雨に濡れずに入れる!新橋駅直結のディープな飲み屋街/新橋駅前ビル1号館&2号館

新橋駅前ビル


今回お邪魔する「新橋駅前ビル」は、新橋駅の汐留方面、ゆりかもめ新橋駅の後ろにどーんとそびえ立っています。

銀座線や都営浅草線、JR各線の改札から地下道で直結しているので、雨の多い梅雨の時季でも、まったく濡れることなくお店に入れるという、ありがた~いシチュエーションです。


新橋駅前ビル


駅構内から向かうと、ビルの入り口は左右に分かれています。中に入ると、両サイドに飲み屋が立ち並んでいて、お酒好きなら心が躍ってしまうほど。

ビルの地下が丸ごと巨大な飲み屋街なんです!どこに入るか相談しながら巡るだけでも楽しそうです。


1軒目 好きな小鉢がセルフで選べる!/「たち飲み 吟」(新橋駅前ビル1号館 B1F)

「たち飲み 吟」(新橋駅前ビル1号館)


さて、今日はどこで飲みましょう?せっかくなので、「新橋駅前ビル1号館」の入り口に隣接していた2軒の立ち飲み屋さんのうちの一つ、「たち飲み 吟」へお邪魔してみることにします。


「たち飲み 吟」(新橋駅前ビル1号館)店内


入り口は狭そうに見えますが、中は意外にも広々。明るくて気持ちの良い店内ですね。夕方の早い時間ながら、すでに先客多数です。


「たち飲み 吟」料理


カウンターには手作り料理の小鉢がずらり。表記のないものは、すべて300円です。

実は意外と人気だという、スナック菓子も置いてあります!なんて自由な店なんだ!シェアすればいろんな味が食べられますね。


「たち飲み 吟」料理


僕は、「生ビール」(350円)と、カウンターの小鉢から「イカと里芋の煮つけ」(300円)と「サーモンのなめろう」(330円)をチョイス。早く喉へと流し込みたくなる、キンキンに冷えた生ビールがうれしい!

優しい味わいとボリューム感がうれしい煮つけ。そして、定番のアジではなくサーモンで作ったなめろうは、まったりと濃厚です。


「たち飲み 吟」日本酒


こちらのお店は、ビールやサワー、焼酎など、一通りのお酒を扱っているんですが、中でも力を入れているのが日本酒の品ぞろえ。これでもほんの一例です。

店主がこだわって選んだラインナップの他に、週替わりのお酒なんかもあって、それがご覧の通りの立ち飲み価格。日本酒好きにはたまらないお店といえるでしょう。


「たち飲み 吟」料理


ビールの次は、「大七 辛口生酛」(320円)にしました。蒸し蒸しするこの季節、冷や酒で涼を。キリッと切れ味の良い、それでいて、うま味もしっかりとあるおいしいお酒。和風のおつまみとの相性もバッチリでした。


たち飲み 吟
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 B1F
電話番号:03-5568-4130
営業時間:16:30~23:00
定休日:土日祝
最寄り駅:新橋





2軒目 スパイシーな「もつ煮込み」が絶品!/「工藤軒」(新橋駅前ビル2号館 B1F)

新橋駅前ビル2号館


お次は2号館へ行ってみましょう。こちら、1号館よりも規模は小さいのですが、ディープさでいえばむしろ勝っているかも。同じく地下街直結の入り口から入ります。


新橋駅前ビル2号館


新橋駅前ビル2号館


一歩入れば、そこはビル内横丁!地下1階全てがこんな景色です。


「工藤軒」(新橋駅前ビル2号館 B1F)


その中の1軒、「工藤軒」は、オープンから5年半ほどと、比較的新しいお店。小さなL字カウンターのみの立ち飲み屋さんです。

実はここに、ちょっと他ではお目にかかれない、絶品の「煮込み」があるんですよね~。


「工藤軒」煮込み


その煮込みというのが、こちら。もう見た目からして普通じゃないですよね?ん、この葉っぱはパクチー?そう「牛2.5.3」(450円)は、“新橋のスパイス王子”の異名をとる店主の工藤さんが、独自にブレンドしたスパイスで上質な牛もつを煮込んだオリジナル料理。

こだわって仕入れている牛もつは、それ自体がおいしいけれど、そのうま味や脂に負けないように研究した味付けにしているそう。一番近い料理は「スパイスカレー」かな。でも確かに「もつ煮込み」でもあり、ここでしか食べられない一品に仕上がっています。


「工藤軒」本日のカレー


オーソドックスなおつまみや串焼きなどのレギュラーメニューのほかには、日替わり料理も。中でも気になるのが、「本日のカレー」(600円)。この日は超本格的な「マトンキーマ」!

