無人島というものが昔から気になっていた。いわゆる定番の質問「無人島に行くなら何を持っていきたい?」を幼い頃から幾度となく問われ、否応なしにシミュレーションだけはさせられてきたというのに、依然として行く機会はない。なんなら、今こそ人類は無人島に行くべきときなのではないだろうか。無人島とは、人のいない島のことである。ソーシャルディスタンスは完璧だ。ディスタンスも何も、ディスタンスを取るべき人間がいないのだから。


都心に近い無人島でおそらく最も有名なのは横須賀にある猿島だろう。けれど、猿島は入園料を取られる。もはや無人島とは何なのか、と考えさせられてしまう。


実は、ほかにも都心から行きやすい無人島がある。それは、千葉県館山の沖ノ島だ。ここなら入園料は取られない。余談だが、日本には沖ノ島という名称の島がやたらとあり、調べられた限り21個もあった。「沖の島」や「沖之島」や「沖島」まで含めると、40個を超える。どうしてこんなに似たような名前ばかりつけてしまったのか不思議である。量産型おきのしま。「おきのしま」という名前は、島界の「山田太郎」のようなものなのか。島という存在を代表する名前なのだろうか。

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そういうわけで館山の沖ノ島に行くことにしたのだが、基本的には海水浴場として使われているらしく、この季節(秋)に行ってもあまりやることがなさそうだった。おまけに火気厳禁。いわゆる“無人島っぽい”ことはできそうにない。ただ散歩だけするのもなぁ・・・。


悩みながら東急ハンズでサバイバルグッズを物色していたところ、気になるものがあった。防災用にも使える火を使わないサバイバル飯が、めちゃくちゃ美味しそうなのである。なんと吉野家とコラボした牛丼缶詰なんかもあった。サバイバル飯はいつのまにかこんなに進化していたのか。普段、備蓄しているだけだと食べる機会もそうそうない(ないほうがいいんだけど)。味が気になる・・・。


サバイバル飯を食べてみよう。無人島の大自然の中でサバイバル飯ピクニックをする。サバイバル飯の美味しさを事前に知っておけば、もしもの事態があったときも少しばかり楽しめそうではないか。


館山駅へは都心からだいたい3時間程度。駅からタクシーで15分弱かかる。そう、タクシーで行けてしまう。「島」なのに、陸続きになっているのだ。昔は離れていたらしいが、地形の変化により陸続きになり、今では小さな半島のようになっている。

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入口にはしっかりとマップがある。無人島なのに、親切だなぁ・・・。

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気になるのはこれ。「井戸 飲めない!」と書かれている。よっぽど飲めないことを知らせたかったらしい。

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入口から少し歩いたところにちょうどよい木のテーブルがあったので、ここでご飯を食べる。


一応ささやかなルールとして、普段食べているご飯と美味しさを比べないことにする。そんなの、いつものご飯のほうが美味しいに決まっているからだ。サバイバル飯のほうが美味しいなら、みんな普段からそっちを食べる。

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食べ比べるラインナップは、和風鯛ごはん、おでん缶、麻婆豆腐缶、吉野家の缶飯牛丼、チョコレートパンの5種類。

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まずは鯛ごはんから。


魚介の出汁がきいていてとても美味しい。水を使わずにこの袋からそのまま食べられるため、水を吸い切ったお粥のようなべちゃっとした感じのご飯になっている。こう書くとなんだかまずそうに見えるが、出汁の味が美味しいので、べちゃっとしていても特に気にならない。味はやや濃いめ。ちなみに、今回の中にはこれだけスプーンがついていたのも高評価。有事の際にこういうのは助かるはずだ。

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次はおでん缶。


正直、ここでいきなり優勝が出てしまった。中身は大根やちくわといった定番の具。後から振り返ってもこれが一番美味しかった。食べる前は、果たして冷えたおでんなんか美味しいのだろうか、と思っていたが、そもそもこのおでんの汁がめちゃくちゃよくできているのである。塩気といい、うま味といい、ゴクゴク飲んでしまう味だった。

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ちなみに、中に竹串が入っているため、お箸などがなくても食べられる。

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次は麻婆豆腐。


これは、美味しそうな雰囲気に満ちているパッケージのわりに、個人的には相性がよくなかったかもしれない。決してまずくはないのだが、苦味がやや強い。でも、よく考えたら災害時に水も満足にあるかわからない状態で、辛味を強くしてしまうと大変なことになりそうだ。というか、そもそもサバイバル飯とか防災用飯において、麻婆豆腐というチョイスは正しいのだろうか・・・。ずいぶん攻めたメニュー開発である。

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そして、吉野家の牛丼。


まず、缶のデザインが良い。この見慣れたオレンジ色は、非日常の災害時に見るときっとホッとする。味のほうは、吉野家の牛丼とはそこまで似ていないように感じた。使われているお米が玄米で、ワシワシとした食感。そして米に脂がしっかりと絡みついているからか、ややオイリーな味わい。脂の香りが食欲をそそる。肉はモロっとしているけど美味しい。ところどころに白くて冷たい脂が見え隠れしていて、冷蔵庫で冷やした肉じゃがの脂が固まった部分を思い出した。

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デザートはチョコレートパンだ。


保存食のパンと言えばパッサパサのイメージだったが、ものすごくしっとりしている。マフィンのような形のものが缶の中に詰まっていた。甘さは控えめながらも、しっとりふわふわで美味しい。5種類の中では、これが一番食べたことがある感じの味だった。

おまけ

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島の端っこを少し歩いたら、確かに井戸らしきものがあった。これが「井戸 飲めない!」の井戸だろう。

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飲めないことくらいわかるよ、と言いたくなった。

一人無人島を楽しむ三か条

その1 無人島といえど、日によっては人が結構いるかもしれないので注意

その2 島の端で釣りをしている人もいた

その3 サバイバル飯は結構美味しい

沖ノ島

所在地:千葉県館山市富士見地先付近

最寄駅:館山

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