お子様ランチならぬ「大人様定食」ってどんな定食?
駒沢の住宅街に、まさに「隠れ家」のようにたたずむ1軒家カフェ「アヂト」。
知る人ぞ知る人気店だが、筆者も大好きなカフェなので紹介したい。
オープンは2002年12月。駒沢大学駅から徒歩15分という、決してアクセスがよいとは言えない立地。しかも、短命なお店が多く10年以上お店を続けることさえ難しいカフェ業界にありながら、「アヂト」の魅力は年を重ねるごとに増しているように思う。
「アヂト」の魅力は、フードやスイーツのおいしさもさることながら、お客が「楽しい!」と感じる遊び心が随所に盛り込まれているところにある。 店内は都会的でハイセンスな空間だが、メニューブックに並ぶのは、「汁だくカレー」、「スヂ玉めし」など親しみのあるメニューが中心。ホットサンドには、「納豆はんぺんチーズ」なんてものもある。人気の「大人様定食」のネーミングには、思わずクスリとしてしまう。
オススメは、終日オーダー可能な「大人様定食」(880円)。4種類ほどから選べる丼に小鉢2品、汁物がつく満足度の高い内容。和×中華な「鶏白味噌そぼろあん丼」や、和×メキシカンな「和風タコチリコンカン丼」など、和をベースにしながらもひとひねりもふたひねりも加えた自由奔放な味わい。男性でも満足のボリュームで、毎週土曜日に丼が2種入れ替わるので、訪れるたびに新しい味に出会えるのも楽しみの一つだ。
定番に関西テイストをきかせたオリジナルの味づくりは、言うなら「ハイカラなおかんの味」。オッシャレ~なビストロカフェも好きだけれど、日常的に食べたくなるのはやっぱりこうした「母の味」。しかも家庭的でありながら、家では絶対に作れないプロの味なのだ。「アヂト」は、その塩梅がとっても巧い。
さらに一品料理には、「白和え」や「肉ぢゃが」、「自家製ぬか漬け衆」などほっとなごむ和のおかずが並ぶ。カフェでありながら居酒屋使いもできるので、気分に応じて使い分けたい。
軽めのランチとしても人気のパンケーキは、甘みをおさえた生地そのもののおいしさが際立つ一品。「カナダ(メイプル苺)」、「フランス(キャラメル林檎)」などトッピングの違いを国名で表現しているのがユニークだ。
その他、季節ごとにさまざまなフレーバーが登場する「いろいろプリン」をはじめ、「ぐらぐら餡チョコケーキ」、「かりかり揚げフレンチトースト」、「こてこてチーズケーキ」など、その他のスイーツも絶品揃い。筆者はこれまで多数の繁盛店を取材してきたが、「アヂト」の味づくりの独自性、バランスのよい味の組み立て方は、数ある人気カフェの中でも突出しているように思う。
カフェの魅力は、食事が終わったらそそくさと店を出なければならない定食屋とは違って、食後も時間の許すままにくつろげること。 ドリンクもフード同様、日本茶、紅茶、コーヒー、中国茶など充実の品ぞろえだが、おすめは自家製のジュースやシェイク。なかでも大阪の喫茶店に欠かせない「ミックスヂュース」は、すっきりとした飲み心地で食後のリラックスタイムにもおすすめだ。
最後に…。「アヂト」に訪れた人はきっと感じるであろう、独特の温かな雰囲気。店長のゆかさんはじめスタッフの皆さんが醸す家庭的な雰囲気も、アヂトが人気店たる所以である。一人客はもちろん、カフェにしては男性客も多く、老若男女問わず幅広い層に愛されている姿は、まさにカフェの理想形のように思う。
「アヂト」を楽しむための3か条
その1 注文に迷ったら「大人様定食」を。一品料理はハーフサイズもあり気軽に注文できる
その2 料理が来るまでの待ち時間は、書棚から好きな本を選んでまったりと過ごそう
その3 〆には創作性溢れるスイーツをぜひ!未体験のおいしさに感動間違いなし
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※本記事内の情報は2014年12月05日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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