【おでかけ時のポイント】

・居住地やおでかけ先の都道府県の要請に従って行動しましょう
・体調に不安を感じるときは外出を控えましょう
・なるべく少人数で空いている時間に行きましょう
・周囲の人との距離をできるだけ保つようにしましょう
・マスクを着用し、手洗いは小まめに行いましょう



新宿駅から1時間!登山口まで徒歩5分で便利/高尾山

高尾山


今回ご案内する高尾山は、東京の東南・八王子市にある登山者数世界一といわれる人気スポット。

新宿駅から1時間弱。京王電鉄の高尾山口駅で電車を降りると、ひんやりした空気が体を包みます。予報では晴れてくるはずですが、まだ小雨がぱらついています。

時刻は9時45分。天気予報に合わせてこの時刻にしましたが、紅葉シーズンは混雑を避けるためにも9時には着いていたいところです。


高尾山


高尾山には多くの登山道が整備されていますが、初心者にオススメなのは7コースある「自然研究路」。随所に動植物についての解説案内板があり、高尾山の自然について知ることができます。

このうち麓から延びているのは、1号路、6号路、稲荷山コース。1号路を行くと、途中で分岐する3・4号路や周遊コースの2・5号路に連絡します。

より詳しく知りたい人は、改札を出て左にある「高尾山口観光案内所」(愛称:むささびハウス)で相談すると良いでしょう。


高尾山


まずは「清滝駅前広場」へ向かいます。大抵の山は最寄駅から登山口までバスで移動する必要がありますが、高尾山は登山口まで5分ほど歩くだけ。めちゃくちゃ便利です。道中には、土産物店や茶屋が並んでいます。


高尾山


15分間隔で運行しているケーブルカーの駅舎と、1号路の入り口が見えてきました。登山客はここで1号路、6号路、ケーブルカー、リフトなどに分かれます。


高尾山


リフトの乗り場は、駅の中に入って少し登ったところにあります。日本一の傾斜を誇るケーブルカーは片道6分、リフトは片道12分。料金は同じで、大人片道490円、往復950円です。

駅舎の左横の道を行くと、6号路と稲荷山コースの入り口があります。


高尾山


今回は、中腹にある「薬王院」を経由する1号路をチョイス。山頂手前の一部区間を除いて舗装されていて、歩きやすいのが特徴です。

道幅も比較的広く、途中にトイレやベンチなども多いので、初心者でも安心して登れるでしょう。


高尾山


といっても勾配がきついところもあるので、その点は心得ておきましょう。また、この1号路は都道でもあり、関係車両も通ります。

なお、他の登山道は道幅が狭いところが多いため、後ろの人のペースが速ければ道を譲る、先を歩く人を追い抜きたいときはひと声かけるなど、前後に注意を払いながら歩きましょう。


ケーブルカーの駅がある中腹の展望台でひとやすみ

高尾山


リフトの駅を過ぎると、手ぶらでBBQが楽しめるビアガーデン「高尾山ビアマウント」が見えてきます。ケーブルカーの駅がある、中腹の展望台です。この辺りには高尾山グルメを楽しめるお店が集まっていて、楽しい雰囲気♪


高尾山


ベンチも用意されているので、休憩にピッタリです。到着したのは10時半。登山口から40分ほどで来ましたが、休みながらゆっくり歩けば1時間くらいかかりそうです。


高尾山


標高470mで、関東平野が一望できます。晴れて空気の澄んだ日には、新宿の高層ビル群や東京スカイツリー(R)、横浜ランドマークタワーまで見えますよ。


高尾山


2018年にリニューアルしたグルメショップ「高尾山スミカ」では、くるみ味噌が香ばしいお団子をはじめ、チーズタルトなどのスイーツが人気。2階にはカフェレストランがあります。


高尾山


店の横にある道を入っていくと、ケーブルカーの駅があります。こちらも広々としていて、山を眺めながら休憩できます。


高尾山


「高尾山スミカ」で天狗の顔をかたどった「天狗焼」(150円)を購入。中には黒豆あんがぎっしり!やさしい甘さが疲れた体にエネルギーをチャージしてくれます♪ 温かいのも嬉しいポイントです。


高尾山


甘いものを食べたら今度はしょっぱいものがほしくなり、2分ほど歩いて1899年創業の茶屋「十一丁目茶屋」へ。店名は薬王院から11丁(1.2km)の距離にあることが由来だそう。


高尾山


こざっぱりした店内にはテーブル席と小上がりの座敷が用意され、気軽にくつろげます。同店は現金先払い。店に入るとお品書きを渡され、注文とともに会計を済ませます。


高尾山


こちらでは、高尾名物の「とろろそば」(写真/1,000円)をはじめ、みそ田楽や山菜料理を食べられます。店頭でお団子やお土産を買うことも可能。


高尾山


特等席は、テラスのカウンター席。絶景を見ながらの食事は何にも勝る贅沢です♪ 山頂ではありませんが眺望は素晴らしく、山の風に吹かれてのんびり休憩ができます。


山岳信仰から生まれた神仏習合の神を祀る高尾薬王院へ

高尾山


エネルギーをたっぷりチャージして山歩きを再開。時間に余裕があれば、約70頭のニホンザルや300種類の高山植物を育てている「高尾山さる園・野草園」に立ち寄っても良いでしょう。


高尾山


樹齢450年といわれる「たこ杉」を過ぎると、「浄心門」が見えてきます。ここから先は「薬王院」の境内になります。登山コースのポイントでもあり、浄心門の左が3号路、右が4号路の入り口になっています。

