【おでかけ時のポイント】
・居住地やおでかけ先の都道府県の要請に従って行動しましょう
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・周囲の人との距離をできるだけ保つようにしましょう
・マスクを着用し、手洗いは小まめに行いましょう
知られざるロシアの食の魅力が詰まった専門店/赤の広場
東京メトロ有楽町線・銀座一丁目駅10番出口から歩いて約5分。
昭和通り沿いにある「赤の広場」は、ロシアの食品をオンライン販売する「ビクトリアショップ」の実店舗として、2021年2月にオープンしたお店。ロシアを中心にその周辺国の食品を取り扱っています。
「実際に商品を手にとって選びたい」というユーザからの熱いリクエストに応えるために誕生した同店。店内にはオンラインで販売する商品の中から、とくに人気の高いものや、日本人の口に合うものを厳選した食品約350種類が並びます。
オーナーは、ご結婚を機に2000年に来日したミヤベ・ビクトリアさん(写真中央)。
「日本ではあらゆる国の食品が手に入りますが、ロシアの食品は圧倒的に選択肢が少なくて驚きました。日本の方にロシアの豊かな食の楽しさをもっと知ってほしいです」。
今回お店へ一緒に訪れたのは、人気YouTuberとして活躍する、 ピロシキーズ 。
ロシアのハバロフスクで生まれ姫路で育った 小原ブラスさん(写真左) と、モスクワ生まれ大阪育ちの 中庭アレクサンドラさん(写真右) は、見た目はロシア人、中身は日本人なロシア人コンビ。今回はお二人に、“日本人に絶対食べてほしいロシア食品”を本気で選んでもらいました!
1:ロシアの麻薬!?一度食べたら止まらない「ひまわりの種」
中庭アレクサンドラさん(以下アレちゃん) : ロシアといえばまずはコレじゃない?各家庭に大きい袋で3〜4袋常備してある「ひまわりの種」。ロシアではどこでも手に入るのに日本じゃ全然手に入らない。
小原ブラスさん(以下ブラス) : おばあちゃんとかテレビ見ながらとか、公園のベンチとかでずっと食べてるよな。気づいたらカスが山盛りになってる。若い子も歩きながら食べたりするから、ロシアではどの街に行ってもこのカスが地面に落ちてる(笑)。
アレちゃん : クセになるから“ロシアの麻薬”とも言われてますね。食べ出したらほんまに止まらない。ロシアではものすごい数のメーカーから販売されていて、これも最も有名なメーカーの一つ。
ブラス : ワインが畑によって味が違うのと一緒で、ひまわりの種もメーカーごとに種の味自体が違うの。市場ではドンドンドンって大きな袋が並んでひまわりの種が売られている。その光景もぜひ見てほしいわー。
アレちゃん : 食べ方があって真ん中の膨らんでいるところを噛んだり、指で押したりすると、カチッと音がして割れる。中の白い部分だけを食べるの、殻は食べないで。
ブラス : ロシア人は全員ひまわりの種のプロやな。ずーっと手が動いてる。味が美味しいのはもちろんだけど、その動作が好きなの。日本人もプチプチするの好きやん。だからこれ絶対ハマると思うわ~!
2:隠れた名物!一度試してほしいロシア産「ソーセージ」
ブラス : 日本人が挑戦しやすいという部分も含めてソーセージを紹介したいな。ソーセージに限らずハムとか肉の加工品は、オレはロシアが一番だと思ってるの。もちろん日本や他の国のも美味しいんだけど、味の濃さが違うんですよ。
アレちゃん : わかる。ロシアのソーセージ、独特の味がするよね。ロシアは冬が長いからもともとの保存技術が高いんやと思う。あとは燻製技術。長く保存できるようになんでも燻製するしな。
ブラス : もうね、ソーセージ全般が美味しいんだけど、自分が一番好きなのがこの周りが白いタイプのソーセージ。そのままつまんで酒のつまみとかにも美味しいけど、小さい頃は朝ごはんにフライパンで焼いてコレばっかりバクバク食べてた。自分のロシアの思い出の食べ物といったらコレかも。
アレちゃん : ロシアだと種類がめっちゃあって、店先に吊るされているやつを欲しい分だけカットしてもらう。
ブラス : 店先で食べ比べするのが楽しいよな。この白いやつは一番安全圏。ハズレがない。ソーセージは種類がめっちゃあるから、たまに美味しくないのもあんねん。輸入は難しいかもしれんけど血のソーセージも好き。美味しいの。
オーナー : 扱っていますよ。とても人気があるので、すみません、今日は売り切れています。リピーターも多い商品ですね。
ブラス : え!すごい、あるんだ!?血と聞くと驚くかもしれへんけど、あれも日本人絶対好きやわ。レバーみたいな感覚だけど味のクセは全然ないの。ソーセージ好きは一度トライしてほしい。
3:ロシアの秋の味覚!お酒のおともに欠かせない「キノコのマリネ」
アレちゃん : 実はここがオープンしたときにすぐ来たんですよ。その時にも買って帰ったのがこの「キノコのマリネ」。このシリーズは種類がいくつかあるんやけど、うちが好きなのがこの左側のイラストのリシーチキというキノコ。ロシア語で小さなキツネっていう意味なんだけど、日本だとなんて名前なんやろ?
