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ソロ活の達人に聞く!

2017/7/26

「一人キャンプ」の予約を断られたから、キャンプっぽい体験ができるお店に行ってきた

「一人キャンプ」をしたい。それなのに、どこのキャンプ場も一人での予約はお断りだ。せめてものの、“キャンプっぽい体験”をしたい、と行き着いたのはキャンプ(グランピング)がコンセプトの温浴施設。本物のキャンプではないけれど、できる限りキャンプっぽさを味わってみせよう!

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一人遊びの達人

朝井 麻由美さん

ライター・編集者。最新刊『「ぼっち」の歩き方』が発売中。その他、著書に『ひとりっ子の頭ん中』。

Webサイト
ツイッター(@moyomoyomoyo)
「一人キャンプ」をしたい。それなのに、どこのキャンプ場も一人での予約はお断りだ。せめてものの、“キャンプっぽい体験”をしたい、と行き着いたのはキャンプ(グランピング)がコンセプトの温浴施設。本物のキャンプではないけれど、できる限りキャンプっぽさを味わってみせよう!

先月、私は血眼になってキャンプ場を探していた。どうしても一人でキャンプをしたかったのだ。あらゆる一人遊びの中でも、私は「一人キャンプ」には一目置いている。一人でテントを張り、一人で火を起こし、一人で肉を焼き、一人でキャンプファイヤーを前に踊る。「一人キャンプ」はお一人様界の最高峰なのではなかろうかとすら思っている。

“難易度の高いお一人様”としてしばしば挙げられるのは、「一人遊園地」だったり、「一人フルコース」だったり、一人で行くには恥ずかしいといったものが多い。けれど、過去に一人で遊園地に行ったときも、一人でフルコースを食べに行ったときも、その恥ずかしさは一瞬のものだった。結局はそういった人目が気になる類のものは、最初が最大のピークなのだ。遊園地は入場してしばらくすれば慣れるし、フルコースに至っては受付さえしてしまえばあとは個室で美味しい料理に舌鼓を打つだけである。

それに比べて「一人キャンプ」は、前日から準備をして、重い荷物をキャンプ場へ運び、キャンプ場へ着いてからもキリキリと働き続けることになる。今、世の中に「一人キャンプ」をしたことがある人がいるとすれば、「一人好き」というより、どちらかというと、「キャンプ好き」に分類されるはずである。「キャンプが好きだから、一人キャンプをする」のではなく、「一人が好きだから、ついに一人でキャンプをした」、そういう人に私はなりたい。「一人キャンプ」をすれば、一皮むけることができるに違いない。長年そう思いながらも踏み切れずにいた。

そして、先日ついに一人キャンプをしようと重い腰を上げたのだが、探せども探せども、一人客を受け入れてくれるキャンプ場は見つからなかった。どこも「4名以上」でなければお断りだったのである。あるキャンプ場に、「人数分の料金を支払えば、一人で予約することはできるのか?」と問い合わせてみたら、「お一人様でも、理論上は4名様分の料金をお支払頂ければ、お客様としてお受けすることはできますが、サービス開始以来、残念ながらそのような方はこれまでいらっしゃいません。またそのようなお問い合わせは、これまでお受けしたことはありません」とクールに返答された。有無を言わさぬキャンプ場の姿勢に、私はすごすごと引き下がるしかなかった。こんなやり取りをいくつかのキャンプ場と繰り返した頃には私は意地になっていた。どうしても一人でキャンプをしたい。キャンプっぽければ、いっそキャンプじゃなくてもいい。キャンプっぽい何らかをしたという充実感さえあればいい。せめてテントに入りたい。先っちょだけでいい。何もしないから。キャンプの魔物と化した私という怪物はついに本末転倒なことを考え始めた。「一人で火を起こしてテントを張ってキャンプファイヤーの前で踊れば、一皮むけるはず」と意気込んだあの日の私はもうそこにはいない。


