【第17回・原美術館】お楽しみは展覧会にあわせたイメージケーキ
以前『モネ展』の回でも「女子の8割は印象派好き」とぶちあげたばかりですが、それと同じく今回ご紹介する美術館も、女子の支持率8割超えと言って過言ではありません。それがJR品川駅から徒歩15分の閑静な住宅街の中にある現代美術館「原美術館」です。
瀟洒(しょうしゃ)な邸宅はもともと、東京ガス会長、日本航空会長、帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)総裁を歴任した実業家・原邦造氏のおうちとして1938(昭和13)年に建てられたもの。それが美術館として生まれ変わったのが1979(昭和59)年。以来、現代アート専門館の草分け的存在として30年以上愛されています。
しかし決してアクセスが良いとは言えず、周辺の見どころも特にない、小さな私立美術館が、なぜもこうもアートファン、とりわけ女性に支持されるのでしょうか。
その人気の秘密のひとつ、とミニくまちゃんがにらんでいるのが、観賞料金を支払った人だけが利用できるミュージアムカフェの存在です。人でごった返す大型美術館をあえてはずし、アート作品が点在する中庭を眺めながらひとりお茶をいただく昼下がり。
「いい女」感しかしません。
というわけでミニくまちゃんも「おっさんの女子力」をアップさせるべく、原美術館で「いい女プレイ」してきました。
いきなりですが、花より団子とばかりにミュージアムカフェへ。取材は12月だったので、あいにくガラスは締め切ったままでしたが、春や秋など温暖な季節にはフルオープンとなり気持ちよくお茶や食事を楽しめます。
「カフェダール」の目玉はなんと言っても、特別展ごとに作品やテーマをイメージしてシェフが作り上げるイメージケーキです。取材当時は『「そこにある、時間──ドイツ銀行コレクションの現代写真」展』(2015年9月12日〜2016年1月11日)にちなみ、イト・バラーダの作品《系図》を模した紅茶のムース(755円)が提供されていました。
紅茶のムースの上にトッピングされているのは、ブラッドオレンジのソース。濃厚なムースにさわやかなアクセントが加わります。
ちなみにこちらのイメージケーキ。展覧会のたびに新作が生まれ、この作品でなんと80個目! もちろん展覧会の期間中しか食べられない限定スイーツですので、原美術館好きを自称するならば、ぜひともフォローしたいものです。
では順序が逆な気がしますが、常設展も見てまわりましょう。現代アートに詳しくなくても館内には、女の子のモチーフの作品で有名な奈良美智や、横浜トリエンナーレのディレクターも務めた森村泰昌などの作品もあるので、入門編としては最適。また、日曜と祝日には14時半から無料のギャラリーガイドが開催されているので参加してみるのもよいですよ。
そんなこんなで「ケーキ食べに行っただけなんじゃないか」と突っ込まれてしまいそうな原美術館の1日でした。なお、「もっと気軽にカフェを利用したい」という方は入会費2,160円、年会費1万800円のメンバーシッププログラムに参加するのも手。自分だけでなく同伴者2名まで入館料が無料になるほか、ミュージアムショップのお買い物が10%オフ、なおかつ年3〜4回開催される特別展のレセプションパーティーへの招待や、講演会などのイベントに優先的に参加ができるそうです。
ちなみに1月23日からは『「ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴──東京尾行」展』がスタートします。この機会に原美術館デビューしてみてはいかがでしょうか。
“原美術館”をソロで楽しむための心得
その1
粒ぞろいの常設展示で現代アート入門しよう
その2
特別展にあわせたイメージケーキをチェック
その3
日曜・祝日14時半からのギャラリーガイドを活用しよう
その4
ランチも利用してみよう
その5
気に入ったら年パス(1万800円)入会がお得?
※2016年1月時点の情報です。メニュー、価格等は変更になる場合があります。
※こちらのスポットは閉館しました。
- 本記事内の情報に関して
-
※本記事内の情報は2016年01月29日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。