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先日献血ルームで何気なく手に取った『こち亀』の単行本。
そのまま献血中に読んで気づいた。あらゆる本、書籍、私が一冊きっちり読み切ったのは21世紀に入って初めてだと。
こち亀が読書かどうかはさておき、そんぐらい本と無縁なのであります。誇らしげに言うことではありませんが。

そんな調子なので、竹久夢二と聞いて、あの美人画を思い浮かべることはあっても、文章を残していたのは全く知りませんでした。
きっかけは先月都内のある場所で行われた朗読コンサートで竹久夢二の『日輪草』という短編を聴いたことにはじまります。感受性などカメほども持ち合わせてない私ですが、日輪草、向日葵、ヒマワリ…ぼんやりとしたものが残り。
物語の舞台となった場所はおおよそ知ってるが、ヒマワリは一週間もすると姿形を無くしてるかもしれない。じゃあ早めに探しに行こうとなったのであります。

もちろん夢二の描写した時代と今とでは大きく様変わりしてしまったでしょうし、この短編が事実か創作かも定かではありませんが、野暮なことはヌキで涼みがてら探索してみっかということです。

急に思い立ったのでろくに下調べもせず出掛けたのは毎度のパターンですが、記憶に残っていたキーワードは「学校」「電車道のポイントマン」、そして「清水谷公園」。
学校とは千代田区立麹町中学校のことだろう。電車道は都電、とするとポイントマンとやらは三宅坂JCTあたりで交通誘導をしていた感じ。
ほぼエリアを推測したところで清水谷公園ときた。ここなら不意にヒマワリが咲いてても自然であります。よっしゃ清水谷公園だ。

ということでまずは弁慶橋を渡って紀尾井町通り(清水坂)を進みます。
かつては武家屋敷が立ち並び、『日輪草』の主人公・熊吉は毎日この辺一帯に水を撒いていたという。熊サン、今日は見あたりませんが、しかし彼が仰いだ夏の陽射しは昔も今もそう変わらないでしょう。
程なくして清水谷公園に到着。キョロキョロとヒマワリを探すもまったく見あたらない。う〜ん、そうだよな、以前も見かけた記憶ないし、でも1本ぐらいと思ったんですが…それとも既に終わっちゃったのかな。残念。

折角なので池の周りから散策してみる。
そもそも清水谷とはその名の通り清水が湧き出た場所だったようで、現在は清水湧水井という「井」の字の井戸が復元されてて、そっちは涼しげでいいのですが、もっと地味な『江戸水道の石枡と木樋』というのを見っけた。いっぱい汲んで撒くための水ならこっちか。
この石枡、これまでさして興味を持って眺めたことはありませんでした。水撒人夫・熊サンの手がかりが見つかるかもしれん。
以下、解説のプレートから書き写し転載。

*****

江戸水道の石枡と木樋
 この石枡は、昭和45年(1970)の麹町通り拡幅工事の際に千代田区麹町3丁目2番地先の道路で出土した玉川上水幹線(本管)の一部です。
 江戸は、慶長・寛永期と時を経て人口が増加すると、小石川上水や溜池上水といった旧来の上水だけでは水不足となり、新しく玉川上水が開発されます。玉川上水は、承応2年(1653)に着工され、翌3年(1654)6月に、羽村出身の清右衛門・庄右衛門兄弟によって工事は完成したといわれます。この工事によって、羽村で堰を設けて多摩川の水を取水し、武蔵野台地の勾配を利用しながら四谷大木戸(現在の新宿区四谷4丁目)に至る43kmに及ぶ水道を造りました。四谷大木戸で石樋や木樋(もくひ)による暗渠となり、江戸城内をはじめ、麹町・赤坂・虎ノ門などの武家地や京橋川以南の町地にも給水されていました。
 発見された水道は、四谷門をわたり江戸城内に給水された玉川上水幹線で、図のように数段重ねた石枡に木樋を繋いでいます。このように当時は、所々に分水用や水道管理用、揚水用の枡などが設けられていました。この巨大な石枡は、江戸水道幹線の大きさを示すとともに、当時の都市施設の実態をしのばせてくれます。
 なお、石枡とともに出土した木樋は、区立四番町歴史民俗資料館で保管されています。

平成14年3月 建替

千代田区教育委員会

*****

※年号等一部表記を変えてます

「水を取水し」はさておき、清右衛門・庄右衛門兄弟以外にも工事に関わったであろう多くの関係者の偉業についても一言加えといてしかるべきと思いますが、ともあれ江戸時代からの水ルートが明治から大正期にも活用されていて、熊サンもこっちで汲んだ水を撒いていたのかもしれない。なるほど。なんとなく情景が浮かんできたような。

