国内外からの観光客も多い丸の内。とくに東京駅の復原工事が完了してからは周辺環境も整えられ、一気に観光地らしくなりましたよね。


丸の内エリアの観光スポットといえば、東京駅をはじめその周辺のハイセンスな商業施設、皇居、美術館など。東京ステーションホテルやザ・ペニンシュラホテル、シャングリラホテルなどの有名ホテルで食事を楽しむのもいいかもしれません。しかし周囲が友達やカップルばかりだと、一人で観光するのは勇気がいるもの。ぼっちでも楽しく観光する方法はないのでしょうか。


そこで利用したいのが、丸の内エリアを走る無料巡回バス「丸の内シャトル」。10時から20時にかけて12~15分間隔でこのエリアを走ってくれているのです。停車駅は全13ヵ所と途中下車できる場所も多いので、このバスを使えば一人観光だからこそできる悠々自適な観光を楽しめそうです。今回はこのバスに乗って、丸の内エリアを堪能したいと思います。

乗り場はどこ……? エキサイティングなバス停探し

丸の内シャトルの停留所は15ヵ所。日経ビルや読売ビル、東京會舘などの丸の内の主要どころに停留してくれます。

▲目印はこの赤い停留マーク。

▲目印はこの赤い停留マーク。

多くのバスの場合、停留マークは道路に面して立っていますが、丸の内シャトルは勝手が少し違います。

▲左端がバス停留所。バスが止まるのは右の丸枠のあたり

▲左端がバス停留所。バスが止まるのは右の丸枠のあたり

並んでいると「本当にここであっているのか」「私に気づかずバスが走り去ることはないのか」と不安な気持ちになってきます。日本にいながらにして異国にいるような心細さを感じられるのも、丸の内シャトルの醍醐味です。

▲バスが来た。想定していたよりずいぶん後ろに停留

▲バスが来た。想定していたよりずいぶん後ろに停留

なんとかバスに乗り込むことに成功。平日12時の乗客は、お年寄りや若い女性などが中心でした。ビルとビルをつないでいるのに、意外にサラリーマンは少ない印象です。

▲巡回ルートはこんな感じ。丸の内をぐるっと一周してくれます

▲巡回ルートはこんな感じ。丸の内をぐるっと一周してくれます

ではさっそく丸の内を探索してみたいと思います。

三菱ビル下車 KITTEのアトリウム&無料博物館

2013年に誕生した日本郵便初の商業施設・KITTE(キッテ)。1931年に建造された旧東京中央郵便局の局舎を保存しつつ新たな部分を建設した建物です。


見どころは、エントランスを入ってすぐのアトリウム。季節ごとにさまざまなモニュメントが飾られているのですが、12月は巨大なツリーが置かれていました。

▲大人にとっては、派手な装飾のないツリーもオツなもの

▲大人にとっては、派手な装飾のないツリーもオツなもの

KITTEの2、3階には無料で入れる博物館「インターメディアテク」が。日本郵便と東京大学総合研究博物館の産学協働によって作られた博物館です。

▲3階の様子。入館は2、3階のどちらからでも可能

▲3階の様子。入館は2、3階のどちらからでも可能

残念ながら撮影は不可だったので、ここからは筆者の渾身のイラストで紹介しようと思います。


2階の常設展示エリアには、さまざまな骨格標本が。肩までの高さが約183センチ、体重は1トンあるという巨大馬・シャイヤーや、400~500キロあったと言われる史上最も重たい鳥類・エピオルニスなど、見たこともない生き物たちの骨が並びます。

▲知ってる生き物も。これはバンドウイルカ

▲知ってる生き物も。これはバンドウイルカ

2、3階の階段部分には、体長約7メートルあったとされるマチカネワニのレプリカも。7メートルとは小型バスぐらいの大きさ。このワニの骨が出土したのは大阪大学の新校舎建設現場からだったそう。日本にそんな巨大ワニがいたなんて怖すぎます。

▲マサイキリンの骨も。遠くから見ても、キリンだけはすぐにキリンだと分かる

▲マサイキリンの骨も。遠くから見ても、キリンだけはすぐにキリンだと分かる

他に、1926年以前に作られたとされる東京帝国大学のエレベーターも。映画・タイタニックに出てきたエレベーターのように、二重になっているじゃばらの鉄扉を手で開けて乗り込むタイプのやつです。


