残酷なおとぎ話が現実へと忍び寄る─マーティン・マクドナーの傑作『ピローマン』が、新国立劇場にて上演されます。
映画「スリー・ビルボード」「イニシェリン島の精霊」など、新作が公開されるたびにアカデミー賞を賑わせる、イギリス出身の鬼才、マーティン・マクドナー。劇作家としてキャリアをスタートさせ、演劇界・映画界の2つのジャンルで活躍する彼の代表作の一つがこの『ピローマン』です。架空の"独裁国家"で生活している兄と弟。作家である弟が書いたおとぎ話がやがて彼らの現実を侵食していく…。理不尽な体制の中で「物語」が存在する意義とは何かを問いかける作品です。
新国立劇場2024/2025シーズンのオープニングは、2004年のローレンス・オリヴィエ賞、04-05年のニューヨーク演劇批評家協会賞を受賞した、このマクドナーの傑作を、新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子の翻訳・演出で上演されます。今回の上演に至った発端はコロナ禍。小川が縁のある俳優たちに声をかけ、それぞれが読みたい戯曲を持ち寄り、オンラインで読み合わせの会を行っており、その中の1つに『ピローマン』があったといいます。小川は、コロナ禍では、演劇を含めた芸術文化全般が社会や人とどう繋がっているのかということを強く意識させられたと振り返ります。そしてそのパンデミックを経て、この『ピローマン』という戯曲には「物語が存在することの意味や意義とは何か」という問いが色濃く内包していると改めて感じたといいます。小川は、2013年に同作を演出しましたが、コロナ禍での気づきを経て、今回の上演ではコンセプトなどを一新。なぜ物語が必要なのか、そして物語が存在する意義に重きを置き、同作に再び挑みます。
今回の上演にあたり、小川が信頼を寄せるキャスト6名が揃いました。弟の作家カトゥリアンを成河、その兄ミハエルに亀田佳明。2019年上演の二人芝居『タージマハルの衛兵』で初共演にも関わらず、息の合ったコンビネーションを見せた二人が、再び小川のもとに集結します。ほか、兄弟を尋問する二人の刑事、トゥポルスキを斉藤直樹、アリエルに松田慎也。そして兄弟の父母を大滝寛と那須佐代子が担います。暴力や凄惨な描写の中に共存するユーモア…マクドナーらしさがふんだんに詰まった本作は、観客のみならず、物語の語り手であるクリエイターたちをも魅了してきました。2003年のイギリスでの初演から20年以上経ちましたが、コロナ禍という未曾有の事態を経た「今」だからこそ、私たちに強く響く、この“物語のための物語”。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
作:マーティン・マクドナー
翻訳・演出:小川絵梨子
美術:小倉奈穂
照明:松本大介
音響:加藤 温
衣裳:前田文子
ヘアメイク:高村マドカ
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:下柳田龍太郎
主催:新国立劇場
【キャスト】 成河、亀田佳明、斉藤直樹、松田慎也、大滝 寛、那須佐代子
◆目や耳に障がいのある方への観劇サポート
本公演では視覚・聴覚に障がいのある方へ、観劇サポートが提供されます。
※サポートは無料。要予約、定員あり
・視覚障がいの方への開演前舞台説明会&リアルタイム音声ガイド
①10月19日(土) 13:00 開演
②10月21日(月) 14:00 開演
③10月23日(水) 14:00 開演
・聴覚障がいの方へのポータブル字幕機の貸し出し
①10月20日(日) 13:00 開演
②10月23日(水) 14:00 開演
※内容の詳細は公式サイトをご確認ください。
開催場所・
最寄駅
新国立劇場
初台駅
所在地
〒151-0071
東京都渋谷区本町 1-1-1
MAP
開催期間
プレビュー公演:2024/10/03(木)、10/04(金)
本公演:2024/10/08(火)~10/27(日)
申し込み
【一般発売】2024年8月10日(土) 10:00~
料金・費用
A席 7,700円/B席 3,300円/Z席(当日)1,650円
プレビュー公演:A席 5,500円/B席 2,200円/Z席(当日)1,650円
問い合わせ
チケット申し込み・お問い合わせ 新国立劇場ボックスオフィス
03-5352-9999
https://nntt.pia.jp/
備考:10:00~18:00
公式サイト
※掲載内容が変更となっている場合があります。最新情報については、会場・主催者の公式サイト等でご確認ください。
お気に入りに保存しました
お気に入りから削除しました
お気に入りの保存に失敗しました
閲覧履歴をすべて削除しました
メールアドレスを変更しました
パスワードを変更しました
好きなエリアを変更しました
好きなカテゴリを変更しました
認証コードを再送しました
クレジットカードを変更しました
にエントリーしました
処理に失敗しました