帰りがけ、赤プリ前に立っていたポイントマン、ならぬガードマンさんに「すんません、ここらでヒマワリ咲いてません?」と訊くも、「ま〜た面倒くせえのが来ちゃったな」という顔をせずに答えてくれましたが、まあ見かけないとのこと。しゃ〜ない。

帰宅して『日輪草』を読み返してみると、冒頭から「三宅坂の水揚ポンプ」とある。これがどこに位置していたのか不明ですが、樋の巡らされた要所にポンプがあったとするなら辻褄が合いそうな気がします。「寺内将軍の銅像」というのはその後、第二次大戦中の供出で鋳潰してしまったようですが。
ただし読み進めると「太陽が清水谷公園の森の向うへ沈んでしまうと、熊さんの日輪草も、つぼみました。」とあるので、ヒマワリが咲いていた「三宅坂の水揚ポンプ」は、もっとお堀寄りということになるか。くふぅ...


青空文庫
日輪草は何故枯れたか / 竹久夢二
http://www.aozora.gr.jp/cards/000212/files/46427_23641.html

千代田区立四番町歴史民俗資料館
http://rekimin.city.chiyoda.tokyo.jp/
「資料館展示室」というページに石枡と木樋を組み合わせたと思しき写真があります。

投稿日: 2009/8/17 12:00

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コメント(12件)

  • >kumakuma-worldさん
    知り合い宅の近所に公園があって、その片隅に下山総裁追憶碑というのを見つけてから興味を持ったんでして。
    その碑も今は人目に触れないような場所に移設されてるんですが、そこは常磐線のガード脇で、つまりそこが事件現場らしいんですよね。そんで気になって調べて、たまたま目にしたのがこちらのサイト。
    http://www.tokyo-kurenaidan.com/shimoyama1.htm
    読んでて、事件については知らないことだらけだったものの、舞台となったスポットや道は私も知ってるところばかりなので、以来日本橋の某デパートや大手町界隈とかを通ると何かメラメラと感じるものがあったりします。
    余談ですが正月に前述の公園の鉄棒の上で生尻を出してしまったことがあります←これだけだと状況が分かりにくいけど(笑)何か事件を呼ぶ磁場があるのかも。

  • おお、謀殺・下山事件!
    昔テレビの単発ドラマで見ました。興味あります!UP!UP!UP!
    脱踏切宣言、高架線化が進む昨今・・・寝てないで、急ぐべし!(`・(T)・´)9m

  • >WanderingSnufkinさん
    このペンギン軍団は池袋のサンシャイン水族館からやって来たようで、ぷりぷりと愛嬌を振りまいてました。係員に食って掛かってた(笑)
    やはり赤坂見附というだけあって、246の向こうとこっちでは雰囲気変わりますね。赤坂でもちょっと迷い込むと変わらない住宅地やお寺が残ってますが、それと開発されたブロックが隣り合わせしてるのがまたユニークです。

  • >cazcazさん
    私も本当は、自分の住んでるあたりやよく通るところにそういう文芸作品が関わってるとなると興味が大ありなんだけど、どうしても「本=眠くなる」には抵抗できないので、ちょっと惜しいとは思ってます。多少脚色されていたとしても、行政のホームページとかガイド本では知り得ないこともいっぱいありそうですしね。
    宮部みゆきさんという方は、時代モノを書かれてるみたいで、となると新旧の街の比較とか見所がいっぱいありそうですね。なにか発見があったらレポート下さい、って、ひたすら他力本願ですが(笑)
    私は...一度、下山事件の重要ポイントを歩いてみたいと思ってるんだけど、有名な松本清張とか他の書物とかで意見が大きく違ってたりするようなので、そこから掘り下げて自分なりのマップを作らにゃいかんのでしょうが...なにせ寝てしまう...

  • >kumakuma-worldさん
    いやいや、迷子してこそ発見できるものもあるはずで、見知った場所こそそれを見つけるのに苦労したりします。
    と適当に慰めとくとして(笑)、河口湖は釣りでしょうか。スケールは全然違うけど、うちらもガキの頃に近所の池でタナゴとか釣ってましたね。秋から冬、んで寒さで手がかじかんで近くの店でカップスター食べるんだけどこれが五臓六腑に染み渡るんだなぁこりゃ。ほうとうなんて贅沢なもんじゃなくていいから寒いとこで熱いもん食べるのは今の自転車趣味に通じる私のお愉しみダス。

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