vol.25 新橋文化劇場

 

vol.25 新橋文化劇場

今後もアクション娯楽路線を守り続けていきたい

vol.25 新橋文化劇場

ガードの上を走る電車の音がアクション映画にはほど良い効果音になる

JR新橋駅の烏森口を出て浜松町方面に目を向けると、レンガのガード下に「新橋文化劇場」「新橋ロマン劇場」という二つの映画館が並んでいるのが見える。館名は知らずとも“ガード下の映画館”としてここを認知している人は多いだろう。こうした高架下の映画館は全国を探してももうほとんど残っていないはず。そう考えると貴重な存在なのだ。

ここはもともと昭和32年にニュース映画の専門館としてオープン。翌33年に洋画の「新橋文化劇場」と邦画の「新橋第三劇場」が新設され3館体制に。そして昭和54年から洋画の「新橋文化劇場」邦画の「新橋ロマン劇場」という現在のスタイルに落ち着いたという。

今回紹介する「新橋文化劇場」は、基本的に娯楽アクション映画を2本立てで上映している。スカッとしたいときはやっぱり単純明快なアクション映画が一番だ。筆者も『真夜中の刑事/PYTHON357』(76)と『課外授業』(75)に始まり、『エイリアン2』(86)とジャッキー・チェンの『サンダーアーム/龍兄虎弟』(86)、最近では『フライト・プラン』(05)と『スカイ・ハイ』(05)『力道山』(04)と『コルシカン・ファイル』(04)などをここで見た。もちろんガード下だから電車が通ればゴーっという音がするが、アクション映画を見ているとさほど気にはならない。むしろ適当な効果音になると言ってはちょっと褒め過ぎか。何より街中で映画を見ているという気分に浸らせてくれるのがうれしい。

「新橋文化劇場」副支配人の遠藤健介さんに話を聞いた。「新橋という場所柄もあり、以前はサラリーマンのお客さまがメインでしたが、最近はシニア層の方も多くなりました」と遠藤さん。ここは入れ替え制ではないので、ちょっと映画が見たい気分になったら、いつでもふらっと気軽に入れるのがいい。そこがシネコンなどとは大きく違うところだ。入場料は900円で、女性、シニア、学生は800円。また700円の前売り券は購入した翌日から1カ月間有効とのこと。2本立ての料金としては都内では最安値なのではないかな。

vol.25 新橋文化劇場

新橋という場所柄もあり、サラリーマンたちの隠れ家的な側面も

遠藤さんは「うちは、B級の拾い物的な映画(あまりメジャーではないもの、ちょっと陽の当たらないもの)を選んで上映しています。お客さまの方もそういう映画を求めて来られるのだと思います。それらをメジャーな映画と組み合わせながらプログラムを組んでいます」と説明する。昔、新宿にあった「新宿ローヤル」を思い出すという観客も多いと聞いた。確かにあちらもB級娯楽アクション専門の映画館だった。懐かしいなあ。

ところが最近はそうした映画が少なくなったのでプログラムを組むのは結構大変らしい。「そこで旧作を入れてみたら、クラシック作品はうちのような“昭和の映画館”にはよくなじむし、お客さまの反応もいいんですよ。今年『預言者』(09)と一緒に上映した『死刑台のエレベーター』(57)は特に好評でした」と遠藤さん。さらに、今年一番入場者が多かったのはジェイソン・ステイサムとロバート・デ・ニーロ共演の『キラー・エリート』(11)と『ドライヴ』(11)の組み合わせだったそうだ。「ジェイソン・ステイサムは今、アクション映画ファンに一番受けている俳優。うちに求められているのはやはり昔ながらのアクション映画なんだと実感しました」。こういう話を聞くと、なんだかワクワクしてくる。男の血が騒ぐぜ。

「デジタル化が進むと、ロードショーで見逃したから名画座で見るというスタイルは崩れてしまうかもしれません。ですから、うちのように常連のお客さまが主体の映画館は、続けて見に来ていただけるように努力しなければなりません。他の名画座は週によってカラーの違う映画を上映しますが、うちはアクション映画一筋。その点では分かりやすいと思います。そうしたイメージを守りながら、これからも続けていきたいですね」。遠藤さん、ぜひアクションスター総出演の『エクスペンダブルズ』(10)と『エクスペンダブルズ2』(12)の上映をお願いします。

ここでの一本

11月17日から23日まで『地下室のメロディ』と『特攻サンダーボルト作戦
フランス製サスペンスドラマの名作と公開中止となった問題作の2本立て

新橋文化劇場では、11月17日(土)から23日(金)に『地下室のメロディ』(63)と『特攻サンダーボルト作戦』(76)を上映する。前者はジャン・ギャバン、アラン・ドロン共演のフランス製サスペンスドラマの名作。刑期を終えて出所した老ギャングが知り合った青年と共に周到な計画を立て、カジノの現金強奪を計画するが…。ジャズを基調にした音楽も印象に残る。後者は1976年に発生したエールフランス機のハイジャック事件とウガンダのエンテベ空港で繰り広げられた人質救出作戦を、チャールズ・ブロンソン、ピーター・フィンチ、マーティン・バルサム、ホルスト・ブッフホルツなど多彩なキャストの共演で描く。日本では『エンテベ急襲』というタイトルで77年に公開される予定だったが、政治的理由から公開中止となり、87年に初めて公開された。どちらも映画館で見るべき映画だ。

特攻サンダーボルト作戦

特攻サンダーボルト作戦
(11月17日~23日)

監督:アービン・カーシュナー
出演:チャールズ・ブロンソン、ピーター・フィンチ

1976年6月、多くのユダヤ人を乗せたエールフランス機がハイジャックされ、ウガンダのエンテベ空港に着陸。イスラエルのラビン首相(ピーター・フィンチ)は人質救出のために、ショムロン准将(チャールズ・ブロンソン)を司令官にした精鋭部隊を組織するが…。

映画館の基本情報

〒105-0004 東京都 港区 新橋3-25-19
TEL03-3431-4920
新橋文化劇場

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