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ソロ活の達人に聞く!

2015/7/9

上から目線・辛口顔の看板ネコに一人片思いを楽しむ

ネコのことが好きで、好きでたまらない、あふれ出す愛情を留めておくことができない人を「ネコ偏愛者」と呼んでいます。僕も5年ほど前から、その類いの人間になってしまった。ネコとの濃い(恋)時間を独占できるのがソロ活ならではの楽しみ。ネコの魅力と、ネコと人、それぞれの関係性、出会いの物語を「ネコ偏愛者」視点で紹介して行けたらと思います。

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ネコ偏愛の達人

石井 芳征さん

ネコ偏愛者・クリエイティブディレクター。ネコを偏愛する5人で「ネコ親戚」と自称し、ネコ新聞やポップアップストアCat’s ISSUEなどで、ネコへの偏愛を普及する活動を行う。

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ツイッター(@ishiiiiiii) / インスタグラム(ishiiiii)
上から目線・辛口顔の看板ネコに一人片思いを楽しむ

何飲もうかな? えっと、「富野宝山」「吉兆宝山」「八重泉」…。あまりお酒強くないからな。じゃあ「八重泉」の隣のこの「ネコ」ください。うーん、これはなかなか特徴的というか、愛嬌や甘さのない、辛口な見た目。しかしこの人への媚びのなさがなんとも癖になる。ぷはーっ、おかわり!


▲旨そうな酒に目もくれず、カウンターに鎮座する看板ネコを迷わずオーダー。


世田谷区下馬の閑静な住宅街にひっそり居を構える「紫陽花カフェ」。一軒家を改装した平屋の店舗、庭先には店名の通り、紫陽花が雨に滴り咲き誇っていた。東京とは思えない静かな店内、家のような穏やかな雰囲気は、一人ぼーっとリラックスして過ごすのにはちょうどいい。さて、さっそく本題(メインディッシュ)のネコ、ネコ…。


▲雨上がり、色濃く咲いていた庭先の紫陽花。


「紫陽花カフェ」の看板ネコ、名前を「かんのん」という。先住に「ドラさん」という看板犬がいて店内でともにお客さんを出迎える。「かんのん」は、「ドラさん」を診ている獣医さんが保護したのを、こちらで引き取り飼い、はじめた保護猫だ。


▲「何だ、お前?」という冷たい目で不信感全快のかんのん


名前の由来は、近所にある「世田谷観音」。「漢字だと字画が悪くて、平仮名の『かんのん』にしました」とは、飼い主でありカフェオーナーのみのりさん。「最初に出会った時、顔が妙に長くて、なんか困った顔しているなと思いました。性格もつねに上から目線、偉そうです(笑)」。「かんのん」という名に反して、つねに機嫌の悪そうな顔。決して人に媚びず、マイペース。そのツレなさがネコ好きのハートに火をつける。


▲開放感のある庭、ウッドデッキもあり、夏場は夕涼みしながら食事を楽しめる。


「触れたい、抱きたい、抱かせてくれ、イヤだ」の攻防。縮まらない距離。手の間をすり抜けて行ってしまう、永遠の片思い。もどかしい、たまらない。これらすべてのやりとり、コミュニケーション、いやディスコミュニケーションすらも楽しむのが、ネコ偏愛者のソロ活の醍醐味だ。


▲外が大好きなかんのん。庭を眺めもの想いに耽る後ろ姿。そっと抱きしめたい。


▲カメラを向けられるのも嫌々。やっとの思いで明るい場所で写真が撮れた。


「紫陽花カフェ」が特徴的なのは、愛護団体が保護した犬ネコを一時的に預かるボランティアをしている点だ。愛護団体の保護スペース(シェルター)にも場所的な制限があるので、こうしたボランティアの人たちが、一時的に家で預かり、お世話するシステムがあるのだ。


▲お品書きの代わりに、里親募集の告知、ある意味新しい。


▲庭先ではBBQもできる。おススメは、デザート類と保護犬。


▲預かり中の保護ネコチャトラの「ダッシュ」とサビ柄の「マスク」。新たな飼い主さんとの出会いを待つ。


ちょうど、預かり中のネコが2匹ケージ内でのんびりしていた。ネコ好きのお客さんの中には、ケージの中に入って一緒に遊びたいという人も。その気持ちとても共感できる。友達になれそうだ。他にも敷地内には、預かり中の犬がいて、これまでもお客さんが、店内の犬ネコに惚れて、何度か通い正式に里親になるケースも。新たな飼い主と出会い、多くの犬ネコたちがここから卒業していった。


▲ネコ特有の「無」の表情、いただきました。


そんな預かりの犬ネコたちに対して、静寂を愛するかんのんは、あまりいいように思っていないらしい。飼い主が決まり他のネコたちがいなくなった時は、いまより「もうちょっとかわいい顔」をしているという。「うるさいのがいなくなって清々した」と、どうやら自分のことをネコと思っていない節がある。


▲横顔は意外にあどけない、そういうギャップもまたよい。


▲ここ! 指先の一部だけ薄茶色ってとこが、見た目と性格含めたトータルバランスの中で、意外性(油断している感)があってキュンと来るポイント。


以前みのりさんは、たまたまお客さんに、動物の考えを言葉にするアニマルコミュニケーションができる人がいて、かんのんが何を考えているかを教えてもらったことがあった。
「基本的に上から目線、命令口調で、言葉少なに主人のことを『いい人だけどタイプじゃない』とか、『ここは庭があるから好き』とか、私に対しては『もっと、みのりがやりたいことをやればいいじゃん』って言われました(笑)」。


▲やっと触れられた。かんのんとのちょうどいい距離ってこのくらいかな。


飼い主のみのりさんとも、ちょうど手が届くくらいの付かず離れずの距離を保つ、かんのん。寝る時もそばに寄ってくることはなく離れたところで就寝する。それでも、かんのんがみのりさんに接する態度や、みのりさんの眼差しから、一人と一匹の間に十分な信頼関係があることが分かる。
保護ネコだったかんのんにとって、人とのちょうどいい距離感が、そのくらいのもので、みのりさんもそれを受け入れて、お互い都合をつけたのだろう。確かな安心感がこの場所にはあった。次に来たときは、一人と一匹、僕とかんのんの距離がもう少しだけ縮まるといいな。


この記事を書いた人

石井 芳征さん

ネコ偏愛者・クリエイティブディレクター。ネコを偏愛する5人で「ネコ親戚」と自称し、ネコ新聞やポップアップストアCat’s ISSUEなどで、ネコへの偏愛を普及する活動を行う。

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