第3回「TCAA 2021-2023」受賞者の志賀理江子と竹内公太による受賞記念展。
東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者の作品は、その方向性は違えども、共通の認識を持ち、ある部分では作品が重なり合うように展示空間を構成します。
志賀は映像による新作を中心に、2011 年の被災後から突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉え直しました。東京から三陸、青森の太平洋側先端までの沿岸部の地図を土台とし、コラージュなど、震災後の 12 年間を、刻々と変化し続ける自身の内面や思考も含めて可視化することを試みます。
竹内は、リサーチを続けてきた第二次世界大戦末期の日本軍の兵器「風船爆弾」について、アメリカでの更なるリサーチを経て、実寸大の風船による新作インスタレーションを発表します。また、2011 年の震災の余波により、建物の保存が叶わなかったいわき市の劇場「三凾座(みはこざ)」が解体される様を作品とした《三凾座の解体》(2013)と合わせて展示することで、本展での鑑賞体験は、アーティストが過去の出来事に憑依することで作品が生まれ、鑑賞によりその作品に憑依することで作品が成立する、過去の出来事–アーティスト–鑑賞者の「憑依の連鎖」を成すものとなります。
展覧会では各種イベントを開催予定。詳細は公式サイトにてご確認ください。
■志賀理江子 プロフィール:
1980 年愛知県生まれ、宮城県在住。2008 年に移住した同地で、その地の人々と出会いながら、人間社会と自然の関わり、死の想像力から生を思考すること、何代にも溯る記憶などを題材に制作。東日本大震災における社会機能喪失や、厳格な自然法則による体験は、その後、戦後日本のデジャヴュのような「復興」に圧倒されるという経験に結びつき、人間精神の根源を、さまざまな制作によって追及している。
■竹内公太 プロフィール:
1982 年生まれ、福島県在住。パラレルな身体と憑依をテーマに、時間的・空間的隔たりを越えた活動を展開する。建築物、石碑、彫刻、公文書、郷土史家や目撃者のインタビューといった人々の記憶に触れながら、地図、ストリーミング映像、UAV カメラなどの多角的な視点で、メディアと人間との関係を探る。
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