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  4. 第5回:日比谷線とは趣味が合う【駅名ソムリエール/能町みね子】

能町みね子の駅名ソムリエール

vol.5 かつての地名が生かされている日比谷線。過去最高に書き甲斐なし!?


土地の歴史や地名の由来に強い愛とこだわりを持つ能町みね子さんが、独自の視点で新たな駅名を考案する本連載。第5回目は、中目黒から北千住まで駆け抜ける日比谷線。ソムリエールもうなる、傑作駅名揃いだったことが判明。あなたの住むあの駅も、毎日通っている会社の最寄り駅も、本当は違う名前がふさわしいのかもしれません!


私と駅名の好みが一致。今はなき地名もちゃんと存在している日比谷線

おしゃれな中目黒から始まり、下町の北千住へと通じる日比谷線。この連載は東京メトロ全線を対象に書こうと思っているんですが、あまり書き甲斐がなかったのがこの日比谷線です。

いや、それだけ駅名の好みが私と一致してるわけで、うれしいことなんですけど。日比谷線は案外歴史が古いので、今はない地名が生かされていたりもするんですね。

まず最初の中目黒。ここの住所は実はずっと昔から「上目黒」。だから上目黒のほうがいいような気もするけど、JRの目黒よりははるかにかつての「荏原郡目黒町」の中心部にあるし、今の目黒区を代表する駅と言ってもいいので(JR目黒駅は目黒区にない)、まあ「中目黒」が妥当かな。

恵比寿は、雑学好きには有名な話で、ここにヱビスビール(現:サッポロビール)の工場があり、その貨物駅として誕生したから恵比寿駅となったのです。だから地名の歴史としては浅いけど、今やその工場も移転しガーデンプレイスになったので、土地の歴史を表すものとして恵比寿駅のままでいいでしょう。




東銀座・秋葉原をのぞき、全体的に文句なしの駅名が続く広尾~北千住

広尾、六本木、神谷町についてはも文句はございません。特に神谷町は今では消えてしまった地名なので貴重です。霞ヶ関(丸ノ内線で既出)、日比谷、この二つもこのままでいいと思う。

さて、銀座と東銀座がこの路線のいちばんの難テーマなので、ちょっと後回し。

築地、八丁堀、茅場町、人形町、小伝馬町、全部文句なし。

秋葉原はJRの駅とちょっと離れている。同じくらい離れているJR御徒町〜日比谷線仲御徒町が別の名前をつけているし、秋葉原は都電時代の名前を復活させて「和泉橋」にしましょう。

そして、仲御徒町から先は全部昔からの地名。仲御徒町は消えてしまった地名なのですが、ほかの駅名は今も使われている馴染みのあるものです。全部そのままでよいと思います。




またしても出てきた「銀座」問題、方針を変更します!

さて、銀座と東銀座が迷うところです。以前の丸ノ内線との関わりもあるし、最初は日比谷線の銀座を「西銀座」にして、同じ路線で西銀座&東銀座のセットを作るのがきれいかな、と思ったんですが、調べてみると日比谷線東銀座駅のあたりはかつて「木挽町」という地名だったのでした。

古い地名をなくしてしまった悪例でよくあがるのがこの木挽町。「東銀座」は、地図で見たとき丸ノ内線(西銀座)・銀座線(銀座)と綺麗に横並びになる都営浅草線のほうに名乗ってもらって、この3駅を貫く形の日比谷線では「木挽町」を復活させるのがいい、と方針変更。

東銀座はほかにも「三原橋」とか「歌舞伎座前」とか、候補がたくさんあって困りました。かつてこのへんが今以上に栄えていた証なのかな。

で、まとめてみると、日比谷線は駅名を変えたのが2つだけ。個人的にはそんなに使わない路線なんだけど、私と趣味が合うみたいです。



能町みね子さん

文筆業兼イラストレーター。
「オカマだけどOLやってます。」でデビューし、近刊に「『能町みね子のときめきデートスポット』、略して 能スポ」(講談社文庫)「ときめかない日記」(幻冬舎文庫)など。「久保みねヒャダ こじらせナイト」にも出演中。






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