「カツラ林コース」とも呼ばれる3号路は比較的人が少なく、秋にはカツラの黄色い葉を見ることができますよ。


高尾山


直進して門をくぐると、赤い灯籠が両脇に並ぶ道。紅葉も美しく、夜はまた違った雰囲気を楽しめます。


高尾山


やがて分岐が現れます。左が108段と煩悩の数だけある急階段「男坂」、右がなだらかな「女坂」。すぐ先で再び合流するので、グループで行ったときは二手に分かれても楽しいでしょう。かかる時間はあまり変わりません。


高尾山


合流地点には、風味豊かなごま団子で有名な「ごまどころ 権現茶屋」があります。店内にもテーブル席や小上がり、テラス席など50席を完備し、「八王子ラーメン」などが食べられますよ。


高尾山


立派な杉並木を抜け、多聞天、広目天、増長天、持国天が睨みをきかせる「四天王門」をくぐると、手水場。参拝に拝観料は必要ありません。寄り道をしなければ「十一丁目茶屋」から20分程度で来られます。

休日には、輪をくぐってその先の錫杖(しゃくじょう)を鳴らす「願叶輪潜(ねがいかなうわくぐり)」(写真)に行列ができています。


高尾山


そして境内にも寺院直営の甘味処「喫茶小坊 一福」があり、お団子とソフトクリームを売っています。「天狗注意」の標識がお茶目♪

きび、あわ、小豆、黒ごまなど10種の具を使った天狗(十具)の団子「天狗十穀力団子」(350円)などを販売しています。


高尾山


オリジナルのぶどう酢が入った「権現力ソフトクリーム」(380円)は甘酸っぱく、目が覚めるようなおいしさ!疲れているときに食べると、生き返る心地がします。


高尾山


1200年以上前に開かれた薬王院の正式名称は「高尾山薬王院有喜寺」。真言宗智山派の大本山であり、成田山新勝寺、川崎大師平間寺とともに関東三大本山のひとつに数えられます。

ご本尊は、山岳信仰が発祥と考えられる神仏習合の神「飯縄大権現(いづなだいごんげん)」。高尾山に天狗が棲むといわれるのは、飯縄大権現の従者が天狗とされているからなのだそう。


山頂手前のキツイ登りが達成感を生む

高尾山


薬王院から20分ほどで登頂!頂上手前はどのコースも急勾配なので、たどり着いたら達成感がありますよ。ベンチの数は多くないので、レジャーシートを持っていくと良いでしょう。


高尾山


条件が良ければ富士山もはっきり見えるのですが、予報が外れてあいにくの空模様。でも、木々にかかる雲を間近に見られるのも山ならではです。


高尾山


高尾山の山頂には3軒の食事処があります。山小屋風の屋根が特徴的な「曙亭」(写真)は、そばやおでんが人気。店頭でスナック菓子や缶ビールを買うこともできます。(※緊急事態宣言中は酒類の提供はなし)

2015年に改装した「大見晴亭」は、カジュアルな雰囲気。ソフトクリームをテイクアウトする人が目立ちますが、イートインスペースもあります。


高尾山


少し階段を降りたところにある「やまびこ茶屋」では、カレーライスが人気。スナック菓子やソフトクリームもあります。ハイシーズンはどの店も混み合うので、行列を覚悟しておきましょう。


一番の観賞スポット!? リフトから眺める紅葉が最高

高尾山


体力に余裕があったら、紅葉が美しい「もみじ台」に立ち寄るのもオススメ。山頂から奥高尾に抜けるコースを10分ほど行ったところにあります。なめこ汁が人気の茶屋「細田屋」があるので、すぐに分かりますよ。


高尾山


多彩なコースがあるので、下りは登りとは違うコースを選んでみて。帰りも新鮮な気持ちで山歩きを楽しめるはずです。

この日は中腹からリフトで下山。日差しや風を感じながら木々の間を抜け、遠くの景色まで見えるのは最高です♪

紅葉シーズンも断然リフトがオススメ。ケーブルカーは混んでいると思うように外を見られませんが、リフトなら前後左右の景色をじっくり楽しめます。


高尾山


下山してから食事を楽しみたいという人は、1号路のとば口にあるそば屋「高橋家」へどうぞ。風情ある佇まいに加え、樹齢150年の柿の木が屋根を貫いて伸びていて、ひとめで分かります。


高尾山


ハイキング後にさっぱりしたいという人は、高尾山口駅直結の日帰り温泉施設「京王高尾山温泉 / 極楽湯」(入館料:1,000円~)があるので、電車に乗る前に汗を流すことも可能。露天風呂や檜風呂などがあり、地下約1,000mから湧き出る天然温泉で疲れを癒やせます♪


まとめ

山は天気が変わりやすく、市街地に比べて気温が低いもの。最低でも雨具、防寒着、帽子、飲み物、非常食(お菓子)は持って登ってくださいね。高尾山の紅葉は例年11月の中旬~下旬。秋は日が沈むのが早くあっという間に暗くなるので、時間に余裕を持って下山しましょう。また、高尾山はゴミ持ち帰りの山です。ゴミ箱はないのでご注意ください。



高尾山口観光案内所
所在地:京王高尾山口駅舎内
電話番号:042-673-3461
最寄駅:高尾山口



高尾山薬王院有喜寺
所在地:東京都八王子市高尾町2177
電話番号:042-661-1115
最寄駅:高尾山口



◆取材・撮影・執筆/佐々木志野

広告制作会社や新聞社等に勤務後、2014年に独立。フリーライターとして企画・構成、取材、執筆、撮影などに従事。ビールと読書を愛するアクティブ系。



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