おふろcafé bivouac

▲グランピングをコンセプトとした温浴施設「おふろcafé bivouac(ビバーク)」


こうして見つけたのが、グランピング温浴施設「おふろcafé bivouac(ビバーク)」だった。グランピングとは、最近流行りの「手軽にできる豪華なキャンプ」のこと。グラマラス(glamorous)×キャンピング(camping)を掛け合わせた造語で、荷物やテント張り、火起こしといったキャンプの面倒くさい部分がすべて用意されている中でキャンプするのがグランピングである。「おふろcafé bivouac」では、そのグランピングの疑似体験をできるのだ。銭湯のような入浴施設でありながら、建物内にキャンプ的な内装のくつろげるスペースが用意されている。

キャンプをしようと思っていたはずが、なぜ私は入浴施設に来てしまったのだろう。ふつふつとわき上がる疑問を押し込めるようにして、門戸を叩いた。決して本物のキャンプをできるわけではない。それでも、キャンプグッズが揃っているこの施設なら、最低限のキャンプ感は味わえるはず。あとは「ここはキャンプ場だ」とどれだけ自分が思い込めるか次第である。私とキャンプとの戦いが始まった。

キャンプといえば、まずはテントだろう。とにかくテントに寝転がりたい。テントに包まれたい。テントを独り占めしたい。そこがどこであろうと、テントさえあればもうそれだけでちょっとしたキャンプだ。受付を済ませて、とるものとりあえずテントのほうへ向かった。誰がどう見ても文句なしのテントぶりだ。これをキャンプと言わずして、何と呼ぼうか。テントの後ろには、様々なアウトドア雑誌の織り成す森が、林が、木々が、私のキャンプを祝福している。この本棚に並ぶアウトドア雑誌が生まれる遥か前、そう、彼らがまだ木々だった頃の記憶が手に取るように見えてこないだろうか?私は見えないですけど。どうみてもただの本棚。


テント

▲念願のテント。後ろには本棚に並ぶアウトドア雑誌という森林が


テント

▲テントでごろごろ

テント

▲ひたすらごろごろ


さらに奥に進むと、もう一つテントがある。こちらは上から吊り下げられている、ハンモックタイプのテントである。ごろごろするたびに、ぼよんぼよんと揺れる。このハンモックテントの後ろの壁はなんと、木々の模様をしつらえたものだった。これならば諸手を挙げてキャンプだと言える。ここまでですでに私は2種類ものテントで寝転がる偉業を達成した。キャンプかキャンプじゃないかと言われたら、だいぶキャンプだ。


ハンモックテント

▲ハンモックテント


ハンモックテント

▲ごろごろ


ここのスペースには普通のハンモックもあり、ほとんどの時間、小さい子どもたちがハンモックをブランコのようにして遊んでいた。ハンモックが果たしてキャンプっぽいのかどうかは議論の余地があるが、逡巡ののち、なくはない、という結論になった。


ハンモック

▲普通のハンモックでごろごろ


なぜかボルダリングができるコーナーもあった。広義のアウトドアということなのだろうか。だんだんキャンプから離れつつあるのを薄っすら感じつつ、壁をのぼりおりした。世界は広い。崖の近くでキャンプをすることがないと誰が断言できようか。キャンプ中に突如としてロッククライミングをしたくなるリビドーが高まることだってあるだろう。


ボルダリング


ボルダリング


ボルダリングの隣にあるのは、プールのような池のような空間。キャンプといえば、川などでの水遊びがつきものである。川のせせらぎに耳を澄ませ、太陽の照り付ける水面に足の先を入れた私は、ひと思いに水の中へ入っていった(ような気がした)。透き通った水の中を泳いでいた小さな魚たちが、一斉に散り散りに泳ぎ去った(ような気がした)。


