幸福論 3

一昨年から始まった３人の作家による展覧会シリーズ「幸福論」（On Happiness）。並列的な3人展ではなく、コラボレーションとして作り上げるため、そのテーマを巡って議論を交わすうちに、或る、ありふれた一つの問い、「幸福とは何か」が浮かび上がってきました。歴史上あまたの哲学者、文学者などによって語られてきた深遠な問題であると同時に、およそ世界中の誰であれ、その問いについて感慨を持たない人はいないでしょう。しかしいざ作品の制作となると、その方法においても、具体的な内容においても、このテーマが内在するようになるには、長い道のりが必要だと感じられるのでした。そして一つひとつの展覧会は、「幸福」についてお互いの思考を往復書簡のようにかわしながら、ともにする旅の一里塚となっていくのでした。