箱根のポーラ美術館にて、「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」が開催されます。
◆[みどころ]
1.初公開作品10点とともに、印象派から現代美術までの展開をダイナミックに紹介
ポーラ美術館のコレクションには、モネ、ルノワールをはじめとした19世紀フランスの印象派や、スーラおよびシニャックに代表される新印象派、20世紀のフォーヴィスムや戦後の抽象表現主義など、近代から現代にかけての西洋美術の歴史をたどることのできる主要な画家の重要な作品が数多く含まれています。本展覧会では、ポーラ美術館の名品を中心に、近年新たに収蔵した10点の初公開作品を加え、近現代美術における「色彩」の変遷がダイナミックに紹介されます。
2.絵具の革新と色彩論の発達―絵画の歴史をひもとくキーワード
19世紀の初頭、フランスでは光の作用が引き起こす色を科学的に解明しようとする試みがなされます。これは、色を色相(青、黄、赤など)によって分類するだけではなく、明度や彩度といった新たな軸を用いて分析する「色彩論」が発達したもので、補色関係などの色同士の組み合わせや新たな色彩の効果が発見されました。こうした色の科学は現代のデジタル技術にも活かされています。さらに、19世紀半ばから科学の進歩によって登場した新しい絵具は、画家たちのパレットを豊かにし、色彩論に基づく理論上の色彩効果を画面上に実現させることに貢献しました。本展覧会では、近代から現代までの西洋絵画の色彩における革新の歴史をひもときます。
3.画家たちの新たな表現方法の探求に注目
20世紀前半のヨーロッパやアメリカでは、合成顔料の開発による彩度の高いあざやかな油絵具をはじめ、新たな人工素材であるアクリル樹脂を使用した絵具などの研究が進みました。戦後アメリカの抽象表現主義の画家たちは、そのような新しい絵具による表現の可能性を求めて、ポーリング(流し込み)やドリッピング(たらし)、ステイニング(染み込み)をはじめとするさまざまな技法を試みました。そこには、絵画における伝統的な手法から脱却し、イーゼルに向かって制作する従来の画家のイメージを覆しつつ、大型の画面を実現しようとする風潮もありました。新しい描法を駆使し、形式に収まらない自由で開放感のある表現は、現代の作家たちの作品にも受け継がれていきます。
4.現代の作家たちの新作を数多く紹介—これからのアートの可能性を探る
本展覧会では、近代から戦後の美術家たちの絵画にインスピレーションを受け、色を表現する素材や色彩構成の研究にいそしむ現代の作家たちに焦点をあてます。伝統的な色材や新たに開発された材料を選択し、それらを自由に組み合わせながら形式にこだわらずに独自の芸術を具現化しようとする作家たち。その一方で、もっぱら「用と美」の美意識にもとづく工芸あるいは色彩豊かな立体作品を手がけながらも、総合的な空間装飾への関心を背景として、素材の特性から立ち現れる伝統的な色合いをとどめた平面あるいは半立体の造形に美を求める作家もいます。彼らの色彩に向き合う姿勢や色彩を活かした創作活動から、これからの現代アートの可能性を探ります。
開催場所・
最寄駅
ポーラ美術館
強羅駅
所在地
〒250-0631
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
MAP
会場
ポーラ美術館 展示室1、2、3、アトリウム ギャラリー
開催期間
2024/12/14(土) ~ 2025/05/18(日)
時間
開始 9:00 / 終了 17:00
入館は16:30まで
料金・費用
入館料:大人¥2,200/大学・高校生¥1,700/中学生以下無料
障害者手帳をお持ちのご本人および付添者(1名まで)¥1,100 ※すべて税込 団体割引あり
公式サイト
※掲載内容が変更となっている場合があります。最新情報については、会場・主催者の公式サイト等でご確認ください。
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