今、旅行先として大人気の台湾。なかなか行けないので雑誌の台湾特集を眺める日々です。でもある時、上野恩賜公園にて台湾イベントがあることを知りました。


今回のソロ活スポットは「2015 日台食文化交流」……フェスというと代々木公園がメインで、しかも旅慣れた感じの人がお酒片手に踊っていたりして行くと若干肩身が狭いのですが、穴場の上野恩賜公園なら大丈夫かもしれないと思い行ってみました。「ライチ種飛ばし大会」があるのも気になります。


優勝はなんとライチ6キロ。台湾ではライチの種を飛ばすことで無病息災を祈る風習があったり……するかは不明ですが、とにかくライチは世界三大美女の楊貴妃が最も愛したビタミンが豊富に含まれているフルーツなので美容には良いと思われます。


訪れた日は小雨が降っていたのでわりと空いていました。 台湾牛肉麺や ルーロー飯、海老蒸し餃子など飲食のブースが多すぎず少なすぎない感じで並んでいます。 台湾麺線という麺料理の店に長蛇の行列ができていました。

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台湾麺線は新橋にある人気店です。しかしここはライチの種を飛ばすために体を軽くしておきたいので、ストイックに何も食べず、台湾の鉄道のブースに行って駅弁の写真だけ眺めました。


角煮や煮卵が乗ったお弁当が素朴な容器に入れられ、見るからにおいしそうです。ただ、表記を見て気付いたのですが、台湾の弁当は「便富」と書くようです。食べ物なのに便とは……。食べたものは結局は便になるという達観した思想があるのでしょうか。


台湾の名物といえば 愛玉子(オーギョーチー)というゼリー状のスイーツがあります。この会場には愛玉子を揉んで作る体験ができるブースも。イチジク属の植物の種を水の中で揉み続けると液体が黄色っぽく染まり次第に固まりゼリーになるそうですが、私が参加したテーブルだけ固まらず、残念な結果に。それだけ作るのが大変なデザートだと身にしみました。

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ペクチンの成分が溶けてゲル状になるはずでしたが……。

など、周りのブースでも異文化体験できましたが、一応今回の一番の目的は、ライチ種飛ばし大会です。会場の大きな面積に青い養生シートが敷かれ、6レーンくらい作られ、そこで参加者が種飛ばしに挑戦していました。


最初周囲の目が気になったのですが、適度に無視されているというか、ギャラリーがほとんどいなくて注目度が低くてよかったです。 受付で参加費500円を払うと、ライチ二個を渡されるので競技まで実を食べて種だけにしておきます。

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会場でライチ販売は売り切れだったので大会に参加しないとライチは食べられません。


ビニール袋に入った種は、食べカスみたいな状態ですが、競技直前、またこれを口に含まなければなりません。参加者を見るとカップルがお互い撮影し合ったり家族連れでお父さんが子どもに良いところを見せようとしたり、思い出作りの牧歌的な空気です。

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勢い余って倒れ込んだ少年も……。下を向いてしまったら飛距離は伸びません。 見ていると、飛距離を伸ばすコツは、助走OKなので走ってきて勢いよく吐き出すこと。また、着地したあと転がるとさらに記録が伸びるので、ライチの種の周りの果肉をきれいに食べておくこと。首を振りつつナナメ上に飛ばすこと、などでしょうか。


遠くまで飛ばせる人は、目線が上向きで思い切りが良くて、人生でも成功してそうです。私は羞恥心が上回ってしまい、ただ下に吐き出して、笑ってごまかすというダメなパターンでした。飛距離は2m45cm。ちなみにこの日の最高記録は男性17m80cm、女性13m80cmです。

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二回飛ばして二回とも2m前後という渋い記録に……。

飛距離を測るスタッフは一日何回も走って行って大変そうなので、短い距離にしておいたという偽善を言い訳にして、自尊心を保ちました。

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※本記事内の情報は2015年07月28日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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