イメージ

【スイーツ連載 Vol.4】「ドミニクアンセルベーカリートウキョウ」で味わう近未来スイーツ!?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連載「スイーツライターchicoの東京お菓子めぐり」は、スイーツをこよなく愛するライターchicoさんの目線で注目のお店をピックアップ。第4回は、ついに初上陸したNYの行列ベーカリー「ドミニクアンセルベーカリートウキョウ」をご紹介。

Date2015/05/28

連載 スイーツライターchicoの東京お菓子めぐり

世界を驚かせるお菓子の発明家、ドミニク・アンセルさんの店がいよいよ上陸!

今、あちこちで話題なのが「ドミニク アンセル ベーカリー」の上陸。もはや海外スイーツの聖地となった表参道で、ついに6/20オープン。内覧会でのメディアの数も熱気もほかにないほどで、注目度がとにかくすごい!

それもそのはず、NYソーホーの本店はニューヨーカーやハリウッドセレブが押し寄せ、連日行列が絶えない超人気店。そしてドミニク・アンセルさんといえばあの、クロワッサンとドーナツのハイブリッド、「クロナッツ®」の生みの親なのだ。

パリ北部に生まれたドミニクさんは、22歳にして「フォション パリ」の海外展開リーダーを務めた実力派パティシエ。その後フランス料理「ダニエル」のエグゼクティブペストリーシェフを経て2011年、自店をオープン。するとZAGATのBest Bakery1位など、瞬く間にさまざまなタイトルを受賞した。

「コンセプトは“ニュージェネレーションベーカリー”です」と、ドミニクさん。それは、独創的かつ斬新なアイディアで、常に新しいことにチャレンジしていく、ということ。NYの感覚を取り入れながら次々とくりだすアイテムは、これまでに思いもよらなかったもの。近未来のお菓子さながらだ。

NY同様、アイテムは6〜8週間もすれば2〜3割入れ替わる予定。さらに「“これでいい”はないからね」と、定番アイテムだってどんどんレシピが進化。一度ファンになったらもう目が離せなくなってしまうのだ。

世界的ヒット作、「クロナッツ®」(594円。1人2個まで)にしても、フレーバーは毎月変わり、2度と同じフレーバーを出さないという(今は北海道ハニーミルクガナッシュ、柚子レモンクリーム)。これなら何度でも、一期一会の喜びを味わえる。

日本でもクロワッサンドーナツから、ハイブリッドスイーツブームが巻き起こったのは記憶に新しいけれど、元祖はここ。真似たくなるほど斬新な、クロワッサン食感のドーナツというアイディアは、フランス出身でアメリカに店を構えるドミニクさんらしい、両国文化のハイブリッドなのだ。

やっと上陸したクロナッツをほおばると、外はカリカリ、中ふんわりで、意外なほど軽やか。タイム誌で「2013年の最も優れた発明品25」にも選ばれた、まさにおいしい発明!

この夏、日本でもブレイク必至と囁かれているのが、アイスクリームを包んだマシュマロを炙った「フローズンスモア™」(778円)。

注文してからバーナーで仕上げてくれた1本をかじると、薄くキャラメル化した表面はパリッ、もっちりマシュマロからアイスがとろ〜り。口あたりも温度も初体験のコントラストが広がっていく。

キャンプファイヤーでマシュマロを炙るのをヒントに生まれたお菓子だから、持ち手はスモークで香り付けした枝! 子供のころのあのワクワク気分も呼び起こしてくれるようで、新しいのになんだか懐かしい感覚。

暗号みたいなネーミングの「DKA」(594円)は、ドミニク・クイニーアマンの略。ブルターニュ伝統のクイニーアマンをドミニクさんのオリジナルレシピで焼き上げていて、カリッと香ばしく、濃厚ながら甘さ控えめ。

斬新なものに目が行きがちだけど、実はクイニーアマンやカヌレなどシンプルでクラシカルなお菓子も評判。実際、このDKAがNY本店の一番人気なのだそう。

これからの季節にぴったりなのが「ライムミーアップ」(734円)。ドミニクさんが愛するカクテル、ギムレットをイメージして作ったのだそう。

ライムムースのタルトの上にセットされている、ホワイトチョコレートのバトンにおさめたシナモンとブラウンシュガー入りの塩をかけて、ライムを絞ってと、自分で仕上げられるのが楽しい!

甘じょっぱさとライムとミントの爽やかさが心地よく、個性派の素材同士がすっとひとつにまとまる。まさにカクテル的な魅惑のバランス。

インパクトに満ちたドミニクさんのお菓子は、細やかな仕事でできている。なかでも、クリスマスツリーに飾る松ぼっくりのオーナメントをヒントに生まれたという、「ジンジャーブレッド パインコーン」(972円)の仕上げには驚いた。

小さなチョコチップを1枚1枚手で差し込んでいて、ひとつ仕上げるのにもこれはなかなか大変そう。手間を惜しまないってまさにこのこと、数分後には、見事な松ぼっくりが完成していた。

壊すのがもったいなくも、いただいてみると、無数のチョコチップがパリパリと軽快に砕けて、ナツメグとジンジャーの香りがふわりと鼻を抜けていく。クリスマスっぽい味だけど、スパイス好きならきっと、いつだって楽しみたいお菓子だ。

