
夏はカレー。
パン!パン!と威勢よく生地をたたいて
カウンターの向こうでナンを焼く気配がする。
やがてそれはワイヤーでつくった籠にのせられて、
カウンター越しにネパールのカレーといっしょに
手渡される。アチ!となるほど焼きたてのナン。
夏はスパイスに元気をもらう。
冬は指先とからだを温めてもらう。
一年中、熱々がおいしいねといって
指先に気をつけながら巨大なナンをちぎって食べている。
熱々がおいしいパンは、ナンとピッツァと中華饅頭。
食いしん坊は、いつもそんな話になる。