蒲田には温泉が湧いている
今回行くのは京浜東北線JR蒲田駅から徒歩3分のところにある「ゆ~シティ蒲田」という銭湯だ。ここ、銭湯なのに天然温泉に入ることができる。
蒲田周辺にはたくさんの温泉施設があって、充分に温泉郷といえるレベルだと思う。パッと見て温泉郷に見えないところも奥ゆかしくてかっこいい。
銭湯は都の条例で入浴料金が一律に決まっていて、460円。この値段で天然温泉に入れてしまうの、おトクすぎてなんか世の中間違っていると思う。
開店10分前に来たのだが、もう既に近所の人たちが待機している。裏ワザっぽい。
「手ぶらセット」を利用すると、必要なもの一式が全部そろう(入浴料とサウナ料と貸しタオルと貸しバスタオルとシャンプーとリンス込み)。これで800円だ。ありがたくて思わず券売機に手を合わせそうになる。今の時代の仏さまは、銭湯の券売機の姿をとって衆生を救っておられるのだ。
銭湯の中はこんな感じ(オープン前に撮らせてもらいました)。まだあわてないでほしい。このエリアはまだ普通の銭湯で、浴槽のお湯も温泉ではないお湯だ。
ここもきれいでいいところなんだけど、ゆ~シティの本番は奥の扉を開けたところにある。
コーラなみに真っ黒な「黒湯」
ジャーン! ここがお待ちかねの天然温泉ゾーンだ。
まるでコーラのような真っ黒な温泉。手を入れるとこの温泉の濃さが一発でわかって、大変に頼もしい。
蒲田周辺の地層には古代の植物が堆積していて、その成分が温泉に染み出しているそうだ。 アルカリ性の成分で肌がとてもスベスベになる。
普段は自分の肌の質のことなんて一切気にしていないのに、温泉に入った時だけ「おれの肌がスベスベになるの最高だな!」なんて思うのはなぜだろう。
この場所は「露天風呂」でもある。天井がすだれのようなもので目隠しされていて、周囲の風景を楽しむことはできないが、外の空気はよく入ってきて意外と開放感がある。
この浴槽を作った当初は天井に目隠しがなく、外の風景を見ることができたそうだ。しかしゆ~シティが営業を開始するタイミングで「周りは住宅地だから目隠しが必要なのでは?」と気づいたそう。
それ、よくぞ気づいてくれたと思う。おかげで安心して露天風呂に入れるぞ。
サウナと水風呂も完備していて、この二つを交代で何度も入る交互浴も楽しめる。ぼくは水風呂が苦手なんだけど、みんなガンガン入っていくからすごい。アグレッシブに銭湯を楽しんでいるんだなあ。
マッサージルームでベテラン先生の施術を受ける
銭湯なのにマッサージルームまで用意されている。近くマッサージ店からマッサージ師が出張してくれるのだ。
今回はお風呂に入る前に予約しておいたので、入浴後のベストタイミングでマッサージにありつくことができた。この段取りのよさ・・・入浴前の自分を褒めてあげよう。
来てくれたマッサージ師は年齢77歳、この道50年の先生だった。
そうそう、ぼくの本職は指圧師だ。施術のお手並み拝見と行こうじゃないか・・・なんて思っていたのだが、 柔らかいタッチで、体の浅い部分と深い部分を的確に揉み分ける技術に感心した。これ僕はできないな・・・。
「あなた、指圧師なの? それじゃあ一つ教えるけど、お客さんに施術するときに重要なのは『中殿筋』(ちゅうでんきん)だよ。めんどくさがらずに中殿筋はちゃんと施術するようにね」
指圧師だということを明かしたら、そんなアドバイスもらってしまった。中殿筋は、お尻の横についていて施術するのにコツがいる筋肉だ。
アドバイスを受けながらゴリゴリ中殿筋にアプローチしてもらう。気持ちいい。ここをガッツリと施術してくれるところって、あまりないのでありがたい。
宴会場で生ビールと新鮮なお刺身盛り合わせ
2階は休憩場をかねた宴会場になっている。平日の昼12時くらいなのに、もう既にお酒を飲んでいる人がちらほらいる。 今どきなかなか見ないカラオケの舞台もある。
なんだかこの空間は時間が流れていないみたいだ。そんな風に思えるのは旅情なんだと思う。
生ビールと枝豆のセット(700円)を頼み、宴会場の隅で一人乾杯した。
温泉からマッサージ、さらには生ビール・・・。快楽が畳みかけるように僕の体を襲ってくる。頭が全然働かない。もうどうしたらいいかわかんないな、これ。
ビールがすごいスピードで体の中に吸い込まれてゆくのがわかる。 状況からしてめちゃくちゃうまいはずなんだけど、なんだかよくわからない。全体的に快楽が行き過ぎて、さらに一段階上の感覚に至ったのだと思う。
ちなみに今着ている服はマッサージを受ける人だけに貸し出してくれる施術着だ。
「旬のお刺身盛り合わせ」(1,000円)を注文。このお刺身は注文を受けた後に、隣にあるお魚屋さんから届けてもらうそうだ。
食べてみるとその辺の居酒屋なんかよりずっと新鮮。身がしっかりしているのがよくわかってうまい。
赤貝を接写してしまった。何の意味もない行為だが「せっかくの赤貝に対して、食べるというだけのアプローチでは物足りない」という気持ちがそうさせたのだと思う。みんなもここで赤貝が出たらジャンジャン接写しておくといいよ。
炭水化物が食べたくなって「チャーハン」(600円)を注文したら、これまでにあまり見たことのないような盛り付けのチャーハンがでてきた。なんだかうれしい
温泉の宴会場でできる中殿筋のストレッチ
最後に温泉の宴会場でもコンパクトにできるストレッチをお伝えしておきたい。部位はさきほどのマッサージ師さんが話してくれた「中殿筋」だ。ここは骨盤を安定させる筋肉で、よく伸ばすと腰がスッキリする。
もう完全に満足した。ここまでそろっていたら、もう渋滞ガマンしてメジャーな観光地に行く必要ないだろう。蒲田に行くのが完全に正しい選択である。
住所:東京都大田区蒲田1-26-16
電話番号:03-5711-1126
最寄駅:蒲田
※2017年5月2日の情報です。内容は変更になる場合があります。
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