3階には徳川慶喜や島津忠義の写真や、三宅艮斎氏(1817-1868)が旧蔵していた六連発拳銃の展示も。

▲重厚な箱に入れられていた六連発拳銃。こんな物騒なものは博物館へ寄贈するに限ります

▲重厚な箱に入れられていた六連発拳銃。こんな物騒なものは博物館へ寄贈するに限ります

ほかにも「アヴェス・ヤポニカエ――日本の鳥」(2014年12月28日まで)と題された鳥類の標本が展示されていたのですが、鳥が苦手な筆者はそそくさと退散しました。好きなものはじっくり、そうではないものは極力見ないで済むのも一人観光の良いところです。


実際に行けば「あぁ、筆者が言ってたのはこれか」と分かってもらえると思うのですが、筆者の画力でインターメディアテクのすごさが伝わったかははなはだ疑問です。不安なので、ぜひ足を運んでいただければうれしいです。

新丸ビル下車 東京銀行協会ビル

次に向かうのは、新丸ビル。目的は裏手にある東京銀行協会ビルです。


1916(大正5)年に建てられたレンガ造の旧東京銀行集会所の外壁2面を残し、その内側にビルを建てた東京銀行協会ビル。「そんなことできるの?」と思ってしまいますが、できるみたいです。

▲茶色のレンガ部分が旧東京銀行集会所。「土地が足りないからビルを建てたい」「でも今あるのをつぶすのはもったいない」の折衷案

▲茶色のレンガ部分が旧東京銀行集会所。「土地が足りないからビルを建てたい」「でも今あるのをつぶすのはもったいない」の折衷案

建物を壊すことなく延べ面積を増やすことができるとは思ってもみませんでした。筆者なら「もったいないけどビル建てたいし」と思ってすぐ壊してしまいそうです。筆者が所有者じゃなくて本当に良かったです。諦めずにどうすれば実現できるかを考えることが大事ですよね。

丸の内マイプラザ下車 明治生命館

続いては、国指定重要文化財に指定されている明治生命館。

▲コリント式列柱が見られる外観。素人目でも建てるのにお金かかってるのが分かる

▲コリント式列柱が見られる外観。素人目でも建てるのにお金かかってるのが分かる

1934年(昭和9年)に竣工し、戦時中は建物内にあった金属製品の多くを供出、終戦後は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に接収されるなど、昭和の歴史とともにあったと言えるような建造物です。土日には無料で館内に入ることもでき、マッカーサーも使った会議室などの見学も可能なのだとか。


ちなみにこの写真は皇居側の道路から撮影。角度を変えるたび違った一面を見せてくれる明治生命館だけに、撮影する際は自分の気に入ったアングルを探したいところです。

▲裏側もモダンな感じ

▲裏側もモダンな感じ

明治安田生命ビルと接している裏側の通路には、無料の休憩室「MY カフェ」が。テーブルやソファ、インターネット接続、雑誌などが無料で開放されています。

▲無料でいいの?と思うほどのリラックス空間

▲無料でいいの?と思うほどのリラックス空間

筆者が訪れたのは14時ごろ。ランチタイムを避けると比較的空いているよう。歴史的建造物が多くある丸の内エリアを見て回ったあとは、明治生命館で一人のんびり休憩するのもおすすめです。


みんなでわいわい観光するのも楽しいですが、美術館や歴史的建造物は自分のペースでじっくり見てまわりたいもの。昼の丸の内を存分に楽しんだ後は、バスに乗って丸の内のイルミネーションを楽しむのも良いのではないでしょうか。

丸の内をタダで、ソロで楽しむ3ヵ条!

その1 丸の内シャトルの停留所は見逃しやすい。頑張って探そう

その2 KITTEのインターメディアテクは結構広い。自分のペースで見て回ろう

その3 バスから見えるすごそうな建物はだいたい歴史的建造物。気になるものが見つかれば、気ままに下車してその素晴らしさを堪能しよう

スカイバス東京のりば(東京駅丸の内南口 三菱ビル前)
  • 所在地

    東京都千代田区丸の内 2-5-2 三菱ビル前、丸ビルとなり

  • 最寄駅

    東京

  • 電話番号

    03-3215-0008

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2014年12月18日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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