池のような空間

▲キャンプといえば水遊び


2階に上がると、大きなソファや本棚が並び、若い男女のグループ客がソファでトランプをしたり、マンガを読んだりしてくつろいでいた。決してキャンプっぽくはないが、キャンプにマンガやトランプを持っていくこともあるかもしれない。ギリギリ許そうと思う。


マンガコーナー

▲アウトドアグッズが並ぶ中に、突然マンガコーナーが


カフェ

▲2階にあるカフェ


レストラン

レストラン

▲こちらも2階にあるレストラン


テント

▲大きなテントの中で食事をする


レストランでは、キャンプフードを楽しめるらしい。キャンプっぽくて素晴らしいと思う。キャンプで食べそうなメニューなだけでなく、実際に使っている食器もキャンプグッズだという。「ローストビーフプレート」(1,300円 税別)と、「Enjoyキャンプ飯!スモーキーグリル」(880円 税別)、そして「ドリップコーヒー体験セット」(880円 税別~)を注文した。


ローストビーフプレート

▲「ローストビーフプレート」

Enjoyキャンプ飯! スモーキーグリル

▲「Enjoyキャンプ飯!スモーキーグリル」


この「ドリップコーヒー体験」がまた実にキャンプっぽかったのだ。キャンプで使えるコーヒーグッズを使って、豆からコーヒーを挽くのだが、店員さんからの詳細な説明は一切なし。「これ見ながらやってください」とコーヒーの挽き方の書かれた紙切れを渡されるだけ。豆を入れる場所を何度も間違えながら、ようやく挽くことができたが、出来上がったコーヒーはびっくりするほど薄味だった。豆を挽く量が少なすぎたらしい。時に失敗しながらも、自分の力だけでどうにか作ったコーヒーを飲みながら私は、「キャンプっぽい」と満足気に頷いた。


ドリップコーヒー

▲ドリップコーヒー体験の道具

ドリップコーヒー

▲失敗を繰り返しながら豆を挽く


キャンプファイヤー

▲キャンプファイヤーを一人眺める


キャンプファイヤー

▲後ろのカップルの絡み合う足


そして、最後はキャンプファイヤーである。キャンプの締めくくりは、キャンプファイヤーでなくてはならない。パチパチと燃え、ゆらめく火の周りにいる多くのカップル客は、仲睦まじくゆったりとしていた。そう、キャンプファイヤーはこうでなくちゃならないのだ。林間学校の夏の夜、キャンプファイヤーの周りを囲む男女は距離を縮めると相場は決まっている。

こうして私の一人キャンプが終わった。キャンプっぽい、と思い込めば、なんでもキャンプっぽく感じられたひとときだった。味を占めた私は、「キャンプっぽいキャンプっぽい」とありがたがりながら、お風呂に入って、マッサージを受けてから帰った。そう、ここは入浴施設の「おふろcafé bivouac」。本来はほとんどのお客さんがお風呂に入ってマッサージを受けるのを目的としてやってくる。それがどういうわけだが、森が、林が、木々が、小川のせせらぎが、リビドーが、火のゆらめきが、そこにはあった。キャンプを求めすぎるあまり、おかしな夢を見ていたようだ。ただお風呂に入ってくつろいできただけの話を、どうして私は4,000文字も書いてしまったんでしょうね。


一人キャンプを楽しむ3カ条

その1
キャンプ場は一人だと予約が取れない
その2
キャンプっぽい体験なら、一人でもできる
その3
何でも思い込めば、キャンプっぽく感じられる

お知らせ

ソロ活の当連載が、書籍化しました!

「一人プラネタリウム」から「一人豆まき」までの連載記事を大幅に加筆修正し、「一人スイカ割り」、「一人流しそうめん」、「一人ラブホテル」などの書き下ろしも収録しています。

この記事を書いた人

朝井 麻由美さん

ライター・編集者。最新刊『「ぼっち」の歩き方』が発売中。その他、著書に『ひとりっ子の頭ん中』。

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