特別な日の行きつけに! 若き実力派シェフの隠れ家レストラン


▲赤いじゅうたん敷きの階段を下りると、重厚な落ち着いた雰囲気に。

JR中央線荻窪駅北口から駅前の大通り沿いに続く商店街を抜け、約5分ほど歩いた場所にひっそりと店を構える「坊千代」。

一見、レストランとは気づかないこぢんまりとした店は、昼夜それぞれ1日1組ずつしか予約が取れない、知る人ぞ知る名店です。

▲階段を下り、廊下を進んだ先にテーブル席が用意されている。

建物横の細い扉からそっと中へ入り、地下へと続く階段を下りると、クラシック音楽が静かに流れる落ち着いた空間が広がります。上品なシャンデリアに目を奪われながら廊下を進むと、34歳の若きオーナーシェフ・岳野基道さんがお出迎え。

▲わずか29歳の若さで「坊千代」を開店した岳野シェフ。

岳野シェフは、18歳で料理人を志ざし、南イタリアへ料理留学。帰国後は都内にあるリストランテのシェフを経て、あらためて日本の食文化も勉強したいと、銀座の料亭で和食を修業。

その後、和食とイタリア料理を修得した貴重な腕前を評価され、在パリのユネスコ大使付き公邸料理人として渡仏。再び帰国した2011年には「坊千代」を開店し、イタリア料理の要素をミックスした独創的な懐石料理が人気を集めています。

▲見事な金屏風と毛氈が敷かれたテーブルが上品。ハレの日の食事にもぴったり。

席へ案内されると、気品あふれる屏風がお目見え。これは、江戸初期の絵師・狩野常信が1600年頃に描いたもので、唐獅子と合わせて花の中でも格調高い牡丹が描かれたものだそう。この屏風に囲まれたクラシックなテーブル席で、お食事をいただきます。

貸切制のお店には、もちろんまわりに他のお客さんはいないので、ベビーカーをテーブル席の隣に置いて、子どもの様子を見ながらゆっくり食事ができるのは、ママにはうれしいポイント。

▲野菜を使った彩りも鮮やかな料理。和食の技巧が随所に光ります。

シェフが料理で重視しているのは、季節感と独創性。

たとえば5月の夜の献立は、海底探検、稚鮎の南蛮漬け、黄金寿司、蛸蓮加音呂煮、鰆の利休仕立て、フォアグラと茄子のカクテル、鴨の味噌焼き、サムライタルト…と、献立を眺めているだけで妄想が膨らむラインナップ。

「どんなメニューが来るのかな?」と、子どもの想像力をかきたててみるのも、かけがえのない“食育”になるはず。

▲牛のステーキに特製のソースを合わせた、メインディッシュの一例。

献立は毎月初めに考えるものの、予約時に年代や男女比、結婚記念日や誕生日などの利用シーンも確認してから調整するので、あくまでも目安。ひとりひとりのお客さんのために考えられたメニューは、特別感たっぷり♡

昼の部は冷菜、温菜、ピザ、主菜、甘味のコースで3,000円、夜は6,000円から。夜の部では、お願いすれば子どもも食べやすい食材を使ってアレンジした、本場イタリア仕込みのピザなども提供してもらえるので、子連れママも安心です♪


優雅に食事が楽しめる1組限定のレストランは、ママのテンションもアップすること間違いなし! もちろん、ママ同士でランチ会をするのにもおすすめ。

まわりとちょっと差が付く、プライスレスな時間を家族と一緒に過ごしてみては?


坊千代
住所:東京都杉並区天沼2-5-9 B1F
TEL:080-6629-1486
営業時間:ランチ12:00~14:00(LO)、ディナー18:00~21:00(LO)※各1組限定(2~8名まで)、完全予約制
定休日:不定休
最寄り駅:荻窪

取材・文/上浦未来


※2016年5月27日時点の情報です。



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