みなさん、ワークショップはお好きですか?筆者は大好きです。もともと子どものころから図工が大好きだったのですが、あの「一人で誰にも邪魔されずもくもくと作れる」というのがいいですよね。しかも作ったものが何かの役に立つわけでもない。時間をかけたのに完全な自己満足で終わるという悲壮さがたまりません。


筆者が図工の時間、特に好きだったのは「作画」。中でも模写ではなく空想上のものを描くのが好きでした(これまでの連載でお気づきだと思いますが、模写はかなり下手です)。絵に関するワークショップを楽しみたい!ということで、荻窪にある「杉並アニメーションミュージアム」へ行ってきました。


杉並アニメーションミュージアムまではJR荻窪駅から徒歩20分、バスだと5~6分です。節約に目がない筆者は、迷わず歩いていくことに。歩く場合は、ホームページにある「鈴木館長が描いたマップ」を参考にすると楽しいです。

▲鈴木館長が描いたマップ。楽しい理由は、食べ物店の情報が多いから

▲鈴木館長が描いたマップ。楽しい理由は、食べ物店の情報が多いから

杉並アニメーションミュージアムまでの道のりはほぼ一直線。道に迷う可能性が少ないのもうれしいところ。途中にはたくさんのラーメン店やカフェがあり、つい寄り道してしまいそうになりながら、目的地に到着しました。

▲ここが杉並アニメーションミュージアム。壁には有名なアニメキャラがずらり

▲ここが杉並アニメーションミュージアム。壁には有名なアニメキャラがずらり

「鉄腕アトム」「機動戦士ガンダム」「クレヨンしんちゃん」など20もの有名なアニメキャラが掲げられていました。この杉並アニメーションミュージアムは、区の委託で業界団体「日本動画協会」が運営しているそう。有名どころばかりのアニメキャラとなると使用許諾が大変だったのでは……と、大人の事情を考えてしまいましたが、協会が運営していればそういう心配は不要なのかもしれません。

▲エントランスには「ブレイブストーリー」の等身大フィギュアが

▲エントランスには「ブレイブストーリー」の等身大フィギュアが

国内初の総合アニメ博物館とだけあって、館内には新旧問わずたくさんのキャラクターがいました。壁にはさまざまなアニメーターが描いたイラストも。

▲筆者が好きなケロロ軍曹を発見。このお尻の丸みがケロロ軍曹のかわいらしさの秘訣

▲筆者が好きなケロロ軍曹を発見。このお尻の丸みがケロロ軍曹のかわいらしさの秘訣

また、日本のアニメの歴史が年表にまとまっていました。「このキャラってこんな昔からいたの!?」という新しい発見があるのも楽しいです。

▲筆者が生まれた1986年には、どうやら「うる星やつら」が流行っていたよう。確かに子どものころ、家にやたらラムちゃんグッズがあった覚えが……

▲筆者が生まれた1986年には、どうやら「うる星やつら」が流行っていたよう。確かに子どものころ、家にやたらラムちゃんグッズがあった覚えが……

展示コーナーだけでも十分楽しめてしまった筆者。早くも本来の目的を見失ってしまいそうです。

初心者も楽しい アフレコ体験

館内にはアニメに合わせて声を録音できるアフレコブースも。ここでは「鉄腕アトム」のアニメに合わせて声を吹き込むことができます。

▲手元の画面と大画面の両方を使ってアフレコができる

▲手元の画面と大画面の両方を使ってアフレコができる

アフレコできるキャラは、アトムとアトムの妹・ウラン。アトムとウランの2人を同時にアフレコするというチャレンジャーなコースも。

▲お得な気がしてアトム&ウランを選ぶことに

▲お得な気がしてアトム&ウランを選ぶことに

▲2人分のアフレコを選んでしまったがために、めちゃくちゃ忙しい

▲2人分のアフレコを選んでしまったがために、めちゃくちゃ忙しい

筆者はアフレコ初挑戦(しかもお一人さま)でしたが、かなり楽しめました。2人分を同時にアフレコするからかなり忙しく、終わったころには少し息が上がるくらい。チャレンジする場合は、まずはアトムかウランの単独コースで始めるのをおすすめします。

