

    03-6406-6855

  • 最寄駅

    六本木

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※本記事は2014年11月14日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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