オーナー : アンズタケです。ロシアでは色が似ているのと、森の中でキツネみたいに上手に隠れた場所に生えることから、そんな名前がついたそうです。
アレちゃん : 日本にもいろいろキノコはあるけど、これはロシアでしか食べられない味。なめこみたいにツルンとしてるけど、噛むとシャキシャキコリコリ。味がついているから瓶に直接フォークを刺して食べてもOKやし、うちは刻んだ玉ネギとオリーブオイルをかけて食べる。ビールのつまみやな。
ブラス : トロンとしてる感じが良いんですよ、コレ。ひと口でロシアを感じる味。ひと瓶一回でするっと食べちゃえる。
アレちゃん : ほんまに。前回もふた瓶買ったけど、二日でなくなった。気づかんと食べ終わってたわ。あっさりしてるんだけど、あと引く美味しさ。ジャガバタにのせても最高です。
アレちゃん : 多くのロシア人にとっては、家庭の味なんやないかな。ロシアではキノコ狩りが文化として根付いているから。
ブラス : 森の近くに住んでいる人も住んでない人もみんな秋になると森へ行く。自分とこもおじいちゃんと森に行ってキノコをいっぱい採ってきて、それをおばあちゃんがマリネにしてたな。
アレちゃん : そうそう。うちも同じ。キノコは日本と共通する食文化だと思う。秋の味覚として、ロシアにもキノコ料理がたくさんある。これはピクルスみたいな感覚なんかな。
オーナー : そうですね。お店ではロシアの漬物と説明しています。ロシアではどんなパーティーに行ってもこのマリネは必ずテーブルにあります。お酒と合わせる方が多いですね。
4:同じように見えても全然違う!ロシアの家庭の味「ピクルス」
ブラス : 自分のオススメはコレです。今「あー、スーパーとか輸入食品屋さんとかでよく見るやつね」って思ったでしょう。だいたい味の想像もつくと思うんですけど・・・
ブラス&アレちゃん : (二人声をそろえて)想像してるやつと違うから!
一同 : 息ピッタリですね(笑)。
ブラス : 一見ただのピクルスなんだけど、ロシアのピクルスは味が全然違うの。みんなが思い浮かべるのは甘くて酸味のあるやつだと思うけど、これはそんなに甘くないしツンとくるような酸っぱさもない。酸味はあるけどしょっぱい系で、ボリボリ食べられる。あーこれ日本で買えるの、めっちゃうれしいかも。
ブラス : ロシアの家庭は「ダーチャ」という畑付きの小屋を郊外に持ってるの。夏の休暇とかにそこでキュウリとかトマトとかを大量に育てて、それを冬場にも食べるためにいろいろ加工して保存する。
アレちゃん : 集合住宅でも、建物の地下に各家庭のパントリーみたいな部屋があって、みんなそこに加工した食品をストックしておく。
ブラス : このピクルスもそうだけど、先に紹介したキノコのマリネとかも、ロシアにいたらあまり買うことはないのかも。家庭で作るものだから。
アレちゃん : そうかもね。これの食べ方はピクルスと一緒。サンドイッチとかサラダにも入れるし、お酒のつまみにしたり、ジャガイモに合わせたり。スープにも合わせるかな。
ブラス : もう、ロシア人はなんでもすぐ酒とジャガイモに合わせるのよ(笑)。
アレちゃん : だって、ロシアのジャガイモ美味しいやん。ジャガイモもダーチャで育てて、地下室に大量に保存しておく。
5:濃厚なのにあっさり!リピート率7割超えの大人気おやつ「スィローク」
アレちゃん : つまみ系が続いたから違う視点で。カッテージチーズのおやつ「スィローク」です。こんなにおしゃれなのはロシアで見たことないけど、これは輸出用かな。ロシアだと内袋だけの状態で売ってます。
オーナー : 「スィローク」はロシアでも人気のチーズデザートですが、当店でも購入されたお客様の約7割がリピートされる最も人気のある商品です。
ブラス : アレちゃん、好きそうやな。トヴォーロクに似てるね。
アレちゃん : トヴォーロクだよ。トヴォーロクはカッテージチーズのことで、それを固めたもの。もうめっちゃ好き。これはミルクチョコでコーティングしてあるけど、中にレーズンを混ぜたものや、バターのようにペーストして食べるタイプもある。日本のカッテージチーズのようなクセは全然なくて、バー状のチーズケーキみたいな感じやな。
アレちゃん : 子どものころから大好きでスーパー行くと絶対買ってもらってた。乳製品って栄養があるから、子どもにもっとチーズを食べてもらうためにこういう風におやつ化していったみたい。
ブラス : ロシアはみんな乳製品が好きよね。料理もおやつも牛乳やチーズ、サワークリームなどの乳製品を使ったものが本当に多い。しかも“乳”感が強い。
