世界的観光大国に変革した、サウジアラビアの“いま”を知る/サウジ・ツアーズ・ジャパン

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2025年4月13日(日)に開幕する「EXPO 2025 大阪・関西万博」。会場内で2番目に大きなサウジアラビアのパビリオンでは、会期中700を超えるイベントと毎日のライブパフォーマンスの開催が予定されています。


今回のイベントは万博の開幕に先駆け、サウジアラビアの魅力を発信するもの。日本全国7都市(大阪、京都、神戸、広島、福岡、名古屋、東京)をめぐり、累計12万人以上が来場。サウジアラビア流のおもてなしとともに、文化や伝統、歴史を紹介しました。

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日本から8,700km。アラビア半島に位置するサウジアラビアは、日本の約6倍の国土を持つ中東最大の国。砂漠の国というイメージ以外、文化や伝統についてはあまり知らないという人も多いのではないのでしょうか。


それもそのはず、長い間、商用や巡礼以外の入国を制限していたサウジアラビア。観光客が気軽に訪れることが難しかったため“未知の国”でもあったのです。

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2016年に発表された、多様で革新的に世界をリードする国の実現を目指す国家計画「ビジョン2030」によって、サウジアラビアは大きな変化を迎えます。


2019年には日本を含む49カ国を対象に観光ビザの発行を開始し、2023年には観光客総数1億人を記録。独自の伝統や風景を持ち、日本とも共通する“おもてなし”文化のあるサウジアラビアは、今や女性一人旅の安全な旅先としても世界中から注目されています。

12万人が酔いしれた!サウジアラビア流のおもてなしとは?

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会場に入ると同時に、ふんわりとスパイスの良い香りが。ひとまず会場をぐるりとひと回りしていると、「コーヒーはもう楽しまれましたか?」とサウジアラビアの民族衣装を身につけた方々に何度も声かけられ、目が合っただけで手を振ってくれる方も。


その気さくで親しみやすい雰囲気に驚いて初めて、自分がどこか近寄りがたいイメージを持っていたことに気づきました。そして、その温かな雰囲気はこのイベントだけのものかと思えば、そうではないようです。


会場で声をかけた来場者の中でサウジアラビア旅行を経験したという人たちは、現地で会った人々もフレンドリーな方ばかりだったと口をそろえます。

 

現地を一人で旅行したという女性は、「どこに行っても笑顔で声をかけられるので、楽しい思い出しかありません。カフェで一人休憩をしていたら、一緒にどう?と仲間に入れてくれたこともありました」とサウジアラビアにすっかり魅了された様子。現地の雰囲気を味わいたく、イベントに訪れた方も多いようでした。

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会場内で常に行列を作っていたのが、サウジアラビアから来たバリスタが淹れるサウジコーヒーとデーツが味わえるブース。


地域によって淹れ方が異なる、サウジコーヒー。会場では、東西南北各地と中央部の5種類のコーヒーが振る舞われました。サウジコーヒーにおいて豆はもちろん、一緒に煮出すスパイスが重要で、北部ではカルダモンを、南部ではショウガやサフランを中心としたさまざまなスパイスが使用されます。

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サウジアラビアの伝統的な習慣であるサウジコーヒーでのおもてなしは、「寛容さの象徴」として、2015年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。


コーヒー生産国として連想されることは少ないサウジアラビアですが、コーヒーの語源は、アラビア語の「カフワ(qahwa)」と言われており、一般的によく知られるアラビカ種のコーヒー豆もアラビア半島が産地と、実はコーヒー好きにとってのメッカなんです。

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苦味や酸味があまりなくスパイシーな風味のサウジコーヒーには、デーツを添えるのがお馴染み。あっさりとした後味に、デーツの濃厚でフルーティな甘味が良くマッチします。


世界2位の生産を誇るサウジアラビアの多種多様なデーツの中から、会場では4種を厳選して提供。ねっとりとした食感と、余韻ある甘味が特徴的。


国内でアルコールの提供のないサウジアラビアでは、パーティーなどでもシャンパンの代わりにコーヒーとデーツが振る舞われるそうです。

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ユネスコ無形文化遺産に「マジリス、文化と社会の空間」として登録されているコーヒーのおもてなしは、「マジリス」と呼ばれる空間で行われます。マジリスは一般住宅をはじめ、ホテルや国会にも用意されている大人の社交場で、かつての日本の茶室を彷彿とさせます。


人と人をつなぎ、文化や社会が育まれる空間、マジリス。いくつものマジリスが設置された会場でも、来場者同士の会話が生まれる場所となっていました。

見て、着て、聞いて、味わって。五感でサウジアラビアの文化を体験!

