2015/12/13 12:30

能町みね子の東京妄想デートvol.12 中野ブロードウェイデート

 

文筆業兼イラストレーターの能町みね子さんが、好みの男性とともに“妄想上で”完璧なプランのデートをする「東京妄想デート」。これを見てあなたの実在するステキなダーリンと実際に同じようなデートをするもよし、あなたもあなたの「妄想デート」をするもよし!?


上京直後の室内デートに中野ブロードウェイ

♥梅雨時期は室内で過ごしたい。ずーっと室内にいながら、どっぷりコアな趣味にも浸かりつつデートを楽しめる場所と言えばどこでしょうか?もちろん、中野ブロードウェイですよね!(異論は認めない)

今回の私は田舎から……そうさなあ、やっぱり青森がいいねえ、青森からなんとなく東京にあこがれて、専門学校進学とともに東京に出てきたばかりの19歳でございます。

若さゆえ、ついつい学校をサボってバイトや遊びのほうに精を出してしまうけしからん未成年。田舎のおかーさん、ごめん。新高円寺の狭っくるしいマンションに住んで、自転車でせっせと阿佐ヶ谷の喫茶店に週3で通ってバイトしてんだ。そんで私はバイトの先輩と結構いい感じになっててね。てへ☆

早稲田に通ってて、いま3年生なんだと。頭いいんだなあ。彼から、バイトのない土曜日に一緒に中野ブロードウェイに行こうって誘われたんです。私は西荻とか吉祥寺は行ったことあるんだけど、中野ってまだ降りたことなかった。

♥中野駅で待ち合わせ。北口のアーケードをひたすらまっすぐ行くと、いつのまにかモールの建物の中に入ってる。ここがブロードウェイなんだ。

彼は並ぶ店には目もくれず、ひたすら直進してエスカレーターをのぼると『まんだらけ』が現れました。あ、ここは聞いたことある。マンガ専門の巨大古本屋さんだよね、まずはここ……と思いきや彼はそこもスルーしてさらに奥へ奥へと進む。薄暗い通路の果てまで来て、やっと、とても小さなお店に入りました。

「『タコシェ』にはたまに来ないと気がすまないんだよ」。ここは「タコシェ」といい、マンガからCD、雑貨まで、主に自主制作モノやインディーズモノを扱っているお店でした。彼は私の知らないマニアックなマンガや音楽をよく知ってて、教えてくれるんだけど、情報源はこういうところにあったんだ。

♥青森にいたときは、こういうことには私が周りでいちばん詳しいと思っていたけれど、やっぱり東京に来たらいろんなことを知ってる人がいるんだなあ。私は本棚を眺めていろんなことに興味を引かれながらも、ほんとは、彼が何に興味を引かれているかのほうが気になる……。……ってこれ、甘酸っぱすぎて自分にダメージ大きいので中止!

でも中野ブロードウェイは、こんなもんじゃなく探索し甲斐あります!



文・イラスト:能町 みね子さん


能町 みね子さん
能町 みね子さん

能町 みね子さん

文筆業兼イラストレーター。「オカマだけどOLやってます。」でデビューし、近刊に「『能町みね子のときめきデートスポット』、略して 能スポ」(講談社文庫)「ときめかない日記」(幻冬舎文庫)など。「久保みねヒャダ こじらせナイト」にも出演中。
https://twitter.com/nmcmnc

※この記事は、レッツエンジョイ東京のフリーペーパー「東京トレンドランキング」2012年6月号(5/20発行)に掲載されたものです。
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