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激辛タンメンに激辛たい焼き!芝の「激辛ストリート」で世界一辛い唐辛子を食べあるこう

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寒いときはぽかぽかと体を温め、暑いときはスッキリと汗をかける“激辛料理”。激辛は人を魅了し、人は激辛に挑戦し続けるが、なんと「激辛ストリート」を名乗る商店街が芝にあるという。こちらの商店街の飲食店20店舗以上が世界一辛い唐辛子“ブートジョロキア”をつかった料理を出しているとのことで、今回はその「激辛ストリート」へ、果敢に挑戦してきた。

Date2017/03/24

エリア
芝公園

激辛ストリート



都営三田線・芝公園駅から徒歩2分とのことにある芝商店街は、「激辛ストリート」を名乗っている。というのも、この商店街の飲食店20店舗以上が、世界一辛い唐辛子ブートジョロキアを使った料理を出しているからだ。

このブートジョロキア、唐辛子の辛さの単位・スコヴィル値を測るとハバネロの2倍、タバスコの200倍の数値を叩きだすモンスターっぷり。激辛ストリートのかたわらにそびえたつ東京タワーさえも、なんだか大きな唐辛子にみえてくる。


激辛ストリート



恐ろしい激辛情報とは裏腹に、かわいいらしい「激辛ストリート」ののぼりがあちこちに立っている。


「辛うま」と「キケン」が潜むゲキ辛タンメン/生駒軒

生駒軒



生駒軒



1軒目に選んだのは中華料理屋「生駒軒」。
皮張りの渋いソファー席と座布団敷きの小上がりがある昔ながらのお店だ。


生駒軒



こちらのジョロキアメニューは「ゲキ辛タンメン」(790円)。0.1刻みで辛さを決められ、最大は5辛まである。

レベル1は「辛うま」、レベル2は「カッラー」、レベル3は「ヒー、いたい」と解説もユーモラスだが、レベル4、5は「キケン」と淡白。このそっけなさが逆に恐ろしい。5辛には小さなコーヒースプーン5杯分のジョロキア粉末が入っているとか。

「なんだ、たったの5杯か」と躊躇なく5辛を注文したところ、店員さんからけげんな表情で「昼休みに食べて、あとの仕事に支障のない限界はせいぜい0.5辛~1辛ですよ」と注意をうながされた。


生駒軒



待つことしばし、出されたのがこちら、ゲキ辛タンメンの5辛。

さんざん脅かされたわりに、ぜんぜん辛そうじゃない。もっとこうスープが真っ赤だったり、刻みトウガラシが浮いていたり、見るからに激辛という代物を想像していただけに拍子抜けだ・・・。


生駒軒



ブホッ!ブホッ!!

匂いをかごうとスープをすくい、無防備に湯気を吸いこんだとたん、猛烈に咳こんだ。蒸気にまぎれこんだ危険な粒子を、のどと鼻の粘膜が拒絶する。

つい今しがたまでの「辛い! ヤバい! といっても、しょせんは食品。楽勝だな」という甘い幻想が一気に吹き飛ぶ。


生駒軒



スープが辛み成分の本丸なので、麺から水分をよく払う。ひとまず様子見、かるくひとくち麺をすする。


生駒軒



ヒック!

するとどうだろう、麺を飲みこんだとたん、しゃっくりが出た。頭が辛さを認識するより速く、胃がジョロキアに反応した。

そして次の瞬間、いままで味わったことのない深く重たい辛さが全身を貫いた。

これまで食べてきた激辛メニューはひとくちめ、ふたくちめ程度は「あれ、こんぐらい?」と思わせてくれるものだった。食べすすめるうちに徐々に辛さが増していき、最終的に痛いという領域に到達する。

しかし、このタンメンはまったく別格。たったひとくちで耐えきれぬほど熱くて痛い。顔から汗が噴き出てくる。


生駒軒



コップの水を飲み干すが、水一杯でどうにかなるレベルではない。

水のおかわりをもらおうと店員さんを呼んだが、席に来るまでのほんの数秒が耐えられず、立ちあがり早足で自らコップを持っていった。小さなコップを持って店内を右往左往。とても写真映えするリアクションがとれる代物ではない。

この食べものはバラエティーではない、ドキュメンタリーだ。

ふと気がつくと隣のテーブルに座っていた会社員のおじさんに「辛すぎます!どうにかなりそうです!」とかなり大きめの声で話しかけていた。

普段知らない人に気軽に声をかけるなんてしないのだが、緊急事態に防衛本能が働いたのか我知らずSOSを発していた。

「そりゃそうだよ、1辛だってすごいんだから~」と微笑むおじさん。常連さんにとって、辛さにうろたえる人間は見慣れた光景なのかもしれない。


生駒軒



激辛タンメンから時間を置いて、「ゲキ辛マーボー豆腐定食 1辛」(920円)が運ばれてきた。

すっかり舌の味覚センサーが破壊されていたので、辛くないはずのシュウマイを食べても、辛くないはずのスープを飲んでも、辛い。当然、マーボー豆腐を食べてもやたら辛いので、1辛がどれぐらいのものか正常な判断ができなかった。