あのアニメキャラと写真が撮れる!撮影ブースも充実

館内では特別展示室を除き、撮影可能なポイントがかなりたくさん用意されていました。有名なキャラや著者のパネルがあれば、その横に立ちたくなるのが人の性ですよね。

▲バカボンのパパに扮したお茶目な赤塚不二夫先生

▲バカボンのパパに扮したお茶目な赤塚不二夫先生

セルフタイマーで撮影している筆者を気遣って、スタッフの方が「撮影しましょうか?」と声をかけてくれました。ソロに優しい心遣いです。

▲撮影してくれた写真を改めて見ると、一人ではなく多分二人で撮影するべきポイントだったことが判明

▲撮影してくれた写真を改めて見ると、一人ではなく多分二人で撮影するべきポイントだったことが判明

このほかにもハクション大魔王やガンダムの立体模型が。どんなに年を重ねても、子どものころに熱中したアニメキャラが目の前に現れると「一緒に写真を撮らなきゃ!」という気持ちになるから不思議ですよね。

いよいよワークショップへ!

杉並アニメーションミュージアムの醍醐味は、なんといっても充実したワークショップ。トレース板を使った「うつし絵」やパソコンを使った「デジタルワークショップ」、「パラパラアニメ」などさまざまなワークショップがありました。

▲多機能なデジタル作画。いろいろな機能を使っていたら、夢に出て来そうな不気味な絵が完成してしまった

▲多機能なデジタル作画。いろいろな機能を使っていたら、夢に出て来そうな不気味な絵が完成してしまった

筆者がやってみたかったのは「パラパラアニメ」。パラパラ漫画と同様、何枚かの絵をつないで動かすことでアニメが作れるというもの。有名どころでいえば、鉄拳さんのパラパラアニメがそれです。

▲トレース台もある本格的な作業台

▲トレース台もある本格的な作業台

時間は平日の15時。館内には筆者を除いて1~2名の入場者がいるだけです。お一人様のワークショップとしてこの上ない環境が整いました。

▲トレース台。作業に没頭できそうなソロ活向きの環境

▲トレース台。作業に没頭できそうなソロ活向きの環境

パラパラアニメ作りでは

・主線は太く

・絵柄は大きく

・枚数を書くので簡単な絵を

・20枚以上書くこと

のポイントに気をつけると、いい作品が仕上がるそう。教えられたことを忠実に守り、もくもくと作業します。ちなみに紙もえんぴつも消しゴムも、無料で貸し出してくれます。開始から15分、21枚の絵を描き上げました。


渾身の作品を握りしめ、スタッフの方に手渡す筆者。描いた漫画はスタッフの方がデータに取り込んでくれます。

▲取り込みながら「良く描けてますね」とねぎらってくれるスタッフさん。平日の昼間に一人で何十枚も絵を描いていた筆者に対して優しすぎる

▲取り込みながら「良く描けてますね」とねぎらってくれるスタッフさん。平日の昼間に一人で何十枚も絵を描いていた筆者に対して優しすぎる

この日の気温は4度。この寒さの中、同施設まで20分歩いたのが影響したのか、ややかわいそうな内容になってしまいました。なお、USBかCD-Rを持参すればデータは無料で持ち帰り可能。もし忘れた場合でも1枚100円でCD-Rを購入できます。また、パラパラアニメは体験時間が決まっているので、やりたい方は事前にホームページで確認してから行くと良さそうです。


そこまで広いスペースではないながらも、気が付けば3時間も過ごせてしまった杉並アートミュージアム。子ども向けかと思いきや、大人も十分に楽しめる施設でした。今回紹介した以外にも、「アニメシアター」や「アニメライブラリー」もあり、1日中過ごすこともできそうです。


さすがに寒いので、帰りはバスを利用した筆者。杉並アートミュージアムの最寄りのバス停で時刻表を確認すると、目を疑うような本数の多さが。昼間ならほぼ2分間隔でバスが来ることが判明しました。これからはケチらず、バスを利用しようと思います。

杉並アートミュージアムをソロで楽しむ3ヵ条!

その1 撮影スポットが多いのでカメラを忘れずに

その2 アフレコ初心者のソロ活は、アトムかウランのどちらかにしよう

その3 混雑時は譲り合いの精神で。ソロなら待たせる相手もいない

東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム
  • 所在地

    東京都杉並区 上荻3-29-5 杉並会館3階

  • 最寄駅

    荻窪

  • 営業時間

    10:00~18:00(入館は17:30まで)

  • 定休日

    毎週月曜日(月曜が祝祭日の場合は開館し、翌日火曜日休館) 年末年始

  • 電話番号

    03-3396-1510

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2015年02月18日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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