上品なマトンの風味にスパイスの刺激が心地良い。さらに、たっぷりと入った「キクラゲ」が食感のおもしろさを加えています。ふわりと香ばしい「ロティ」(250円)も付けてどうぞ。


「工藤軒」紅茶ハイの「Tea for 酎」


こちらでの1杯目は「酎ハイ プレーン」(350円)だったので、お替りはチャイじゃなくて紅茶ハイの「Tea for 酎」(400円)を。

カレーの具材や味付けは日によって変わるそうですが、さすがスパイス王子。お酒に合いすぎるカレー、堪能させていただきました!


工藤軒
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル2号館 B1F
電話番号:非公開
営業時間:17:00~23:00
定休日:日祝
最寄り駅:新橋





3軒目 あったか手作り料理が驚きの250円均一!/「壹番館」(新橋駅前ビル1号館 2F)

「壹番館」(新橋駅前ビル1号館)


1号館に戻りまして、さらなるディープゾーンへ突入!地下1階と1階は多くのお店、お客さんでにぎわっているんですが、2階は「ここはオフィス街?」っていう雰囲気で、急に人がまばらに。でも、実はここに、知る人ぞ知る超~人気の立ち飲み屋さんがあるんです!

周囲の雰囲気と、背の低い入り口の感じも相まって、ちょっと一見で飛び込むには勇気がいるかもしれませんが、何を隠そうこちら、僕が新橋でもっとも頻繁に通う大人気店。


「壹番館」店内


「壹番館」店内


上品で美人な女将さんとその娘さん、お二人で切り盛りされている、家庭的なお店です。


「壹番館」メニュー


お酒は300円から。料理は基本、250円均一です。


「壹番館」フルーツ


カウンターに立つとまずフルーツが! こちらのお店、飲みに来たお客さんに対して、まずは「季節のフルーツ」をサービスで出してくれるんです。今日は「清見オレンジ」で、みずみずしく甘い味わいが、ハシゴ酒のお口直しにも最高です。

女将さんいわく「一人暮らしの男性は、果物なんて普段食べないでしょ?それに、わざわざ2階へ上がってきてくれたお礼」とのことで、その温かい心づかいに癒やされ、新橋に来るたびに寄りたくなってしまうんですよねぇ。


「壹番館」ハイボール


カウンター上には女将さんお手製の料理が所せましと並び、どれでも250円。お酒は基本的なものは300円で、少し高級なメニューもあり。しっかりと濃い目がうれしい「ハイボール サントリー角」(300円)をオーダー。


「壹番館」肉豆腐


料理は、僕の大好物の「肉豆腐」(250円)に「シチュー」(250円)を。日替わりのメニューもたくさんあるんですが、ここに来るとついついこの2つを頼んでしまうんですよね。

で、量も多いのでそこでお腹がいっぱいになってしまうのがいつものパターン。すき焼き風の肉豆腐は見ての通りの具だくさん!


「壹番館」シチュー


こちらはシチュー。もったりというよりはサラッとした優しい味わいなんですが、これまた驚きの具だくさん。掘っても掘っても具がゴロゴロ。

こんなに優しくて、身も心も満たされる料理たちがどれも250円って、どう考えても良心的すぎます!


壹番館
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 2F
電話番号:03-3574-1327
営業時間:15:00~23:00
定休日:土日祝
最寄り駅:新橋





4軒目 本格料理が楽しめる小料理屋/「酒々」(新橋駅前ビル1号館 B1F)

「酒々」(新橋駅前ビル1号館)


ここまで3軒、立ち飲み屋さんが続いたので、そろそろ少し腰を落ち着けて飲みたいところ。新橋駅前ビルは、とてもビルの中にあるとは思えない、本格的な居酒屋や小料理屋もたくさんあるのが、またすごいところ。

今度は、1号館の地下1階にある、こちらにお邪魔しましょう。 渋い大将が営む、和食と日本酒が中心のカウンター居酒屋「酒々」です。


「酒々」お通し


いいお店の雰囲気が漂うお盆と、今日のお通し(500円)。気分がピシッと引き締まります。せっかくなので、おいしい日本酒をと、新潟の「〆張鶴」(900円)をお願いしました。