ひとくち食べてはひとやすみ、ひとくち食べてはひとやすみを繰り返していたら、雑談していたわけでもないのにあっという間に1時間たっていた。これほどの激辛でも、なかには平然とした表情でぺろっと食べきる人もいるらしい。

激辛タンメンを食べてから2週間以上経っているが、こうして記事を書いているとあの辛さがよみがえってきて、なんだか胃が熱い。

結論、おいしく食べるなら1辛まで。未知の領域を体験したいなら4辛以上に挑んでみてほしい。


生駒軒

住所:東京都港区芝2-28-18
電話番号:03-3451-1654





食欲そそるカレー味の激辛たい焼き/芝の寿堂

芝の寿堂



1軒目の激辛タンメンがあまりにも強烈だったため、2軒目は少しライトなお店を選んだ。たい焼き屋さんの「寿堂」だ。


芝の寿堂



通常のたい焼きのほかに、カレー味の「激辛たい焼」(180円)を販売している。

味が通常のたい焼きに移ってしまうのを避けるため、激辛たい焼きは別の型で作っている。そのため、注文から少し時間が必要だ。


芝の寿堂



芝の寿堂



生地の真ん中にジョロキアをつかったキーマカレーをたっぷり入れる。

寿堂はたい焼き屋なので、商店街ぐるみの取り組みである「激辛ストリート」に参加できないと諦めかけていたが、同じ商店街の定食屋「はらぺこ DINING」が、たい焼きに使える激辛キーマカレーを作ってくれたそうだ。


芝の寿堂



寿堂の店長さんは芝商店街の会長をつとめているとのことで、焼きあがりを待つ間に激辛ストリートの成り立ちをたずねた。

「激辛ストリートをはじめて今年で8年目。貿易をやってる知人がいて世界一辛い唐辛子が手に入るから、これで商店街を盛りあげようと提案したのがきっかけですね」

「すでに京都府向日市に激辛商店街っていうのがあって、辛1グランプリってコンテストを開いていた。そこで3位をとれたので、じゃあやってみるかと動きはじめました。激辛商店街って名称は商標登録されてて使えなかったから激辛ストリートにしたの」

雑誌やテレビ番組などメディアでたびたび取りあげられているので、取り組みの効果は上々といえるだろう。


芝の寿堂



お話をうかがっているうちに焼きあがった激辛たい焼き。おさえきれないカレー成分がウロコから染みでて少し黄色い。


芝の寿堂



さきほどのタンメンで辛さのK点を超えた身にとって、このたい焼きの辛さは川のせせらぎがごとき心地よさ、やすらぎ。ピリッとくる刺激を楽しみながらカレーパンのようにおいしくいただいた。

当初の予定ではあと数軒食べ歩こうと思っていたのだが、想像以上にタンメンのダメージが蓄積しており、この日はこれにて退散した。


寿堂

住所:東京都港区芝2-30-11
電話番号:03-3453-1616





ガツガツいける激辛ガパオ/アジアン食堂パクチー

アジアン食堂 Pakchee



激辛の洗礼をくらってから1週間後、舌も胃も全回復してから激辛ストリートを再訪した。まず訪れたのは「アジアン食堂 Pakchee(パクチー)」。


アジアン食堂パクチー



アジアン食堂パクチー



このお店には通常のガパオのほかに、ジョロキアをつかった「激辛ガパオ」(850円)がある。

こちらの激辛ガパオも辛さが3段階用意されているのだが、前回の反省を生かして1番軽めのものにした。あれだけ猛威をふるっていたジョロキアも少量であれば、ほどよい刺激。ガツガツとかっこんであっという間にたいらげた。美味しい辛さだ。


アジアン食堂 Pakchee

住所:東京都港区芝2-30-9 プロシード三田1F
電話番号:03-6809-6348





ボリュームたっぷりの激辛ざるそば/ざるそば屋

ざるそば屋



4軒目はボリューム満点の大盛りそばが特徴の「ざるそば屋」。お昼どきは腹をすかせたビジネスマンが列を作るほどの人気店だ。


ざるそば屋



こちらの激辛メニューは「辛ざる真紅」(850円)だ。


ざるそば屋



唐辛子入りのつけ汁に、冷たいおそばをつけて食べる。その名の通り、つゆが赤い。お肉や卵、ニンニクの芽がたっぷり入った、スタミナのつきそうなおそばだ。


ざるそば屋



辛いんだけど辛すぎるまで行かない良い辛味バランス。そばの量は多いがほどよい辛さで食欲が増して、スルスルいけてしまう。

もしもはじめに激辛タンメン5辛を食べていなければ「ジョロキアってこんなもんか」とナメていたかもしれない。

辛いのが好きな人から新しい味覚の世界をのぞきたい人まで、激辛ストリートはいろんな使い方ができる商店街だ。


ざるそば屋

住所:東京都 港区芝2-10-8
営業時間:03-5418-6773




※2017年3月24日の情報です。価格や内容は変更になる場合があります。




取材・文:松澤茂信

観光会社「別視点」代表。「東京別視点ガイド」書いてます。



撮影:齋藤洋平

観光会社「別視点」副代表。観光カメラマン。「東京別視点ガイド」書いてます。



(制作:編集プロダクション studio woofoo by GMO)






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