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【スイーツライターchico連載】「ホットケーキ つるばみ舎」でほおばる、黄金色のホットケーキ。

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連載「スイーツライターchicoの東京お菓子めぐり」は、スイーツをこよなく愛するライターchicoさんの目線で注目のお店をピックアップ。第8回は、経堂に2015年10月10日オープンした「ホットケーキ つるばみ舎」をご紹介!

Date2015/11/05

連載 スイーツライターchicoの東京お菓子めぐり

名店仕込みのカリカリふんわりな一枚。

まん丸で、こんがり黄金色。中央がふっくらと盛り上がる、絵に描いたようなホットケーキ。

周りのかりかりの香ばしさに、中のふっくら押し返すような弾力は驚くほど。愛すべき、美しくて素朴な1枚に久々に再会した。

前にこのホットケーキを食べたのは、梅ケ丘にあった「ホットケーキパーラー リトルツリー」でのこと。この店を営んでいた冬木透さん・麻依子さんご夫婦が、10/10にオープンさせた新天地がこの「つるばみ舎」。

植樹が趣味のお二人。新たなお店に名づけた「つるばみ」は、万葉集にも歌われているどんぐりの古名なのだそう。「どんぐりのように日常にあって、ほっこり心和ませるような存在になりたくて」と麻依子さん。

目指すは、毎日食べても飽きないホットケーキ。1枚から好きな枚数を注文できるし(1枚310円、2枚570円、3枚830円。4枚以上は260円/1枚)、テイクアウトもできるほか、トッピングも自家製りんごジャム(110円)からクリーミーマッシュポテト(160円)までさまざまに揃うのも、きっとそんな思いから。

透さんのホットケーキのルーツは、以前働いていたフルーツパーラー『万惣』にある。池波正太郎もそのホットケーキに惚れこんだ、今はなき名店の味をベースにしたオリジナル。

生地には茨城の奥久慈卵をふんだんに。その日の気温や湿度でタネの温度も銅板の火加減も調整し、6〜7分じっくり丁寧に焼き上げていく。配合、混ぜ方、焼く温度、焼き方……工程ひとつひとつの細やかな気遣いがあって初めて、表面さっくり中ふわふわエアリーの、幸せな食感が生み出されるのだ。ほっと郷愁誘う昔ながらの味わいでありながら、これはちょっとマネできない。

添えられるのは、ほどよい塩気のよつ葉バターに、黒くてツヤツヤの自家製メイプルソース。こんがり焼きあげた1枚にとろーりかけると、生地のコクをどこまでも深めてくれる。

香ばしい香りが立ち込める店内は、『リトルツリー』の頃より少しだけ広め。テーブルもカウンターも見事な一枚板で、カウンターは昔から日本に自生しているケンポナシの木、テーブルは桂の木だとか。BGMには奄美大島の虫の声や鳥のさえずりが聞こえてきて、経堂にいながら森のホットケーキ屋さんに迷い込んだ気分!

ホットケーキだけでなく、こんなかわいらしいパンケーキも。「フルーツミニパンケーキ」(620円)は、いわゆる、シルバーダラーパンケーキと呼ばれる、(シルバーダラー=1ドル硬貨みたいな)小さなパンケーキをたくさん並べたもの。シロップなどかけないで、バナナ、キウイ、ピンクグレープフルーツ、それに季節の果物を混ぜた「フルーツクリーム」をつけながらいただくのが、つるばみ舎スタイル。このクリーム、ゴロゴロ果物が入っていてとにかくフルーティーで、ホットケーキのトッピングとしても実は人気。

パンケーキとホットケーキの違いというと諸説あるけれど(違わない説まで)、ここでは、分厚くて表面がカリッと弾力ある、甘い生地を楽しむのがホットケーキ。パンケーキは発酵バターミルク入りで薄くて、表面までフワフワもっちり。どちらも同じ銅板で焼くのだけど、配合だけでなく銅板の温度ももちろん変えて。ホットケーキより高温でさっと焼いて、やわらかな食感を叶えていく。

つるばみ舎になってからの新作、フルーツサンドも忘れずに。
キウイ、バナナ、パイナップル、黄桃に、季節のフルーツ(今ならイチジク、もうちょっとしたらイチゴ)を、大胆に厚切りで。生クリームは35%と45%をブレンドした、重すぎず、でもコクがちゃんとある絶妙なバランス。特注のパンに規則正しく挟まれた姿は美しく鮮やかだ。
フルーツのみずみずしさと、それを包み込むようなまろやかなクリーム、しっとり柔らかなパン、その全てがとろけるよう!

ホットケーキは季節のトッピングも楽しみ。11月は、りんごキャラメリゼやカボチャシナモンが出ているはず。さらには土日祝のモーニングもスタート。卵料理を合わせたホットケーキや、フレンチトーストみたいに焼いたホットケーキなんてのも出すそう。つい、通ってしまう、日々に寄り添うホットケーキがここにある。



text / chico photo / Kayoko Aoki

SHOP DATA

ホットケーキ つるばみ舎
住所:世田谷区宮坂3-9-4 アルカディア経堂1F
最寄り駅:経堂

まだある!小田急線沿線の注目スイーツショップ

Patisserie PARTAGE

齋藤由季シェフのお菓子は、骨太でクラシックなフランス菓子ながら、女性らしい繊細な感覚が息づく。全体がマリアージュしながら、各素材の味が力強いのも魅力。7層が重なる「ソフィ」なら、ほんのりビターにまとめた味わいのなかでショコラやグレープフルーツが鮮やかに香り、フレッシュな余韻が続く。

Patisserie PARTAGE(パティスリー・パクタージュ)
東京都町田市玉川学園2-18-22
最寄り駅:玉川学園前

BeBe de la Patisserie Yu Sasage

千歳烏山の人気パティスリー「ユウササゲ」の2店目は小さなおやつ焼き菓子専門店。カステラやマフィンにドーナツまで、捧雄介シェフがフランス菓子の手法で仕上げた、繊細なおやつ焼き菓子が所狭しと。本店で出している生菓子の一部も楽しめる。

BeBe de la Patisserie Yu Sasage(ベベ ドゥ ラ パティスリー ユウササゲ)
住所:東京都世田谷区砧6-14-12
最寄り駅:祖師ヶ谷大蔵

Patisserie Le Pommier

フランス政府から国家功労章と教育功労章を授与されている、フレデリック マドレーヌシェフ。日本の青リンゴを使ったムースをフランス国土を表す六角形に仕上げた「ポミエ」は日仏を繋ぐよう。犬や干支をモチーフにした、愛らしいエクレールも人気。

Patisserie Le Pommier(パティスリー ル・ポミエ)
住所:東京都世田谷区北沢4-25-11
最寄り駅:東北沢

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chico

chicoさん

東京在住

プロフィール

スイーツのトレンドに精通し、雑誌、web、TVなどで活躍。『an・an』で「chicoのお菓子な宝物」連載中。共著『東京最高のパティスリー』(ぴあ)発売中。

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