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ソロ活の達人に聞く!

2014/10/7

一人で行くならまずは東京・浅草。喫茶はソロ活には欠かせない

西浅草で開店から50年。“コーヒー”、“カレー”、“黄金バット ”。愛され続ける小さな喫茶店の魅力とは。お気に入りの喫茶店があるだけで、町の居心地はとてもよくなる。年に数回浅草を訪れてしまうのは、「ピーター」があるからかも。

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純喫茶の達人

塩沢 槙さん

1975年生まれ東京都出身。作家・写真家。単行本の執筆を中心に活動中。最新著作は『明日へのしょうゆ すべてをなくした蔵元の、奇跡の再生物語』(マガジンハウス刊)

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第一回 ハヤシライスも、おでんもおしるこもある浅草の純喫茶

第一回 ハヤシライスも、おでんもおしるこもある浅草の純喫茶

一人でどこかへ行ったり何かやったりすることを“ソロ活”というらしい。
私は、一人で本を読む時間が最高の楽しみという小学校時代を過ごした。子どもの頃から、比較的一人で過ごすのには慣れている。大人になって、大事な人達と過ごす楽しい時間の幸福感も十分に理解している。それでも一人で、行きたいときに行きたい場所へ行き、居たいだけ居るという時間は多い。いわばソロ活のプロ。(笑)一人で過ごす時間が多いと、行きたい場所へ行ける機会が格段に増える。
仕事柄ということもある。会社勤めをしていないから、仕事があれば土日関係なく労働し、仕事がなければ平日でも休みが取れる。また執筆と撮影を両方やることが多いので、取材でも一人は多い。

東京で暮らしていたり、東京出身でも、案外行動範囲は決まっていて、行ったことのない町は結構多い。
また、好きな喫茶店があるとその町の居心地はいい。喫茶が目的でなく町へ出ても、疲れたら喫茶店でひと息入れよう。美味しいコーヒーと居心地のいい空間、それがあるだけで“ちょっと今日はいい日”になるんじゃないか。
たぶん私が、用もないのに浅草へ年に数回来てしまうのも、浅草にいくつも好きな喫茶店があるから。
今日は浅草に来るとそれが遊びでも仕事でも、時間があれば立ち寄ってしまう喫茶店へ行こうと思う。

▲「ピーター」の外観

一番近い駅はつくばエクスプレスの浅草駅。東京メトロでいうと銀座線・田原町が近い。料理好きがわくわくする場所、かっぱ橋道具街の最寄り駅だ。だから浅草といっても、浅草寺周辺の観光地の雰囲気とはまるで別物だ。

▲外の窓にコーヒーの説明

▲店の入り口付近の席

店を訪れるとピーターママこと店主の左東正子さんが、今日も笑顔で迎えてくれる。
「今年で50年目なのよ」
開口一番左東さんはそういった。「コーヒーピーター」は昭和39年にオープン。
その2年後に、店を買い取る形で店主となった。それから48年が経った。
店主になって最初に取り組んだのは、自分の納得のいく美味しいカレーを出すこと。そう、この店カレーの美味しい喫茶店として、よく知られている。
カレーの注文が入ると、店中がいい香りに包まれる。

▲カレー普通盛り。飲み物付きのセットは並・900円 大・950円 小・850円

▲今日はセットでアイスコーヒーにしました。単品だとホット・アイスともに400円

カレーは、左東さんが研究に研究を重ねて決めた味。昆布・かつおのだしで肉や野菜を煮込んでいる。お肉は豚バラ肉。肉・野菜ともに産地は決めていないが、必ず国産のものを使用する。普通盛りでも量はたっぷり、ひと品で満足してもらいたいという計らいから。普通盛りが630円、大盛り680円、小盛り580円。カレーのルウだけ頼んで、パンで食べる人もいる。パンは浅草の老舗人気店ペリカンのものを使用。
常連さんのリクエストで、あとから登場したハヤシライスも人気だ。私もいつも迷う。それから、おでんも、おしるこも、いそべ巻きもかき氷も一年中ある。たぶん、一年中頼む常連さんがいるからだ。最近はクリームソーダ人気が目立つ。若者たちが「昭和のメニュー」といって頼むらしい。わかるわかる、私もクリームソーダのビジュアルが大好きだ。

▲じわじわかわいいメニュー

▲およそ30年前に描かれた壁画です

いつもは壁画前のソファ席に座ることの多い私、今日は入口近くの窓際の席を選んだ。ここからだと店全体が見えて、奥の壁画とテレビを見る常連さんの姿もよく見える。壁画は店の風景に完全に溶け込んでいる。
昭和60年のこと、店の常連客で『黄金バット』の作者のひとり一人であった、紙芝居作家で評論家の故・加太こうじ氏が店の突き当りの壁一面に、浅草にゆかりのある昭和のスター達を描いたものだ。
壁画の隅には『浅草公園六区で人気を高めた芸人などを描いた。今は昔、花の浅草は日本一の盛り場だった。』と書かれている。
日本の国民的スターはもちろん、「喜劇王」チャップリンも描かれている。チャップリンは浅草公園六区に数多くあった映画館のスクリーンで見られたため。 紙芝居は関東大震災直後の大正13年頃広まり、戦後から昭和三十年代に家庭にテレビが普及していくまでの間、子どもたちの楽しみとして欠かせないものだった。『黄金バット』は、その中でも大人気作品であった。
その加太氏の描いた壁画は、そのタッチも、そこに描かれるスター達もまさに昭和大衆文化そのものなのだ。

▲店全体はこんな感じ。今日座った辺りからの眺めです

左東さんは、「このカレーと壁画がなかったら、店は続いていなかったんじゃないかな」と話す。どちらもかけがえのない店の財産。「ただ元気で、死ぬまで店をやりたい。それだけですね」と話を続ける。
開店から50年目を迎える現在も左東さんは日曜の定休日以外休まない。私もいつまでも店に通いたいと思う。
仕事の前に早めに浅草に着いて20分でもちょっと立ち寄る日もあるし、今日は時間があるから行こうとのんびりする日もある。ひとり一人でなく、友人とお茶をするために訪れる日もある。
私がこの店を幾度も訪れるのは、なんだかここへ来た日は、とてもあたたかな気持ちになって家路につけるから。コーヒーもカレーも美味しい、でもそれだけじゃない。左東さんの店を訪れる人への思いが、溢れている店なんじゃないかと思っている。

▲店の表でピーターママを撮影させてもらいました。「またねー」と言ってお別れ

「コーヒーピーター」を楽しむための3か条

その1
ぜひこの店を訪れたらカレーを!でもハヤシもおいしいよ! おでんもかき氷も一年中あります。一人だとたくさん食べられないから、何度でも通って!
その2
店の突き当りの壁画もじっくり見ると、昭和の大衆文化が垣間見えます
その3
何度か通ってお店に慣れたらピーターママと話してみよう。その頃には自然と常連さんとの会話も生まれちゃいます。それは、ひとり一人で出かけるからこそ生まれる他者とのコミュニケーション

この場所の詳細

ピーター

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電話

03-3844-5984
※お問い合わせの際はレッツエンジョイ東京を見たとお伝えになるとスムーズです

住所

東京都台東区西浅草3-13-1

定休日

最寄り駅

田原町

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この記事を書いた人

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