ニューヨーカーたちが夢中になっている「クッキーショット™」(518円。15時〜数量限定販売。1人2個まで)も上陸。注文すると、チョコチップクッキーでできたショットグラスにバニラミルクをなみなみと注いで完成する(テイクアウトではバニラミルクを別添えにしてくれるので、ご安心を)。

どう食べるかと言うと、そう、飲みながらかじっていくのが正しい作法。クッキーをミルクに浸してかじる、あの感覚になんだかホッとしてしまった。やっぱりドミニクさんも「パリからNYに来た時、みんなクッキーをミルクに浸して食べているのを見て」、そこからイメージを広げていったのだそう。

「自分の主張をよりも、その土地の文化になじむことが大事」と話すドミニクさん。クッキーショットやクロナッツみたいに、アメリカンカルチャーからインスピレーションを受けたお菓子を、これまでたくさん作ってきた。もちろんそのスピリットは東京でも。今度は日本文化を吸収してお菓子にアウトプット。そうして生まれた日本限定スイーツも8種登場している。

「パリス トウキョウ」(756円)は、パリブレスト(リング型シュークリーム)のアレンジ。抹茶ガナッシュの滋味に、バニラクリームとパッションフルーツジャムが華やぎを添えるよう。実はドミニクさん、週一で抹茶をたてていただいている(!)、という抹茶通なのだとか。

店内には日本の茶室を思わせる個室もあり、この部屋だけで食べられる「モンブラン ワガシ」(648円)なるお菓子まで用意されている。ドミニクさん、和菓子にとても興味をお持ちのようで、そういえば昨年、来日中のドミニクさんと和菓子を巡る取材をしたときも、職人さんに次々質問をしていたっけ。

和菓子の趣き漂うモンブランは、濃密な栗のクリームにオレンジコンフィが華やかで、お味はしっかりフランス菓子!

「ドミニクアンセルベーカリー」にはお店作りもお菓子作りも、おもてなし慣れした日本人も驚くほどのホスピタリティがある。たとえば定番のマドレーヌなら、オーダーしてから生地を型に流して焼いてくれる。

温かく、さっくりふわっふわの幸せ、お菓子を作る人の特権だったあの味わいをだれでも楽しむことができるのだ。

それに店内も独創的ながらとにかく居心地がいい。「フランス菓子店にありがちなシャンデリアで豪華に、とかいうのではなくて、気負わず来てもらえる、そしてくつろげる空間にしたかった」とドミニクさん。

お店に入るとまずひときわ目を引くのが、フランス出身のアーティストが手がけた、地下鉄路線図をデザインしたウォールアート。パリ、NY、東京の3都市の地下鉄をベースに描かれているそうだけど、よーく見てみると、ドミニクアンセルを象徴するメニュー名やおいしそうな言葉なんかが散りばめられていて、眺めるほどに面白い!

優しい光に包まれる2階は、ニューヨーカーもうらやむ、ドミニクアンセル初のレストランフロア。こちらは3都市の公園をイメージ。バニラの木やコーヒーの葉など、お菓子や料理と関係深いグリーンがそこかしこに飾られている。床のモザイクは木漏れ日のよう。

1階も2階もフロアとキッチンが一体になっていて、その仕切りのガラスも最小限。思いっきりオープンなキッチンだから、臨場感たっぷりにお菓子の仕上げに立ち会うことができる。それに、お菓子を作っているすぐ横で食べられる感じも、なんだか新鮮。

見て、聞いて、香りで、それからもちろん味や食感で。この店は、五感全部にお菓子の喜びと驚きを届けてくれる!


text / chico photo / Kayoko Aoki

SHOP DATA

ドミニクアンセルベーカリートウキョウ
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-14
最寄り駅:表参道、明治神宮前<原宿>

まだある!表参道の注目スイーツショップ

アントルメ・グラッセ(アイスケーキ)と生グラスの専門店。アントルメ・グラッセはアイス、ソルベ、生地を、味はもちろん口どけの順も考えて緻密に構成。アイスだからできる自在なフォルムも印象的。フレッシュな生グラスには希少な果物を使うことも。

※〜7/3まで改装のためクローズ。オンラインは営業中。

グラッシェル
住所:東京都渋谷区神宮前5-2-23
最寄り駅:表参道

元飴職人が手がける口どけよいキャラメルは、オレンジピール、ソルトなど全8種。フレーバーごとに砂糖の焦がし具合を変えて生み出される繊細な味わいは、専門店ならでは。スタイリッシュな店内で、ガラス越しにキャラメル作りが見えるのも楽しい!

ナンバーシュガー
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-11 1F
最寄り駅:明治神宮前<原宿>、表参道、原宿

NYでも行列ができる人気店の世界2店舗目。NY一との呼び声も高い、メープルバターでいただくパンケーキはフワフワでいてまわりはさっくり。なかでもソースだけでなく生地にもたっぷり混ぜ込んだブルーベリーが弾けるひと皿は、こちらの代名詞。

クリントン・ストリート・ベイキング 東京
住所:東京都港区南青山5-17-1 YHT南青山ビル
最寄り駅:表参道

BACK NUMBER

同じエリアの人気記事

chico

chicoさん

東京在住

プロフィール

スイーツのトレンドに精通し、雑誌、web、TVなどで活躍。『an・an』で「chicoのお菓子な宝物」連載中。共著『東京最高のパティスリー』(ぴあ)発売中。

この記事もおすすめ

あとで見る、とっておく

クリップクリップする

共有する・伝える