全国の豆腐店を旅するライターがナビゲート!

豆腐マイスターのくどうしおりです。年々減少しつつある「町の豆腐屋さん」を応援するべく、全国各地の豆腐店の魅力を発信しています。


今回わたしがご紹介するのは、「できたてほやほやの豆腐を買うならココ」という、大田区武蔵新田の豆腐店です。

ほっとする美味しさ!1日の疲れを癒やす「できたておぼろ」/豆富司 みしまや

東急多摩川線・武蔵新田駅から徒歩10分弱、駅前の商店街をひたすら進み、破魔矢(はまや)発祥の地といわれる「新田神社」を通り過ぎると「豆富司 みしまや(トウフシ ミシマヤ)」にたどり着きます。

武蔵新田「豆富司 みしまや」豆腐マイスター・工藤詩織のイチ推し。_935233

こちらへ出向く際のお目当ては、火曜・木曜・金曜の週3日、夕方から販売される「できたておぼろ」です。


「おぼろ豆腐」とは、豆乳ににがりを加えて軟らかく固めたものを、そのまますくい上げて食べる豆腐を指します。ほろほろとした繊細な見た目と食感が、「おぼろ月夜のぼんやりとした状態」に似ていることが名前の由来です。


豆腐店では通常早朝に豆腐を製造し、冷蔵ケースで冷やした状態の豆腐を売るのが定番です。


しかし、豆富司 みしまやさんの「できたておぼろ」は、店主の小川晃一さんが「お客さんが夕ご飯でできたての温かい豆腐が食べられるように」と、夕方の帰宅時間帯に合わせて作り始めた豆腐。職人の粋な心遣いから生まれた商品なのです。

武蔵新田「豆富司 みしまや」豆腐マイスター・工藤詩織のイチ推し。_935234

夕方17時頃。店主の小川さんが寸胴鍋いっぱいに固められたおぼろ豆腐を持って店先に現れます。注文を受けると蓋を開け、「坊主」と呼ばれる大きなおたま状の道具でホカホカかつプルプルの豆腐を器に盛り付け提供してくれます。


サイズはどんぶりサイズの大(470円)と、お茶碗サイズの小(370円)から選べます(写真は大サイズ)。一人でも、複数人でシェアをしても、楽しめます。ちなみにわたしは一人で大サイズを平らげます。

武蔵新田「豆富司 みしまや」豆腐マイスター・工藤詩織のイチ推し。_935235

「できたておぼろ」を手に入れたならば、まずはスプーンですくってそのままひとくち召し上がってみてください。


湯気とともにふんわりと国産大豆の香りが立ち、口に含めばほろほろと崩れ、栗のようなほっこりとしたやさしい甘みを感じます。作りたての豆腐が持つ香りと味わいを感じていただきたいです。


アレンジを加えるならば、出汁醤油やめんつゆ、塩とごま油などがオススメです。さらに温めた麻婆豆腐の素や、きのこや野菜を加えたあんかけを上からかければ、立派なおかずが完成です。


こうしてひとくち、またひとくち、と食べ進めると、いつの間にかどんぶり一杯分の豆腐を完食しているはず。


とりわけ豆腐が大好物というわけではない方も、「あれ、こんなに豆腐ってバクバク食べられるものだったっけ??」と驚くかもしれません。

武蔵新田「豆富司 みしまや」豆腐マイスター・工藤詩織のイチ推し。_935236

何よりわたしにとっての癒やしは、「できたておぼろ」と一緒に受け取る「お疲れさま。おかえりなさい」という店主・小川さんの優しい気遣いの一声とスマイルです。


取材時に、「美味しい豆腐を作ることは豆腐職人として当たり前。お客さんが喜んでくれるような“届け方”を考えないとね」と語る姿が印象的でした。


地域に深く根付く豆腐店として、お客さん一人一人とのコミュニケーションも忘れない。そんな豆腐店が届けるできたての味に、身も心もほかほかな気持ちになること間違いなしです。


ぜひ、ここでしか味わえない至福の一杯を体験してみてください。


ちなみに火曜・木曜はみしまや店頭で17時から、金曜は武蔵新田駅改札前の飲食店の軒先で17時30分からと販売場所や時間が変わるので、来店の際はお気をつけくださいね。

豆富司 みしまや

所在地:東京都大田区矢口2-5-14

電話番号:03-3759-7750

最寄駅:武蔵新田

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※本記事内の情報は2022年11月25日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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