日本唯一!?大人が楽しめる指人形の専門店があった!/指人形笑吉工房
「指人形」のイメージって、子どもの頃に作って遊んだなーくらいの印象しかないかもしれません。今回は、そんな考えが180度変わってしまうかもしれないスポットへ潜入します。
それが、谷中銀座近くの裏通りにひっそりとある「指人形笑吉工房」。
パッと見、ただの民家に見えないこともないですが・・・。
ショーウインドウの中には人形がギッシリ!
店内も人形・人形・人形!
すんごい量の人形たちがお出迎え。思った以上にすんごい人形の館だ。お前も指人形にしてやろうかッ!?
こちらが店主の露木光明さん。
露木さんはもともと画家になりたいという夢を持っていたそうですが、実家がこの場所で縫製工場を営んでいたため、「画家になりたい」と言い出せずに家業を継いだんだとか。
指人形を作りはじめたのは、工場の経営をやめてからなんです。
「年取ってからはじめたんで、まだ18年くらいだね。工場を閉じて、この場所で子どもたちの絵画教室をやっていたんだけど、その教室で人形を作ったら自分がハマッちゃって」
立体物である人形を作るのは、平面の絵を描くのとはまた違った楽しみがあり、一気にハマッてしまったそうです。
やっぱり絵心がある人ならではの、表情豊かすぎる人形がいっぱいですね。
縫製工場をやっていただけに、着ている衣装も自作!
ところでこの人形たち、パッと見ただけでは普通の人形に見えますが、すべて指人形になっています。
こんな感じで、針金で作った枠にかぶせてポーズを付けているので・・・。
取り外せば、手にはめて操ることができるんです。
飾って眺めているだけでも楽しめそうなユカイな造型ですけど、やっぱり動かしてこその指人形。早速動かしてもらいましょう!
コントから似顔絵まで!多彩すぎる指人形パフォーマンス
・・・ということで、「指人形笑吉劇場」と称して、1日に数回行っている人形劇がスタート!
ショートコント「笑い上戸」。
ショートコント「釣り」 。
ショートコント「ウォーターボーイズ」!?
他にもこんな演目があり、合わせて約30分の本格的なショーが繰り広げられる!
海外からのお客さんも多い場所なので、セリフはほぼなく動きのみで見せる劇ですが、生き生きとした人形の表情に加え、妙にリアルな動きで、「ホントに生きてるんじゃ!?」と思ってしまうくらい。
もちろん操っているのは露木さんひとり!
特に演劇経験などがあるわけでもないのに、構成から演出、曲の編集まで全部自分でやっちゃっているんです。
「人形作りも独学だし、何でも自分で考えてやっちゃうというのが好きなんだよね!」
のっぺりとした顔よりは、シワだらけの顔の方が見る角度によって印象も変わるので、表情豊かに見えるんだとか。
さらに「指人形が描く似顔絵」ということで、似顔絵を描いてもらうこともできるんです。早速、筆者も描いてもらいました。
ちょっと意味がわからないと思いますが、こういうこと!
コレも当然、操っているのは露木さん。すだれの裏からのぞいて、お客さんの顔を見ながら描いているそうですが・・・。それにしても器用すぎるでしょう。
色までつけてくれるんだ!
小さな人形が筆を抱えてピョコピョコと動きながら絵を描くのは、すごくカワイイです。
約10分程度で完成!に・・・似てる!?
今回、描いてもらったのは「指人形が描く似顔絵」ですが、自分そっくりの指人形を作ってもらうこともできるんです。
店内に飾ってあるのは、エルヴィス・プレスリー、ビートたけしさん、八代亜紀さん、北島三郎さん・・・と、フリーダム過ぎるラインナップですが、確かに似ている!
昼ドラで話題の黒柳徹子さん、笑福亭鶴瓶さん、寅さん、タコ社長・・・。
歴代総理の人形も。
あ・・・ご本人の似顔人形だ。
とまあ、こんな感じで、写真を見せれば自分そっくりの人形を作ってもらえるというサービスなんです。
こちらは家族そろって作ってもらった外国人ファミリー。
1体4万円、完成までに数ヶ月待ちなので、なかなか気軽には頼めないですが、こりゃ確かに一生モノの思い出になるわ。
特に注文がない時でも、お客さんが途切れたら新作の制作を進めているという露木さん。ホントに好きなんですねー。
ちなみに今、作っているのは坂本龍馬とのこと。・・・おお、似てる!
こんな指人形を観て、楽しんで、買うこともできてしまう指人形専門店。最近、何かと話題の観光地・谷根千に来たら、ついでに訪れてみてください!
指人形笑吉工房
住所:東京都台東区谷中3-2-6
電話番号:03-3821-1837
営業時間:10:00~18:00
定休日:月・火曜(祝日は開館)※予約不要、指人形ショーは10:30~16:30まで1時間に1回公演。予約すれば17時以降の公演も対応可能
最寄り駅:千駄木
取材・執筆:北村ヂン
1975年群馬生まれ。ライター&イラストレーター。仕事のジャンルも幅が広過ぎて、他人に何の仕事をしている人なのか説明するのが非常に苦痛です。変なスポット、どーしてこんなことに・・・というようなものに関する記事をよく書きます。
Twitter:@punxjk
※2017年10月17日現在の情報です。内容は変更になる場合があります。