マンホール巡り歴15年の鉄蓋観賞愛好家がナビゲート!

暇さえあればマンホール蓋を巡るようになって15年余り、少なくとも10万基のマンホールを巡った鉄蓋観賞愛好家の白浜公平です。華やかなデザイン蓋も、歴史を語る骨董蓋も、これといった特徴の無いように見える地味蓋も、みんな大好きです。今回は「昼でも夜でも楽しめるマンホールならココ!」という所沢のスポットをご紹介します。

日本初の試みも!イルミネーションマンホール/東所沢駅~ところざわサクラタウン

  • 光っていない状態の蓋
「とある魔術の禁書目録」イラスト:はいむらきよたか ⓒ鎌池和馬 2020

    光っていない状態の蓋
    「とある魔術の禁書目録」イラスト:はいむらきよたか ⓒ鎌池和馬 2020

  • 暗くなり光っている状態の蓋
「とある魔術の禁書目録」イラスト:はいむらきよたか ⓒ鎌池和馬 2020

    暗くなり光っている状態の蓋
    「とある魔術の禁書目録」イラスト:はいむらきよたか ⓒ鎌池和馬 2020

  • 東所沢駅前で光るイルミネーションマンホール

    東所沢駅前で光るイルミネーションマンホール

  • 木と文化の融合として「木+本棚」をイメージした外観の東所沢駅

    木と文化の融合として「木+本棚」をイメージした外観の東所沢駅

2020年8月、所沢に新たな名所が誕生しました。夜になると煌々と光るイルミネーションマンホール(LEDマンホール)がズラリと並ぶスポットです。武蔵野線の東所沢駅前から、同年にオープンした「ところざわサクラタウン」まで、およそ500mにわたって28基のイルミネーションマンホールが設置されています。

魅力1:新しい試みだらけのマンホール蓋を楽しめる

イルミネーションマンホールとソーラーパネル
「アニメツーリズム協会公式キャラ じゅんれいちゃん」ⓒ2022 ATA/HCS

イルミネーションマンホールとソーラーパネル
「アニメツーリズム協会公式キャラ じゅんれいちゃん」ⓒ2022 ATA/HCS

イルミネーションマンホールは、毎日午後5時から午前2時までLEDで点灯します。点滅したり色が変わったりはしませんが、景観に配慮した仕様と言えるでしょう。夜間の防犯対策としての役割も担っています。


これらのマンホール蓋は、広告事業の一環として設置されています。マンホール蓋に広告を載せるという試みは、これまで他の自治体でも幾つか例がありますが、本格的に広告料収入をあげているのは、この所沢市の事業が日本で初めてとのことです。


所沢市内の他の場所、例えば所沢駅や航空公園駅の周辺にも同様のイルミネーションマンホールや広告付きのマンホール蓋が設置されていますが、ここ東所沢駅の場合はところざわサクラタウンへの道案内も兼ねていることから、KADOKAWA が掲出したアニメ・漫画のイラスト広告がズラリと並んでいるところが見どころです。『スレイヤーズ』や『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』『とある魔術の禁書目録』などなど、懐かしいものから新しいものまで揃っており、さながら路上のアニメ&漫画のミュージアムです。

 

LEDで発光するマンホール蓋の設置も所沢市が初めてです。近くに設置されたソーラーパネルで発電された電力を使用しています。これまでにも蓄光塗料を使って夜間に自発光するタイプのマンホール蓋はありましたが、ここまで明るく光らせることができたのは、LEDや蓄電池、ソーラーパネルなどの技術が進んだお陰ですね。一度設置してしまえば余計な電力を消費しない点も素晴らしいです。


屋外広告物に対する規制は思いのほか厳しいとのことで、その実現までの道のりに想いを馳せるのも面白いでしょう。

魅力2:昼も夜も忙しいという新感覚が味わえる

  • 街の灯りを使って撮影
「新世紀エヴァンゲリオン」イラスト:貞本義行 ⓒカラー

    街の灯りを使って撮影
    「新世紀エヴァンゲリオン」イラスト:貞本義行 ⓒカラー

  • デジタルカメラのHDR機能を使って撮影
「らき☆すた」イラスト:美水かがみ ⓒ美水かがみ

    デジタルカメラのHDR機能を使って撮影
    「らき☆すた」イラスト:美水かがみ ⓒ美水かがみ

  • 何も考えずに撮ると、発光部分以外が真っ暗に
「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる」イラスト:とよた瑣織 ⓒ土日月・とよた瑣織