アレちゃん : 種類もすごい多いよね。ロシアのお菓子は甘いものが多いけど、「スィローク」はあっさりしてるところが好きやねん。あっさりだけど濃厚。
6:消費量世界一!さらっとまろやかな「マヨネーズ」
ブラス : 日本の方に一番試してほしいの「マヨネーズ」かも! ロシア人はマヨネーズが大好き。なんといっても消費量世界一ですからね。スーパーに行ったらひと棚じゃなくてひとコーナー全部マヨネーズ。それくらい種類がある。
アレちゃん : うずらの卵で作ったものとか、ニンニク入りとかね。日本はチューブだけど、ロシアはこういう形が多い。もっと大きいサイズが主流だけど。
ブラス : めっちゃ料理に使うからな。ロシアのサラダとかマヨネーズがものすごいかかってるから、それ見て「うわ〜、だから太るねん」とか言われるけど日本のマヨネーズと全然違うから。あっさりして軽いからバクバクいけちゃう。
アレちゃん : うん、さらっとしてる。チーズもそうなんやけど、料理に使うときに溶け具合が重要だから脂肪分を見て選ぶ人も多いよな。
ブラス : 僕はマヨネーズをボルシチにも入れます。サワークリームがダメなので。美味しいよー。ボルシチに味のついてない「スハリキ」(黒パンを乾燥させたスナック菓子)も入れて、クルトンみたいに。そこにたっぷりマヨネーズ。あー、やばい。食べたくなってきた!
7:ロシアの夏の風物詩! コレがなくちゃ夏は越せない「クワス」
ブラス : 最後に、ロシアの夏に欠かせない「クワス」です。めっちゃ長らく飲んでないから、ここで見つけて今ものすごくうれしい。クワスはね、夏になったら街角に黄色いタンクの車が現れて量り売りする飲み物なの。僕らが子どものころはみんな飲んでた。
アレちゃん : うちも久しく飲んでないわ。子どもの頃を思い出すな。コップ一杯分を買ってそこで飲む人もいれば、バケツでたっぷり買う人もいて。
ブラス : 本当に昔からある飲みもの。クワスを使って「アクローシュカ」という夏に食べる冷製スープを作ったりもする。ライ麦パンから作れるから自分で作る人もいるよね。
アレちゃん : うちんとこのおばあちゃん作ってたで。アルコールはない(1%未満含む)けど、黒ビールに近い味よな?ちょっと酸っぱくて独特なんだけど、ごくごく飲める。
ブラス : あ、でもこれ日本の人に知られたくないかも。ロシア人が必死で手に入れたい飲みものやから、みんなに知られたら買えへんくなるやん・・・。
アレちゃん : どっちやねん!
オーナー : お店でも航空便で緊急追加したくらい大人気です。日本の方にも人気ですが、ロシアの方だと20本とかまとめて買っていきますね。買ってすぐに一本飲み干しちゃう方もいます。ロシアでも夏の間しか製造されないので、売り切れたらおしまいの季節限定商品ですね。
まとめ
アレちゃん : 日本で有名なロシアの食べ物といえば、ボルシチ、ピロシキ、キャビア、ウォッカくらい。知らない食べものも多いかもしれないけど、ロシアの食品って基本的に日本の方の口に合うと思う。意外と相性が良い。なんなら、これ大丈夫か?と思うものほど美味しい法則があるよな。
ブラス : あるな。そう、日本とロシアって実は食が合う。自分はね、ぜひ立ち寄ってほしいと思ったのが、入った瞬間にロシアの香りがしたの。ロシアに行ったような、帰ってきたような感覚がちょっと味わえた。ロシアの街ってこんな香りなんやなってぜひ体感してもらいたい。
オーナー : ロシアは添加物や抗生物質に厳しい規制があります。当店でもそれに基づいて、小さなお子様が安心して食べられる食品しか扱っていません。馴染みのない食品も多いかもしれませんが、その点は安心して楽しんでください。お酒のライセンスがおりたので近く酒類の取り扱いも始まります。お二人もまたぜひいらしてくださいね。
ブラス&アレちゃん : はい。ぜひまた寄らせていただきます!
〒104-0061
東京都中央区 銀座1-20-14
銀座一丁目駅
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取材・撮影・文/君島有紀
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※本記事内の情報は2021年09月21日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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