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会場内に用意されたさまざまなブースは、どれも来場者でにぎわっていました。日本とサウジアラビアの共通点を紹介するブースでは、「デーツ」と「干し柿」、コーヒーを淹れる「ダッラ」と「急須」、伝統的な織物「アル・サドゥ」と「大島紬」など、不思議と似通っている文化を丁寧に紹介。


中でも来場者を驚かせていたのは、サウジアラビアの主食も「お米」だという事実。家族で来場されていた男性は「まったく知りませんでした。お米好きというだけで、自然と親しみが湧きますよね」と、興味深そうに展示を眺めていました。

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VRコーナーでは、サウジアラビアの南西部で栽培される赤いコーヒー豆を収穫する様子を擬似体験。男性たちがリラックスするマジリスに参加したり、緑豊かなコーヒー畑を上空から空中遊覧したりと、現地を訪れてもなかなか体験できない景色を満喫しました。

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舞台上では、サウジアラビアの伝統楽器「ウード」と、雅楽で用いられる日本の管楽器「笙(しょう)」のコラボレーションライブも開催。『上を向いて歩こう』などを披露しました。


ギターの原型とも言われている「ウード」のやわらかくやさしい旋律に「笙」の澄んだ音色が重なり、会場一帯が幻想的な雰囲気に。ショッピングに来ていた人たちも歩みを止めて聴き入っていました。

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一口大のクレープにトマトペーストを挟んだ「ムサビーブ」(写真)や、デーツジャムを包んだクッキー「ケレージャ」は作る様子をライブクッキングで実演。コーヒーや紅茶と合わせて、できたてが振る舞われました。マジリスで同席した3歳の男の子は、「ケレージャ」をぺろりと食べ「もっと!」とおねだり。


実演していた女性に「家でもよく作るの?」と尋ねると、「ママがね。笑」と肩をすくめ、クスクス。いたずらっぽく笑う等身大の女性の姿が微笑ましく、親近感を覚えながら美味しくいただきました。

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コーヒーブースと並び、切れ目なく列を作っていたのが、民族衣装を身にまとえるフォトブース。


サウジアラビアでは、男性はガウンのような白い長袖の「トーブ」と、頭部には赤と白のチェックのスカーフ「クーフィーヤ」、女性は全身を覆うロングコートのような黒の「アバヤ」をまとい、「ヒジャブ」と呼ばれるスカーフで髪を隠すスタイルが定番。


いずれも洋服の上からかぶるだけなのであっという間に装着。女性は婚礼時などのお祝いの席で着用するカラフルなスカーフが人気を集め、子どもも着用して家族で記念撮影する来場者も多く見られました。

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ファッションについて話を聞くと、かつての服装規制は撤廃され、民族衣装は「着なくてはいけないもの」ではなく、「サウジの伝統や風習を大切にしたい」と好んで着ている人がほとんどとのこと。


生地や刺繍に並々ならぬこだわりを持つ人も多く、目が飛び出るほどの値段の一着を身にまとっている人も珍しくないのだとか。また刺繍にも地方ごとに特色があり、模様でどの地方の人なのかもわかるそう。


男性に声をかけると、クーフィーヤが垂れ下がる部分を肩にかけたり、かけなかったり、角度など微妙に変え、かぶり方で個性を演出するのだと誇らしげに教えてくれました。

まとめ

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たった数時間の体験で、遠くて見知らぬ国からがらり一変! 身近で親しみ深く、そして旅をしたい国へと印象を変えたサウジアラビア。


「EXPO 2025 大阪・関西万博」では、先進的プロジェクトによる圧倒的な表現で、サウジアラビアのさらなる魅力を発信! 次の万博開催地として、2030年に首都リヤドでの開催を決定しているサウジアラビアのパビリオンは必見です。


現地へ旅するその前に、まずは万博で知られざるサウジアラビアを体験しに行きましょう。


>>>「2025年大阪・関西万博サウジアラビアパビリオン」公式サイト(外部サイト)



取材・文/君島有紀

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2025年03月26日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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