Lets ENJOY INTERVIEW vol.50



コーヒーショップに美術館もある、清澄白河にいつか行きたい!

柴咲コウさん



―女優のほか、歌手や起業家と、多忙な日々を送る柴咲さん。休日は、そのときの気分でおでかけをするそう。

「特にカフェが好きで、スタイリッシュなお店に行くことが多いです。でも昔ながらの純喫茶も素敵。あの独特な小さい席に座って、ナポリタンを食べるのは、何ともいえずいいですよね。神楽坂や神保町にあるレトロな喫茶店なんかは、いつもすごく混んでて、いつか行ってみたいですね」


―カフェといえば、食器。柴咲さんの陶器好きはファンの間では有名で、お皿や湯のみなど、様々な陶器がSNSでも頻繁にアップされている。

「同じものを何個も揃えるよりも、1点1点、似ているけどどこか違うものを集めるのが好きですね。日本の作家さんを応援しているということ、知り合いで陶芸をやっている方がいることもあって、美濃焼や志野焼など、和の雰囲気が漂う素朴なデザインのものが多いです。陶器は昔から本当に好きなので、最近ではそれを知った制作の方が地方へ取材に行く企画を立ててくださって、その訪れた先で購入することも多いです」


―今号の特集エリアである清澄白河についても尋ねてみると、

「清澄白河は以前から気になっているんですが、残念ながらまだ行ったことがなくて。コーヒーショップが多いですよね。でもコーヒーは飲めないんですよ(笑)。ただショップの造りやインテリアデザインにはすごく興味があるので、今度ぜひ行ってみたいです」


―清澄白河の東京都現代美術館が今年3月にリニューアルオープンしたことを伝えると、柴咲さんは満面の笑みに。

「美術館は昔から大好き。上野にある東京都美術館にちょくちょく行きますね。絵画はもちろんですが、和の芸術作品がすごく好きなので、日本画や陶器などを見に行くことが多いです。東京都現代美術館も近々行ってみたいですね」


―美術館好きの柴咲さんには、こんなエピソードも。

「ある日、友達数人と思いつきで美術館に行くことになって向かっていたら駐車場が全然見つからなくて。閉館ギリギリの時間になってしまったので、仕方なく運転手だけを残して車を降りてダッシュで向かいました。2~3キロは全力疾走をしたと思います。さすがにバテバテで、鑑賞どころではなかったですね(笑)」


作品を通じ、日常にあふれる「普通」や「常識」について何度も考えさせられました。

柴咲コウさん



―本作『連続ドラマW 坂の途中の家』は、子どもの虐待や裁判員裁判といった社会問題をテーマにした重い内容だが、柴咲さんは台本を読んですぐに引き込まれたそう。

「一度読み始めたらもう続きが気になってしまって(笑)。この作品は推理ものにあるような面白さではなく、私が演じる山咲里沙子という女性の気持ちを掘り下げていくところがすごく興味深いんです。補充裁判員として参加する彼女の心がどんどん変わっていく点に、この作品の奥深さがあるんだなって。
ある会話一つをとっても、1話と4話では全く違ったやりとりに聞こえたり。またこの作品には問題提起が2つあって、1つは人が人を裁くことは本当に良いことなのかなということ。あと1つは、自分の中にある普通や常識とは何だろうという、そういうことを提起している骨太な作品だと思います」


―今回、山咲里沙子を演じてみて感じたことがある。

「家庭をもつことは大変だなと。実際、私がワンオペ育児(1人で仕事や家事、育児など全てをこなさなければならない状態)をしている人間ではないので難しいと思うのですが。例えば、私が結婚をして子どもを産んでワンオペ育児をしなきゃいけなくなったときに、これは誰のせいなんだろうって考えると、この環境を作った自分に要因があると思うんですよね。
今の例に限らず、現在でも仕事やプライベートでトラブルや悩みを抱えることがあれば、そう思うようにしています。中心にいるのは自分ですし、自分で選択をしてきた結果そういう状況になっているので。ただ、結婚をして家庭をもつことは、予想できないことの連続だと思うので、なかなか難しいだろうなとも思います」