    何も考えずに撮ると、発光部分以外が真っ暗に
    「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる」イラスト:とよた瑣織 ⓒ土日月・とよた瑣織

  • フラッシュを焚くと、蓋が光っているかどうかがわからない
「狼と香辛料」イラスト:文倉 十 ⓒIsuna Hasekura 2006

    フラッシュを焚くと、蓋が光っているかどうかがわからない
    「狼と香辛料」イラスト:文倉 十 ⓒIsuna Hasekura 2006

個人的な話にはなりますが、マンホール蓋の撮影は基本的に明るいうちに行います。夜に撮影できないこともありませんが、あまりよい写真は撮れませんので、夜は旅先での晩酌を楽しむ時間に充てることが多いです。しかし、夜と昼とで別の表情を見せるマンホール蓋が登場したことで、昼も夜も忙しくなりました。

 

イルミネーションマンホールの撮影は意外と難しく、試行錯誤が必要です。ですがそうやって撮影する過程も楽しく、このイルミネーションマンホールをおすすめしたい理由です。


そのまま撮ると発光部分のみが写った写真になってしまい、マンホールの蓋なのかどうかが伝わりません。フラッシュを焚くと蓋全体がキレイに撮れますが、蓋が光っていることが伝わりにくくなります。場所によっては街灯や近くの店の看板の灯りなどを利用していい写真が撮れますが、背景は真っ暗になってしまうことが多いです。


デジタルカメラやスマホにはHDR機能が付いているものがありますが、これを使うとうまく撮れる場合もあります。HDR機能を使うと、複数の画像を合成して明るい部分と暗い部分とをバランスよく表現した写真を撮ることができますが、一方で手振れも発生しやすくなります。感度や露出の調整、シャッターボタンを押す際に息を止める練習などが必要になりますが、そんな試行錯誤もまた楽しい時間です。

マジックアワーには、光っている蓋と街の風景とを一緒に撮影することができる
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」イラスト:安彦良和 ⓒ創通・サンライズ

マジックアワーには、光っている蓋と街の風景とを一緒に撮影することができる
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」イラスト:安彦良和 ⓒ創通・サンライズ

おすすめの撮影時間帯は、マジックアワーです。三谷幸喜監督の映画のタイトルにもなっていますが(正式には『ザ・マジックアワー』ですね)、日没後の「太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、しかし最も美しい時間帯」を指します。

 

この時間帯ですと、光っている蓋と街の風景とを一緒に撮影することができます。その蓋が「最も輝く瞬間」ですね。ただしあっという間に暗くなってしまいますので、マジックアワーが始まる前にお気に入りの蓋を見つけておく必要があります。

      ▲第10回マンホールサミットin所沢

      ▲第10回マンホールサミットin所沢

イルミネーションマンホールは、実は所沢で開催されるマンホールサミットというイベントにあわせて設置されました。本当は2020年に開催される予定でしたが、コロナ禍のため2年延期され2022年の今年11月にようやく開催されます。

 

私もトークイベントに出演させていただく予定です。マンホール蓋ファンが集う大きなお祭りですので、ぜひ気になる方はご参加ください。

第10回マンホールサミットin所沢

開催場所:ところざわサクラタウン、東所沢公園、所沢市観光情報・物産館YOT-TOKO(よっとこ)

開催期間:2022年11月19日(土)10:00~17:00

最寄駅::東所沢

料金: 無料

※トークイベントの参加には事前抽選申し込みが必要です。詳しくは「第10回マンホールサミットin所沢」公式サイトをご確認ください。

スポット
ところざわサクラタウン

〒359-0023
埼玉県所沢市 東所沢和田3-31-3

東所沢駅

〒359-0023
埼玉県所沢市 東所沢和田3-31-3

東所沢駅

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2022年10月29日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。