一葉が生活のために駄菓子・荒物屋を開いたところ。
一葉が明治26年7月20日から明治27年5月1日までの間生活したところ(下谷龍泉寺町368番地)である。一葉はここの棟割長屋で、母・たき、妹・くにと住み、駄菓子・荒物の小商いのかたわら、針仕事などの内職をして糊口をしのぎながら、「琴の音」「花ごもり」を執筆した。この十ヶ月足らずの龍泉寺町の生活の中で、社会の底辺に住む人々の庶民生活を目の当たりにしたことが一葉に大きく影響した。社会認識を深めるとともに、人間的にも成長し、後に多くの名作を生む源となったのである。ここを転居した後に書かれた不朽の名作「たけくらべ」はこの地を舞台としたもので、美登利・真如のモデルといわれる人も実在した。