ウ~Wow… 一人カラオケだからできるフェイク
新年の某日、別の取材で行った北千住にて「カラオケバンバン」を見つけた。出先の、知らないお店。この連載の一発目としてはベストです。
平日のお昼、お客はおそらく学生が少々。北千住の若者にまぎれて一人カラオケ、と思うとやや緊張も走りますが、慣れた様子でいることが大事。私は当然一人客として受付用紙を書きます。ここはセルフのドリンクバー形式で、個室に店員さんが来ないシステムらしく、一人カラオケには超ありがたい。しかも通されたのは確実に10人は入れる準パーティールーム! 一発目から最高の待遇だよ。
昨年末「年忘れニッポンの歌」で、上田正樹のフェイクが入りまくる自由すぎる熱唱を聴いてから「悲しい色やね」が歌いたくてしょうがなかった。まずは準備運動がてらマイクなしで「悲しい色やね」。ウ~Wow Wow~! とか、No,No… とか、他人と行ったらなかなかやれないフェイクもてんこ盛りで歌う。そのままイェイとかウォウとかたくさん言いたくなったので、岡村ちゃんを入れる。まだマイクなしなので手振りも入れまくり。さらにノリ良く行きたかったので宮本浩次(エレファントカシマシではない、同姓同名の別人歌手)の「タイトでキュートなヒップがシュールなジョークとムードでテレフォンナンバー」に行きたかったのに、この曲がリストにない!
これで少々冷める。なんだかオトコ歌から抜け出せない流れになった。……一人カラオケだから好きに入れればいいのだけど、そういうのがあるんだよ、この流れからこれには行けない、みたいなのが。
歌って気持ちいいandymoriを連発で入れ、ここでやっと私、ソファーの上に立ち、マイクを持つ。これが私の基本姿勢である。いい感じ。ふと思い出して来生たかお「夢の途中」を初めて入れてみると歌えました。これはレパートリーに加えましょう。
来生たかおが橋渡し役となってオンナ歌に行ける気がして、歌ったことのない宇多田ヒカルの歌を入れてみたものの、2曲ともサビしか知らなかったのでさっさと中断してしまう。悔しい。フラストレーションは晴らさねばならない。
ということで、こうなるともうオンナ歌の流れなので、全力でCHARAを連発。CHARAは吐息込みで全力で歌っちゃうのでいつも呼吸困難になりますが、本望です。4曲目で酸欠で失神しそうになるが、間奏が多い曲なので命拾い。ラストは、オトコ曲だけどオンナ歌扱いできる高音のスピッツと、PERIDOTSの労働(名曲ですよ!)でシメ。
年始からなかなかいいセットリストで歌えました。この調子で、次も知らない街でゲリラカラオケだ!
本日のセットリスト
1 悲しい色やね 上田正樹
2 Super Girl 岡村靖幸
3 愛について(中断) スガシカオ
4 CITY LIGHTS andymori
5 1984 andymori
6 夢の途中 来生たかお
7 Addicted To You(中断) 宇多田ヒカル
8 光(中断) 宇多田ヒカル
9 キャラメルミルク CHARA
10 溜め息の実 CHARA
11 レモンキャンディ CHARA
12 Tiny Tiny Tiny CHARA
13 仲良し スピッツ
14 労働 PERIDOTS
今回のひとこと
この連載、私はすごく気持ちいいんだけど、理解を得られるのかな……。
ライター紹介
文筆業兼イラストレーター。 「オカマだけどOLやってます。」でデビューし、近刊に「『能町みね子のときめきデートスポット』、略して 能スポ」(講談社文庫)「ときめかない日記」(幻冬舎文庫)など。「久保みねヒャダ こじらせナイト」にも出演中。
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※本記事内の情報は2015年02月26日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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