ところでこちら、大将と女将さんが曜日代わりでお店を仕切られています。この日は大将の他に、女性店員のめぐさんが厨房に。


「酒々」店員


このめぐさんが、そのままTVドラマのワンシーンであってもおかしくないんじゃないかというほどの美人!お酒を受け取るのに思わず緊張してしまうほどです。


「酒々」日本酒


「酒々」メニュー


こういうお店でしっとりと飲める大人、かっこいいですよね。盛りだくさんの日替わりメニューは、ボードを参考に。


「酒々」マグロの脳天


さて、今日はマグロの希少部位「のうてん」(1,500円)があるとのことで、刺身でいただいてみることに。するとやってきたのが、この美しい一皿!神々しい……。

ただでさえお店で出会えることの少ない、マグロの脳天刺し。それも、こんなに美しく脂の乗った切り身は、初めて見たかもしれません。肝心のお味はというと、口に入れた瞬間にトロリと上質な脂の香りが広がり、それでいて赤身のようなうま味もしっかりと感じられる絶品!

そこに、うま味たっぷりのお酒を流し込んだら……。はい、天国です。


「酒々」女将さん


女将さん担当の日も楽しいですよ!


酒々
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 B1F
電話番号:03-3572-5258
営業時間:17:00~23:00
定休日:土日祝
最寄り駅:新橋



5軒目 何でもそろう正統派酒場/「呑み処 圭」(新橋駅前ビル1号館 B1F)

「呑み処 圭」(新橋駅前ビル1号館)


さてさて、どう考えたってもう大満足。贅沢もしすぎてしまった気がしますが、キリの良いところで5軒目に寄って、なんだったら締めのメニューをいただいて、今日のハシゴ酒のフィナーレとしましょう。

「呑み処 圭」(新橋駅前ビル1号館)


最後のお店に選んだのは、同じく1号館地下1階、細い路地を挟んで2スペースを使って営業中のこちら「呑み処 圭」。

カウンターが基本の正統派酒場です。こちら、焼魚もあれば揚げ物もあるし、一品料理、ご飯ものも……と幅広く取りそろう、とっても使い勝手の良いお店。


「呑み処 圭」まぐろのユッケ


そんな中で一品目に選んだのは「まぐろのユッケ」(450円)。マグロ、さっきも食べたのに!どうもマグロ欲に火がついてしまった模様。

築地から仕入れるこだわりのマグロは風味が力強く、それをユッケ風に味付けてあるので、新鮮な気分で味わえます。これまたうまい!強い味わいは、頼んだ「チューハイ」(300円)ともよく合います。

さぁ、これをしっかりと味わって平げたら、いよいよ本日のフィナーレ。最後は温かい汁物、それも、素朴さが逆にうれしいこんなメニューでどうだ!?


呑み処 圭 チキンラーメン


「チキンラーメン 卵のせ」(400円)。

くぅ~! 運ばれてきた瞬間からたまらず、一気にすすり込んでしまいました。食べようと思えば家でも食べられるチキンラーメンだけど、これまたうまい!


呑み処 圭
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 B1F
電話番号:03-3289-7655
営業時間:11:30-14:00(ご飯がなくなり次第終了)、17:00-24:00(LO 23:00)
定休日:土日祝
最寄り駅:新橋





まとめ

今日気ままに飲み歩いたお店は、新橋駅前ビルのほんの一部。それぞれに個性のあるお店でいただいた、あれやこれや。どれもおいしかった。あぁ、どこまでも天国のような場所ですね……。

新橋駅前ビルは小さいお店が多いので、2~3人ぐらいで回るのがおすすめ。興味を持たれた方はぜひ、自分のお気に入りを見つけに飲みに行ってみては?


※2018年6月8日の情報です。価格や内容は変更になる場合があります。



パリッコさん

取材・執筆:パリッコ

DJ・トラックメイカー/漫画家・イラストレーター/酒場ライター。 酒カルチャー雑誌『酒場人』の監修をはじめ、さまざまなメディアで酒と酒場に関する記事を執筆中。書籍『酒場っ子』『晩酌百景』『酒の穴』の3冊を刊行したばかり。


本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2018年06月08日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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