一人カラオケの流儀、教えます

最近は一人カラオケ専門のカラオケ店ができているらしいじゃないか。


一人カラオケ歴18年、筋金入りの一人カラオケ推進派である私としては、そんな専門店など邪道である。ごくふつうのカラオケボックスに行き、受付で「一人です」と言い、堂々と一人で歌う。それが一人カラオケの真髄。部屋はデカけりゃデカいほどいい。「すみません、今はパーティールームしか空いてないんですが…」なんて言われた日にゃ大歓迎です。大部屋を贅沢に一人で使って歌います!


まあ今となっては多少の市民権を獲得している一人カラオケですが、私は大学生の頃から一人カラオケを楽しんでおりました。一人でカラオケに行くというと「練習なの?」と言われたりしますが、違います。大勢で行くカラオケと一人カラオケは全くの別物です。

私が初めて一人カラオケを体験したのは、当時通っていた自動車教習所の隣のカラオケボックスでした。その頃、ある女優(失念)が何かのインタビューで「ストレス解消に、一人でカラオケに行くことがたまにあります」と言っていたのを目にし、そうか、一人で行ってもいいのか!と、早速見習って学科講習の空きの時間に行ってみたのです。バイトしていた塾の生徒に店内で偶然会ってしまい、「先生、ひとりで何やってんの?」と呆れられたのもいい思い出です。


一人カラオケは昼間に行くのが良い。カラオケ店の料金は昼間のほうが極端に安いし、夜では酔っぱらって騒いでいるお客が多く、そういった連中に出くわすと興醒めだからです。私はただただ一人で気持ちよく、できるだけ喉の調子がいい状態で歌いたいので、お酒もいらない。まずはコースに必須となっているドリンクを頼み(温かいお茶などを頼むことが多い)、店員さんが部屋にそれを持ってくるまでにデンモク(目録から曲を選択して機械に送信する巨大なリモコン)をいじって曲をいくつか入れておく。なんなら1曲目はBGM代わりである。飲みものが届いたら満を持して歌い始める。一人だから、うろ覚えの曲を入れようが英語の曲を入れようが場が冷めることなんかない。歌えなかったらすぐ中止して次の曲に行ったっていいし、キーだっていくらでも下げていいし、マイクを使う必要すらない。靴を脱いでソファーの上で仁王立ちして歌おうが、踊りながら歌おうが、寝っ転がって歌おうが、誰も文句なんか言わない。この自由さを知ってしまうと、むしろ大勢のカラオケは制約が多くて窮屈なくらいです!


というわけで、この連載は、なんと私が一人カラオケに行ってその様子をレポートするだけという衝撃の企画です。お店の様子をレポートするにもほとんどはチェーン店だし、カラオケボックス内で一人で歌うだけだからほかのお客さんと出会うというハプニングが生じることもない。そんなものが連載として成立するんでしょうか。いや、成立します!させてみせます!

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※本記事内の情報は2015年01月27日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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