―演じていて身につまされたシーンもあるのだとか。

「虐待行為を否定すればするほど、ドツボにハマっていくシーンですね。周囲は決めつけて意見をするけど事実はそうじゃない。例えば、大きな声で子どもが夜中に泣いていたら、近所から虐待と思われて通報をされるんじゃないかとか。それって、もしそういう子がいたら助けてあげなきゃ、という正義ですが、必ずしもそうじゃないという。
一生懸命、子育てをしても上手くいかないことだってたくさんあるわけだから、自分自身が当事者だったら、どのように対処したらいいんだろうなと考えさせられましたね。全部自分でコントロールできないわけですからね、人を育てることって」


―柴咲さんは自身が演じる里沙子のように、いろいろなことで日々思い悩むこともあるそうだが、その一方で、ポジティブに生きるために意識していることがあるという。

「とにかく常に幸せそうにする(笑)。私は表情がキツく見られて、わりとズケズケ言ってしまうことが多いのですが、そこを隠しては人と付き合えないじゃないですか。だから素を出しても付き合える人とは今でもずっと仲良しですけど、そういう人たちに対して愛情をかけるといいますか、笑顔でいるとか感謝の気持ちを伝えるとか、極当たり前のことですけどそういう部分は意識しています。
普段からなるべく笑うように心がけていたら相手も笑ってくれるもので、それからというもの、相手の笑顔を見るのはこんなにもうれしく感じるんだなって思うようになりました」


photo:Mariko Tosa hair&make up:SAKURA(allure) stylist:Junko Okamoto(Afelia) text:Kei Osawa
ピアス 65,000円(マリハ/マリハ伊勢丹新宿本店 Tel03-6457-7128)、他すべて参考商品




PROFILE&INFOMATION

柴咲コウ

しばさき・こう 1981年8月5日生まれ。東京都出身。
2001年公開の映画『GO』では日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞など、多くの映画賞を獲得し女優としての地位を確立。その後、様々な作品に出演している。昨年は芸能活動のかたわら「衣・食・住」をテーマとし、企画・デザインなどプロデュースを全面的に手掛けたファッションブランド「ミ ヴァコンス(MES VACANCES)」を立ち上げるなど起業家としても活動している。



『連続ドラマW 坂の途中の家』

『連続ドラマW 坂の途中の家』

山咲里沙子(柴咲コウ)は、三歳の娘・文香(松本笑花〈えみか〉)と夫(田辺誠一)と3人で平穏な日々を送っていた。そんな時、裁判所から刑事事件の裁判員候補者に選ばれたという通知が届く。対象となる事件は、里沙子と同じ年ごろの専業主婦の母親・安藤水穂(水野美紀)が、生後8カ月の娘を浴槽に落として虐待死させたという衝撃的な事件だった…。4月27日(土)22時よりWOWOWプライムにてスタート(1話無料放送・全6話)。出演:柴咲コウ ほか

©2019 WOWOW





週末に出かけたい!おすすめ「おでかけスポット」はコチラ

東京都現代美術館

主に、1945年以降の国内外の現代美術を中心に展示。大規模な国際展など特色ある企画展も開催。2019年3月29日(金)にリニューアル・オープン。


東京都現代美術館

最寄駅:清澄白河
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ブルーボトルコーヒー [清澄白河ロースタリー&カフェ]

ブルーボトルコーヒー日本1号店のロースタリー&カフェ。地元をはじめ近隣の深川エリアでおいしいコーヒーやペストリー(クッキー・グラノーラ等)を楽しめます。


ブルーボトルコーヒー [清澄白河ロースタリー&カフェ]

最寄駅:清澄白河
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※本記事内の情報は2019年04月23日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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