2014/9/25 18:00

行動範囲がぐーんと広がるポタリングデートの魅力

 

“ポタリング”というと何か特別なことに聞こえるが、ようは“自転車でぷらぷらと散策を楽しむ”こと。英語のpotter(ぶらつく、ぷらぷらする)から派生した言葉。それなら、“ポタリング”なんていう言葉が生まれるずっと前から私たちもやっているかも!という人も少なくないはず。そんな気軽で身近な自転車散歩デートの楽しさを探ってみよう。

風を感じて駆け抜ける心地よさ、新たな発見に会話がはずむポタリングデート

お天気のいい休日、ちょっとポタリングでも楽しもうかというのが杉山崇さん(44)、崇子さん(41)夫妻。大学教授である崇さんは、仕事柄あまり身体を動かす機会もないので、自転車で町中を散策するポタリングは休日のよい気分転換。手軽にできる運動不足解消にもなるので、時々崇子さんを誘って出かけている。

崇さんの提案で、今日は以前から気になっていた谷中の「tokyobike」へ。東京を走るために造られたオリジナル自転車「トーキョーバイク」は、自転車好きにはちょっと知られた存在。谷中店ではレンタルサービスを行っているというので、乗り心地を試しにやって来たという次第。スタッフの説明を受けながら、それぞれ今日の相棒をセレクトしたら、早速ポタリングのスタート!

谷中、根津、千駄木を総称して谷根千で知られるこのエリアは、下町風情が楽しめる人気の散策スポット。寺町である谷中界隈には情緒溢れる古い町並みが残り、ちょっと足を伸ばせば上野までもすぐなので、外国人観光客にも人気だ。移動がスムーズな自転車を使えば、下町情緒溢れる町中散策から美術館や博物館めぐりまで時間を有効に使えるため、恰好のポタリングスポットとなっている。

木造の古い建物が並ぶ谷中の道筋には、昔懐かしの煎餅屋や一風変わったギャラリー、お洒落な雑貨ショップなどが点在する。どこを切り取ってもフォトジェニックな風景に、崇子さんもご機嫌。見慣れない景色を眺めながら自転車で知らない町を散策するのは、何に出会えるかわからない期待でなかなかわくわくするもの。ふたりのどちらかが気になるショップやポイントを見つけたら、すぐに自転車を停めて中を覗けるという気安さもポタリングならでは。

なんとなく曲がった角の先に現れたのは、まるで江戸時代にタイプスリップしたような風情溢れる土壁の風景。普段は見慣れぬ風景に思わず歓声をあげるふたりだが、これは、200年以上も前に造られたという観音寺の築地壁。京都ではよく見られるものだが、この辺りではちょっと珍しい。

赤穂浪士に縁がある寺としても知られるこの観音寺は、住職の縁者が赤穂浪士のひとりだったため、しばしば吉良上野介襲撃のための作戦会議に使われていたのだそう。また、すぐそばにある天王寺の柱には、今でも戊辰戦争の際の弾丸跡が残り、谷中霊園には徳川十五代将軍慶喜の墓もあり、歴史散策が楽しめるのもこのエリアの魅力だ。お寺や歴史が好きなカップルには恰好の散策スポットが点在する。


まるで谷中の住人になったような気分で自転車を漕ぐふたりが次に見つけたのは、銭湯をリノベーションしたらしい建物。「SCAI THE BATHHOUSE」は、築200年の由緒ある銭湯「柏湯」をリノベーションした現代アートギャラリー。アート好きな人の間では有名な存在で、わざわざ遠くから訪れる人も少なくない。雑誌で紹介されているのを見たことがあるという崇子さんと、きわめてユニークなギャラリーの風貌に感心する崇さん。普段自分たちが住む町とまったく異なる風景は、行く先々で新しいものを見せてくれるので、まったく退屈することがない。

そして、そろそろ崇子さんがちょっと休憩したいかも?と思った崇さんの目にとまったのは、たいやきの文字。谷中にぴったりなおやつタイムだ。店先のベンチで焼きたてのたいやきをいただきながら、これからの作戦会議に興じるふたり。上野公園でのんびり過ごすのもいいし、このまま浅草まで行ってそこで何か食べるっていうのもいいね。思い切って、スカイツリーまで行ってみる? せっかくだからもうちょっと谷中界隈を散策もしたいな…etcと、互いにアイディアは尽きない様子。


悩んだ末、とりあえず、谷中銀座を散策してみることに。谷中銀座で何かちょっと美味しいものをつまんで、それから浅草の方にでも行ってみようと相談が決まったよう。
普段、歩いてこの界隈を見てまわっている時よりも、なんとなく土地勘がついたというのはふたりの共通の意見。自転車で走っているうちに、今までまったく把握していなかった谷中界隈の地理がちょっとわかったのだそう。

狭い東京、自転車さえあれば意外とどこにでも行ける、というのは実際に経験した人たちの意見だが、やってみると思っていたよりもずっと楽チンだし、すごく楽しいのだ。自転車じゃないと通れない小さな路地を通ったり、わざと遠回りしてみたり。時に道に迷うのだって、思いがけない発見や出会いのきっかけとなったりするのだから、面白い。パートナーと一緒なら、新しい発見や目にしたことを色々とおしゃべりしながら散策できるのも魅力。なんといっても、自転車で出かけることで、こんなにも行動範囲が広がることが一番新鮮。今度の休日はパートナーを誘って、気になる町へポタリングで出かけてみてはどうだろう?

[ 文:小林 繭/撮影:鈴木英乙]

今回紹介したお店の情報

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tokyobike gallery 谷中詳細を見る
TEL. 03-5809-0980
住所 東京都台東区谷中4-2-39
営業時間春夏11:00〜19:00、土日祝11:00〜18:00、秋冬12:00~18:00
定休日水曜、木曜(祝日の場合は営業)
最寄駅 日暮里

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SCAI THE BATHHOUSE詳細を見る
TEL. 03-3821-1144
住所 東京都台東区谷中6-1-23柏湯跡
営業時間12:00-19:00
定休日展覧会期中の日・月・祝日
最寄駅 根津 / 日暮里

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住所 東京都台東区谷中7-18-14
最寄駅 日暮里

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