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【スイーツ連載 Vol.2】パリの老舗店「ベッジュマン & バートン」の香り立つ紅茶スイーツ。

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連載「スイーツライターchicoの東京お菓子めぐり」は、スイーツをこよなく愛するライターchicoさんの目線で注目のお店をピックアップ。第2回は、日本初のサロン・ド・テを併設するフランスの老舗紅茶店「ベッジュマン&バートン」をご紹介。

Date2015/04/30

連載 スイーツライターchicoの東京お菓子めぐり

香りに包まれゆるりと味わう、フレーバーティーとお菓子の幸せな関係。

六本木ヒルズにいくと、いまだに迷子になってしまう(それもまた、お店との思わぬ出会いがあって楽しいのだけど)。

でも「BETJEMAN & BARTON(ベッジュマン&バートン)」の新店舗はすぐわかった。「ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブション」のブーランジェリー前のエスカレーターを上がっていくと、ナチュラルで柔らかな香りが漂ってくるから。

パリで愛され続けること100年ほど。ダブリンとロンドンで紅茶を学んだアーサー・ベッジュマン氏が1919年、パリで紅茶専門店を開いたのが「ベッジュマン&バートン」の始まりだとか。

世界に先駆けて開発されたフレーバーは、一流のティーテイスターによる、秘伝のレシピ。その香りに魅了され、パリの一流レストランや5つ星ホテルがこぞって使うようになった。今や名実ともにフランスのフレーバーティーのトップブランドだ。

現在、お店はパリに2店舗。六本木ヒルズ店は、東京では丸の内に続く2店舗目として4月にオープンしたばかり。ここではショップに加えて、日本初のサロン・ド・テを併設。白木のテーブルが並ぶ店内は温もりがあり、広い窓には穏やかな光。ゆるりとした時が流れている。

バリエーション豊かなフレーバーティーはもちろん、お茶にあうお菓子や、茶葉をふんだんに使ったスイーツも楽しめる。お菓子は日本オリジナル、パリッ子もきっとうらやむ、世界でもここだけの味わいだ。

茶葉を使ったスイーツは、どれもアールグレイが使われている。日本でもお馴染みの、ベルガモット香るフレーバーティーの華麗な変身。

シュー・ア・ラ・クレーム(600 円)は、プレーンとアールグレイの2種。アールグレイを煮出した牛乳でクレームパティシエールを炊いていて、その華やかな香りごとシュー皮にとじこめられている。

齧るとサクッとハードな食感のクラシカルな皮から、クリームがぽってり。たちまち優雅な香りを放ちながらとろけてしまう。すっと消える上品な甘さはお茶ならではだ。

シュークリームだけはテイクアウトもできる(420円)。香りをたっぷり包んだ手みやげに。

チーズケーキ(プレーンとアールグレイのセット1000円)は、よく見るとちょっと変わったフォルム。横から見るとサブレ生地がU字状にチーズケーキを包み込んでいるのだ。お皿の色も手伝って、なんだか2艘の船が寄り添って浮かんでいるみたい。実はこれ、つまんで食べても手が汚れない工夫。

「難しく思われがちなお茶を、もっと気軽に楽しんでほしい」。そんな思いが見え隠れする。

アールグレイ味のほうはサブレ生地にも粉砕した茶葉を混ぜていて、上にかかったツヤツヤのナパージュまでアールグレイ。口どけの順に、豊かな香りが折り重なっていく。

なかでも驚かされたのは、アールグレイのプリン(600円)。プリンはもちろん、カラメルソースにもアールグレイを抽出したエッセンスが加えられていて、かけるとたちまち香りが相乗。舌にまったり、とろ〜り。滑らかにとろけ、ベルガモットの華やかさにすっかり包まれてしまう。

カラメルの方のお茶の香りはどこか凛とした印象があり、プリンの味わいをぐっと深めてくれる。

ほんのり温かいスコーン(プレーン&レーズン。1100円)は、表面かりかり中ほっくり。コアントローを混ぜたオレンジピールが添えられていて、これをつけるとパッと芳醇でフルーティーな味わいに。手作りのクロテッドクリームも乳味豊かな名脇役。

これはお茶を使っていないお菓子だけど、やっぱり紅茶にとびきり合う。

お茶はティーインストラクターの花田昌吾さんが、それぞれの茶葉や飲み方(メニュー)に合わせていれてくれた。店中に可憐で優雅な香りがたちこめていく。

茶葉はベストセラーのエデンローズ(ラベンダー、バニラ、ベルガモットにバラの花びらが入った、見た目にも華やかな香り高いフレーバー)はじめ16種。直接香りを試して選ぶこともできる。

どれにしようか迷ったら、花田さんやスタッフにひと声かけてみるといい。きっと好みや気分にぴったりの一杯を教えてくれる。

紅茶とお菓子のお得なセットもあり、もちろん、マリアージュもアドバイスしてくれる。

「アールグレイの香りのお菓子には、やはり同じ『アールグレイフィネスト』がよくあいます。より複雑なマリアージュを楽しむなら『エデンローズ』。口にいれるとすぐにバニラやラベンダーが広がり、続いてアールグレイと同じベルガモットが訪れます。実はエデンローズはほぼどんなお菓子にもあうんですよね」。さすがはベストセラーの懐深さ。

「シューやスコーンみたいなクラシカルなものには、『アッサム』や『ディブレイク』みたいなクラシックティーもおすすめです。特にスコーンみたいな食べ応えのあるお菓子には、ロイヤルミルクティーのようなしっかりしたものもいいですよ」。

香りの相性だけでなく、イメージや重さなどの似ているものをあわせると、お茶とお菓子が互いをひきたてあう。お茶とお菓子の幸せな関係に、気づけばすっかり癒されていた。


text / chico photo / Kayoko Aoki

SHOP DATA

BETJEMAN & BARTON(ベッジュマン&バートン)
住所:東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ ウェストウォーク4F
最寄り駅:六本木

六本木エリアの注目スイーツショップ

2006年にパリでスタートし、毎年新店舗を増やしている、パリで今一番元気なブーランジェリー&パティスリーの世界一号店。薄い生地に果物がどっさりのるタルト・フィンヌみたいなシンプルなお菓子から、洗練のプチガトーまで幅広いラインナップ。

メゾン・ランドゥメンヌ トーキョー
住所:東京都港区麻布台3-1-5
最寄り駅:六本木一丁目、六本木

仏ブルターニュ地方の町、キブロンの名店。特産のバターを贅沢に使った柔らかなキャラメルや、繊細な味わいのボンボンショコラなどがそろう。キャラメルを包んだクイニーアマンを買えるのは東京ミッドタウン店だけ。

アンリ・ルルー 東京ミッドタウン店
住所:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ガレリアB1F
最寄り駅:六本木、乃木坂

洋菓子の世界大会で優勝、受賞するパティシエたちを数々輩出してきたホテルのペストリーブティック。世界大会優勝作が並ぶことも。夏はベリーヌ、春はチェリーなど、季節の素材やイベントにフォーカスしたフェアも見逃せない。

フィオレンティーナ ペストリーブティック
住所:東京都港区六本木6-10-3 グランド ハイアット 東京1F ロビーフロア
最寄り駅:六本木

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chico

chicoさん

東京在住

プロフィール

スイーツのトレンドに精通し、雑誌、web、TVなどで活躍。『an・an』で「chicoのお菓子な宝物」連載中。共著『東京最高のパティスリー』(ぴあ)発売中。

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