ギャルリーためながにて、現実ではありえない空間を超写実的に描き、現代スペインリアリズムを代表する作家 ロレンツォ・フェルナンデスの個展が開催されます。
東京では4年ぶりの個展となる本展。ギリシャ神話にインスパイアされた作品が加わり、より一層ドラマチックなストーリー性が際立った新作を含む約40点を展覧。フェルナンデスは14歳から学んだスペイン伝統のバロック絵画技法をもとに、独自のリアリズムを確立させました。細部まで緻密に描かれた画面は一見すると写真のようですが、非現実的な焦点のぼかしや複数の視点を組み合わせた構図によって、写真では表現しきれない現実を超越した空間を生み出しています。
また、モチーフは身近なものでありながら、その一つひとつに象徴的な意味が込められ、見る者を深く考えさせます。ギリシャ神話シリーズ「孤独への恐れ/ミノタウロス」では、牛とゴリラのおもちゃをミノタウロス、背後の写真を美の女神ヴィーナスに見立て、美の対極の存在として描かれています。貝殻は彼が閉じ込められている迷宮を囲む海、毛糸玉は勇者テセウスを導く道しるべというように、神話のエッセンスが散りばめられ、青や紫、茶色が彼の威厳と、孤独から救われる未来への希望をも感じさせます。モチーフの意味を考察する楽しさもあれば、神話の時代から現代に通じる普遍的なテーマを見つめるきっかけにもなるだろう。
この機会に、私たちの日常の中に新たな気づきやドラマを吹き込むロレンツォ・フェルナンデスの作品の数々を楽しんでみてはいかがでしょうか。
◆ロレンツォ・フェルナンデス Lorenzo FERNÁNDEZ
1970年、スペイン・マドリード生まれ。14歳からスペイン伝統のバロック絵画を学び、1993年にはコンセプチュアル・アート(概念芸術)の第一人者ペドロ・カルヴァンに師事しました。伝統と現代性をあわせもつ独自の画風を確立し、2006年ギャルリーためながパリでの初個展を皮切りに、世界各国のアートフェアに参加するなどグローバルに活躍しています。彼の作品はスペインの美術館や財団、日本の地中美術館(香川・直島)にも収蔵されており、世界中から高い評価を受けています。
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