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ソロ活の達人に聞く!

2016/7/29

一人夏祭りをやってみて、はじめて夏祭りを好きになったかもしれない

一人で夏祭りをしてきた。渋谷にあるイベントスペース「東京354CLUB」には、和太鼓やお神輿が置いてあり、お祭り風のイベントが企画できる。ここを一人で貸し切って、一人夏祭りをしたのである。

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一人遊びの達人

朝井 麻由美さん

ライター・編集者。最新刊『「ぼっち」の歩き方』が発売中。その他、著書に『ひとりっ子の頭ん中』。

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一人夏祭りをやってみて、はじめて夏祭りを好きになったかもしれない

▲「東京354CLUB」。本当にお神輿がある……

▲和太鼓もある

いつからか、私は夏祭りに行かなくなった。一番よく夏祭りに行っていたのは、中学一年生の夏だ。毎週月曜日の塾に行きたくなさすぎて、月曜日には必ずお祭り行っていた。当時、夜に習い事以外で出歩く言い訳になるのが、お祭りに行く、くらいのものだったのだ。習い事を休むことには厳しかった母も、“友達に誘われた”という名目があれば怒らなかった。


母は塾よりも“せっかくの誘い”のほうを重要視した。あまり友達を作るのが得意でないことは見抜かれていたのだろう。最初にたまたま塾とお祭りの日がかぶったときに、すんなりと休ませてもらえたのに味を占めて、中学一年生の夏、私は7月から8月の間に7回ほどお祭りに行った。


夏祭りに誘ってくれていたのは、“ちゃーちゃん”という友達だった。ちゃーちゃんはカキ氷が好きで、いつも「カキ氷を食べよう」と言ってきたのだが、私はカキ氷のシロップが苦手だった。うまく断ることができず、我慢して一緒にカキ氷を食べていた。塾に行くよりはいくらかましだったけれど、結局、カキ氷を無理して食べるのがつらくなって、私はお祭りに行かなくなった。


阿波踊りや盆踊りの類のお祭りには、家族で何度か行ったことがある。特に、阿波踊りは近所で大きなお祭りをやっていたため、毎年連れて行かれた。私はたいてい、人混みに酔ってしまって、一人で途中で帰っていた。でもたぶん、しんどかったのは人混みだけではなかったのだと思う。なぜだかわからないけれど、阿波踊りを見るのが、しんどかった。


大学に入ると、何を血迷ったか、サンバ音楽を演奏するサークルに入ってしまった。それこそお祭りなどで楽器を演奏して練り歩き、それに合わせてダンサーが踊るといったパフォーマンスをするのが主な活動内容だった。私はカウベルのような楽器をキンコンキンコンと叩きながらリズミカルに歩いた。演奏中、ときたまダンサー担当の子が踊りながら近くに寄ってきて笑顔を見せる。“みんなで一緒に楽しもう”という笑顔で。そのとき私は、かつて阿波踊りを見ながら感じた、あの“しんどさ”を思い出した。


私は、“一緒”を強要されるのがつらかったのだ。カキ氷も、阿波踊りも、サンバも、“一緒に楽しむ”のが難しすぎた。相手が100%の出力で高いテンションを振りまいているところを、私は10%くらいの出力にしかなっていない。その落差がしんどくてたまらなかった。


そんなことを思い出しながら、店にあった法被を借りて、和太鼓を叩く。


……どーん。……どーん。カッ。ドン……。あ、すごい。びっくりするくらい、盛り上がらない。たぶん、今ここに開催されている夏祭りは、世界一盛り上がっていない夏祭りと言ってもいいのではなかろうか。けれど、一人の世界で、一人だけのペースで行う夏祭りは、同時に心地よさもある。盛り上がらないのは、悪ではない。テンションが低いのも、悪ではない。ポジティブさや元気さ、明るさも、もちろん悪ではない。むしろ、それを“善”とする人が多いからこそ、時として押し付けになることもある、と私は思う。


▲「火の用心」の木の棒が置いてあったので叩いてみた

中学の頃の私は無理してカキ氷を食べたから、友達と仲良く夏祭りに行けたのかもしれない。大学生の私はお祭りでサンバを演奏する際、無理して笑っていたからサークルでどうにか浮かなかったのかもしれない。けれど、その“無理”によって、私はお祭りそのものに苦手意識を持つようになっていた。今回、私は生まれて初めて、お祭りと名の付くもので“無理”をしなかった。苦手だったお祭りが、少しだけ好きになれたかもしれない。


▲でも、一人でお神輿をかつぐのは、無理

▲どうしても物理的に無理

▲お店の人に手伝ってもらってどうにかかつげました



一人夏祭りを楽しむ3カ条

その1
無理しない心
その2
お神輿は一人じゃかつげない
その3
お神輿をかつぎたいときはお店の人に手伝ってもらおう

東京354CLUB
電話:03-6455-0225
住所:東京都渋谷区宇田川町30-5 JowビルB1F
営業時間:イベント営業のみ。イベント貸切のシステム詳細はHPまで。
最寄り駅:渋谷
http://354club.com/

お知らせ

ソロ活の当連載が、書籍化しました!

「一人プラネタリウム」から「一人豆まき」までの連載記事を大幅に加筆修正し、「一人スイカ割り」、「一人流しそうめん」、「一人ラブホテル」などの書き下ろしも収録しています。

この記事を書いた人

朝井 麻由美さん

ライター・編集者。最新刊『「ぼっち」の歩き方』が発売中。その他、著書に『ひとりっ子の頭ん中』。

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