食べ比べも！東京ソラマチの梅干し専門店「立ち喰い梅干し屋」レポ

どうも、へんてこグルメガイドの矢崎です。

日本人なら誰もが一度は口にしたことのある「梅干し」。古くから多くの人に愛されている、和食を代表する食べ物です。そんな梅干しをカジュアルに食べ比べできるお店が、東京スカイツリー(R)内の東京ソラマチ(R)にあるのをご存じでしょうか？

今回紹介するお店は「立ち喰い梅干し屋」。その名の通りスタンディングスタイルで日本全国から厳選した梅干しを楽しめちゃいます。東京ソラマチといえば、塩の専門店や食品サンプルの専門店など個性の強いお店が軒を連ねていますが、その中でも「立ち喰い梅干し屋」は異彩を放っています。

一歩店内に踏み入れると一列のカウンターがあり、目の前には梅干しが置かれています。スタイリッシュで高級なお寿司屋さんのような雰囲気です。

同店で販売されているのは、常時16種類の梅干し。専門店で16種類と聞くと、もしかしたら少なく感じるかもしれません。

しかし、これらは梅干しプロデューサーの店主が日本全国300種類以上の梅干しを食べ、厳選に厳選を重ねて選び抜かれた精鋭たち。各ジャンルの最高峰を取りそろえることで、お客さんが選びやすくしているそうです。

いつも何気なく食べていますが、一言に「梅干し」といっても並べてみると実に個性豊か。製造法や使われる原料もさまざまで、それぞれ色合いも形もまったく違います。どれも見ているだけで白いご飯が欲しくなってくるのは梅干しならではですね。

立ち食いのメニューには、1粒とお茶の注文（450円/税抜）の他に、「絶品梅茶漬け」（650円/税抜）や梅干しとの相性を考えたお茶のお酒もあります。梅干しのメニュー札は右から酸っぱい順に並んでいるので、注文するときは目安にしてみてください。

多くのお客さんが注文するのは、お好きな3種類をお茶と一緒に食べ比べできるセット「三粒とほうじ茶」（900円/税抜）。「たくさんあって選びきれないなぁ」という方は、店員さんが優しく各梅の特徴を教えてくれるので、気軽に声をかけてみてください。

厳選された中でも筆者が気になった梅干しをご紹介。最初に紹介するのは、ラインナップの中で2番目にすっぱい「杉田梅」。“杉田梅”とは400年前からある絶滅寸前の珍しい品種の名前。そんな杉田梅を職人さんが塩を1粒1粒揉みこむという手間のかかる製法で梅干しにしています。

一口食べてみると、目が覚めるようなガツンとした塩気とすっぱさ。思わずご飯をかき込みたくなります。もし梅干しの教科書があったら、1ページ目に載せたくなるような王道の味わいです。

続いては、少々小ぶりな「燻製梅」。皮が柔らかく香りのつきやすい松本農園の「はちみつ梅」を、大阪の燻製料理店「TE kara TE」が桜チップで2時間かけて燻し上げた一品です。いろいろな場面で梅干しや燻製を食べてきましたが、この組み合わせは初めて！

珍しいだけでなく、味はとても個性的。柔らかなすっぱさの後に、梅干しの風味に負けない燻製の香りが口の中一杯に広がります。お酒好きの方は、この梅干しを肴に一杯やりたくなること間違いなしですよ。

「燻製梅」に並ぶくらい変わり種の梅干し「辛子梅太子」も面白い味。紀州産の南高梅を唐辛子とともに、じっくりと漬け込んでいます。辛子梅太子とはありますが明太子と合わせているわけではありません。

塩気とすっぱさは抑え目ですが、その分ピリリとした辛みとうま味がたっぷり。ご飯やお酒のお供に最適な梅干しです。

甘めの梅干しでは「みかん梅」がオススメです。紀州産の梅を、同じく紀州産の温州みかんの果汁を使って漬け込んだ、和歌山の名産がコラボレーションした梅干しとなっています。

梅干しの爽やかな酸味と甘味に合わせて、ほんのりとみかんの風味が香ります。梅干しはご飯のお供というイメージがありますが、「みかん梅」に限ってはデザートにピッタリ。緑茶と合わせるとさらに美味しくいただけます。

ラインナップの中で最も甘い梅干しである「しらら」。梅干しづくりの老舗「中田食品」の人気商品で、薄皮で柔らかい果肉の南高梅を低い塩分で漬けこんでいます。同店が扱う梅干しの中でもかなり有名なため、知っている方もいるかもしれません。

塩気やすっぱさは少なく上品な甘さとうま味を感じられます。「みかん梅」をフルーティーな甘さというなら、「しらら」は梅干しの王道を行く甘さ。老若男女問わず愛される味ですよ。

同店では、店内の食べ比べだけでなく瓶での購入もできます。お持ち帰り用の「まかない瓶」は1瓶100g入り。自分用にはもちろん、家族や友人へのお土産としても喜ばれるでしょう。

贈答用のギフトボックスも用意しているので、オフィシャルな場でも使えます。

「お持ち帰りでも食べ比べを楽しみたい」という方には、小分けの「ウメボシカルタ」がオススメ。

「ウメボシカルタ」は12種類の中から3種類を選べて1,200円。美味しかった梅干しをもう一個買うのもよし、チャレンジできなかった梅干しを買ってみるのもよし。自宅でも食べ比べが楽しめますよ。

梅干しを立ち食いスタイルで楽しめるという面白さもさることながら、普段何気なく食べている梅干しの奥深さも感じることができる「立ち喰い梅干し屋」。梅干し一つとっても甘いものやすっぱいもの、辛子やフルーツと合わせたものなど個性豊か。是非、立ち寄ってみてください！